世界を走り抜けたランドクルーザーの歴史
ランドクルーザーという名が生まれてから、2014年で60年になる。BJ型をルーツに持つトヨタの四輪駆動車は、一貫して高い走破性と丈夫な作りが支持されてきた。世界中で人々の暮らしを支えてきたランドクルーザーの歴史を振り返る。
BJ型
ランドクルーザーの歴史は、1951年にまでさかのぼる。日本は敗戦で軍隊が解体されていたが、1950年に警察予備隊が発足した。後に自衛隊に改組される組織である。人員や物資を運ぶための四輪駆動車の必要があるということで、各自動車メーカーに開発が要請された。
一から開発する時間はなく、トヨタはSB型トラックのシャシーをもとにジープBJ型を試作する。3.4リットルの直列6気筒エンジンを搭載する、パワフルなモデルだった。悪路走破性が高く、林野庁などの官公庁や電力会社などに採用された。
20系
初めてランドクルーザーの名を与えられたのは、1955年にモデルチェンジを受けた20系である。エンジンは初代と同じB型に加え、3.9リットルのF型も選べるようになった。ホイールベースを短くして操縦性を向上させ、デザインは丸みを帯びて洗練されたものとなった。
引き続き国内では官公庁や企業向けに販売され、海外へも本格的に進出した。特に北中米では人気が高く、トヨタの輸出車の主力となった。
40系
1960年に登場した40系は、24年にわたって製造される超ロングセラーとなった。北米では四輪駆動車をハイウェイでも使うスタイルが定着しており、高速性能が重視されていた。ランドクルーザーもそれに対応すべく副変速機を2速化してトランスミッションをハイギアードにし、ハイレンジを使った100km/h以上でのスムーズな巡航を可能にした。
1973年には3.6リットルの直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載したモデルが追加され、翌年には3.0リットル直列4気筒エンジンも加えられた。石油ショックが起きた時期でもあり、高い経済性が評価された。
ハードボディも設定され、3種のホイールベースと合わせてバリエーションが増えていった。何度もマイナーチェンジを受け、熟成されていくほどに人気が高まって長期間販売されることになった。
55系
40系からは派生モデルも生まれている。1967年にデビューした55系は、北米でのステーションワゴンブームに対応したものだ。乗用車的なボディスタイルを持ち、独特なフロントマスクからムース(ヘラ鹿)の愛称で親しまれた。
60系
さらにラグジュアリー性を高めたのが、1980年に登場した60系である。クロームメッキバンパーや室内カーペットなどの高級感あふれる装備が取り入れられ、豪華な仕様を求める人々の要求に応えた。
1984年には国産四輪駆動車として初めてのAT仕様も加わり、広いユーザー層から支持を集めた。
70系
ヘビーデューティな本格的四輪駆動車としては、1984年に登場した70系が40系の直接の後継となる。分割式フェンダーなどの意匠は受け継がれたが、デザインはモダンで洗練されたものとなった。
それでも、中身は硬派を貫き、ラダーフレームに四輪リーフリジッドサスペンションという構成を引き継いだ。悪路走破性はさらに向上し、世界中で人気が高まっていった。
このモデルにはライトなランドクルーザーワゴンが派生車種として加えられ、こちらにはコイルスプリングが採用された。エンジンやトランスミッションなどは、ハイラックスと共用である。
70系は40系を上回る長寿となり、30周年の2014年に至っても販売が続けられている。日本では2004年に販売が終了しており、今回10年ぶりに復活することとなった。
80系
60系の直系が、1989年に登場した80系である。ボディサイズが大きくなり、装備が充実して高級SUVとしての性格を強めた。サスペンションは前後ともコイルスプリングである。大きく変わったのは四輪駆動の方式で、パートタイム式からセンターデフロック付きのフルタイム式に変更された。
100系
1998年に80系がフルモデルチェンジされ、100系へと発展する。4.7リットルのV8 DOHCエンジンを搭載し、サスペンションはダブルウィッシュボーン式の独立懸架となった。多くの電子制御が採用され、快適装備が盛り込まれてラグジュアリー路線を極めていった。
200系
オフロード性能を保ちながら、オンロードでの快適性を重視してプラットフォームを一新したのが、2007年の200系である。先進テクノロジーを満載してサスペンションや四輪駆動システムを制御し、環境性能も高いレベルを実現している。豪華装備も充実し、文字通りのプレミアムSUVとなった。
プラド
70系に1984年から加わったランドクルーザーワゴンは、1990年にプラドの名が与えられた。1996年に90系、2002年に120系、2009年に150系へと発展し、ライトデューティモデルとして高い人気を保っている。
[ガズー編集部]
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