新しい旅のかたち…安東弘樹連載コラム
緊急事態宣言解除後、徐々に世の中が動き始めました。というより、動かしてもよい空気を政府は出してきました。
経済を動かさなければ、日本が沈んでしまう状況は十分に理解できますが、その後打ち出された、観光業の支援策としての「Go To Travelキャンペーン」は感染者が首都圏を中心に増え始めたことから、現状、東京発着の旅行については、宿泊費等の還元が除外になっています。正に賛否両論が渦巻いており、関係官庁の方や観光業の方々の混乱は十分に推測できます。
私も、この夏は家族での遠出は諦めていますが、千葉在住の私はどこを旅行の目的地にすればよいのか、もしくは今年の夏は旅行を完全に諦めた方がよいのかいまだに判断ができないでいるのが正直なところです。その様な方も多いのではないでしょうか。
そんなとき、自分が担当しているレギュラーラジオ番組で、こんなテーマの放送をしました。
「最近、うれしかったこと」。おかげさまで沢山のメールをいただいたのですが、その中で、こんな内容のメールがあったのです。
「夏休みに予定した公共の交通機関を使った遠出の旅行を諦め、その代わりキャンピングカーを借りて、家族で隣の県に旅行に行きました。」というもので、さらに「当初、キャンピングカーなんてせまいし、なにか嫌だと」と言っていたお子さんたちが実際にキャンピングカーを目の当たりにして、予想外に快適で豪華な室内と、そのまま走行できる、という非日常感で、すぐにテンションが上がり、旅の終わりには、家族一同、大満足の表情で、また同じ旅をしたい、と言ってくれたのがうれしかった。というメールで、それを読んでいた私までうれしくなってしまいました。
これまで何度か伝えてきたように、クルマというのは新型コロナウィルスだけでなくさまざまな病原菌を他人に感染させるリスクも感染させられるリスクも極めて低い移動手段です。
しかし「普通の」車の場合、旅先では宿に泊まり、そこでは、自分の部屋で食事ができる一部の宿以外では食事は他のお客さんと同じ部屋ですることになりますし、ロビーでチェックイン、チェックアウトもしなければいけない所が多いのも事実です。
また最近、流行っているとは言え、家族で野外キャンプというのは敷居が高い、という方も多いのではないでしょうか。
その点、キャンピングカーの場合、食事も家族だけでできますし、シャワー付きのキャンピングカーの場合、まさに、クルマの中だけで、観光以外の旅活動は完結できます。
先程、紹介したリスナーさんのメールには、ご家族は当初「旅先で不便な思いをしたくない」という理由で反対されたそうですが、実際にクルマを見て、ほとんど不便がないことを知った途端にご家族、皆が前向きになってくれたと、書いてありました。
実は私もクルマ好きとして、これまではキャンピングカーに全く興味がありませんでした。特に私は「運転好き」ですので、運転自体が楽しいとは思えない、キャンピングカーで長距離を移動する必要性を感じなかったのです。
運転が楽しいクルマで目的地まで移動し、快適な宿に泊まって、観光を楽しみ、また楽しい運転をしながら帰宅するのが、旅行の醍醐味と信じて疑いませんでした。
しかし、この世情もあり、最近、キャンピングカーを楽しむ“ユーチューバー”の動画を観る機会が増え、最新のキャンピングカーを知ると、その快適さに心を動かされることが多くなってきたのです。
欧米人が乗るような大型トラック並みの巨大なキャンピングカーではなくても十分に快適で楽しいものが日本では多く存在しており、その工夫には、いつも驚かされています。そして、どのユーチューバーさんも、とにかく楽しそう!
最近の私のバイク熱といい、YouTubeに日々影響を受けている安東でございます(笑)。
私が好きな、あるユーチューバーさんは、元々、二人乗りのオープンカーでクルマの楽しさに目覚め、これまで奥様との数々のオープンカー生活の動画を上げ、そのクルマの魅力や楽しさを視聴者に、これでもか、という位に伝えてきたというのに、そのクルマを最近、売ってしまい軽自動車ベースのキャンピングカーに乗り替えてしまいました。
でも、これがこれまでと同じ位、楽しい動画で、私も以前はそのオープンカーの運転の楽しさを感じてワクワクしながら観ていたのに、今や、すっかり軽キャンピングカーでの日々の生活の様子を楽しんでいるのです。
私は、これまでクルマの中で食事や睡眠を取ろうと思ったことはなかったのですが、最近は「あれ、軽自動車ベースの、このキャンピングカーなら買えるかな」などとつぶやいている自分に「ハッ」と気付くときがあります。そして正に、こういう状況のときにはピッタリなツールだということに気付きました。
ちなみに先のユーチューバーさんの軽キャンピングカーは大人二人と子ども二人でしたら十分、快適に寝ることができて、ちょっとした洗い物ができるシンクも付いており、シンクに内蔵されたポリタンクに水を入れておけば、排水用の大容量の空タンクも隣に設置されているため、野菜などの下処理からお皿を洗うことも可能ですので、携帯バッテリーをつないだIHのコンロ等と組み合わせると簡単な調理もできます。
さすがにトイレやシャワーは付いていませんが、温泉施設が付帯されているオートキャンプ場や車中泊が可能な駐車場などに滞在すれば、かなり快適に宿泊できるのではないでしょうか。
その場合、入浴のときだけ感染リスクに気を付けなければなりませんが、他の旅と比べれば、全行程を通じて、かなりのリスク回避になります。
布テントと比べればはるかに快適で、しかも窓もしっかりと確保されていて、かつ隙間がない網戸が付いているので、安心して満点の星空を眺めることも海が近い施設に停めていれば波の音を聞きながら寝ることもできます。
もし、気温が高く寝苦しい夜は嫌だという方が、いらっしゃったら、やはりポータブルバッテリーで動く簡易エアコンを買ってから旅に出るのはいかがでしょうか?
この軽自動車ベースのクルマの場合、あるレンタル会社の夏の繁忙期の料金は48時間で36,000円。もちろん、人数によって価格は変わりませんので家族4人の場合、一人9,000円、という計算になります。
そして思い切って買ってしまおう!という方のためにクルマ自体の価格をご紹介すると、装備や駆動方式によって変わりますが300万円前後と考えていただければ間違いありません。
それぞれ、高いと思うかリーズナブルと思うかは、人によって違うと思いますが、こんな状況のときにさまざまなリスクを回避しながら、夫婦や家族で思いっきり話をしながら楽しめるということを考えたら選択肢の一つにはなると私は思っています。
今回のコロナウィルスの影響であらためてパーソナルな移動を担保してくれる「クルマ」の重要性を再認識しているのですが、さらに、これまで自分が興味を持てなかった分野に目を向けるようにもなりました。
今後、どの様な状況になろうとも我々は前を向いていかなければなりません。生きていくために楽しみも見出さなければはならないと思います。私の場合、その一つに、キャンピングカーという新しいツールが浮かび上がりました。皆さんはいかがでしょうか。
もちろん、現状、夏の旅行どころではない、という方も沢山、いらっしゃると思います。
しかも、この新型ウィルスの呪縛から完全に解放されるのが、いつになるのか現状、
想像もできません。
でも解放される、その日まで、さまざまなことに耐えながらも、お互いに最大限の配慮をしつつ、寛容の心も持って、少しは楽しみを見つけて頑張っていきましょう!
安東 弘樹
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