中古車購入はいつがお得?中古車相場を決める要因について解説【GAZOO中古車購入ガイド】
中古車サイトに掲載されているクルマは、同じ車種でも一台ずつ価格が異なります。新車はどこで買っても同じ値段なのに、なぜ中古車は価格が違うのでしょうか。
ここでは中古車の価格が異なる理由と、どのようなものが影響して価格が変わってくるかについて解説します。
中古車には“定価”がない
自動車メーカーのWEBサイトでは、新車の値段を知ることができます。そしてGAZOOをはじめとする中古車情報サイトでは、掲載されている中古車の値段を知ることができます。
どちらもクルマの値段ですが、両者には大きな違いがあります。それがなんだかわかりますか?
それは値段(価格)の決まり方。新車は自動車メーカーが“希望小売価格”を決めるため、全国どこで買っても価格は同じです(個別の値引き等を除く)。一方、中古車はクルマを仕入れた販売店が独自に価格を決めるため、同じ車種でも販売店によって価格が異なります。
つまり中古車には“定価”が存在しないのです。
では、販売店はどのように販売価格を決めているのでしょうか。答えは中古車の“相場”を参考に価格を決めています。
相場とは市場における需要と供給がバランスして取引価格が決まること。中古車ではそのクルマを欲しい人(需要)が増えると相場が上がり、逆に供給(市場での中古車の数)が増えると相場が下がります。
そして人気装備がついていたり、人気のボディカラーだったりするなど多くの人が欲しいと思う中古車は平均的な相場よりも価格が高くなり、逆に不人気な条件のものだと相場より価格が安くなる傾向にあります。
株式や金、身近なものだと野菜や果物などが時期によって相場が変わるように、中古車相場も日々変動しているのです。
アクアの同じグレードでも評価や装備などによって中古車価格が異なる(GAZOO中古車byKINTOの2023年4月30日)
では、どのような要因が中古車相場に影響を与えるのでしょう。ここでは代表的なものを紹介します。
【グレード】上級グレードやエアロボディが人気
また、エアロパーツがついたグレードも中古車で人気。車種によっては豪華装備の最上級グレードよりも中古車相場が高くなるものもあります。
【ボディカラー】人気色と不人気色では10万円以上の差になる
新車は基本的にどのボディカラーも同じ価格で、一部の色がオプション扱いで数万円高くなったりします。ところがボディカラーは後から変えることができないため、人気の色だと平均的な相場より高くなります。
逆に人気がない色は安くなり、同じ車種でも人気色と不人気色で10万円以上の差になることも珍しくありません。
【オプション装備】後付けできないものが人気
オプション装備には工場で製造する際に取り付けるもの(メーカーオプション)と、製造後に販売店で取り付けるもの(ディーラーオプション)があります。製造時しか取り付けることができない装備はそれがついている中古車を探すしかないため、相場が高くなりがちです。
代表的なものとして両側電動スライドドア、ムーンルーフやパノラマルーフ、革シート、高級オーディオシステムなどが挙げられます。
【年式】古くなるほど相場は安くなる
一般的に中古車は生産されてから時間が経つほど相場が安くなります。これはなるべく新しいクルマに乗りたいと考える人が多いため。ただ、車種によっては旧いものでも人気があり、新車時より高い価格で取引されるものもあります。
【修復歴】クルマの骨格にあたる部分を修復していると相場が安くなる
クルマの走行に影響を与える骨格部分に修理履歴がある中古車は、販売時に『修復歴あり』と表示されます。修復歴ありの中古車は敬遠されることが多いため、修復歴がないものより価格を下げて販売されます。
修復歴に該当するのは次の部分。
- フレーム(サイドメンバー)
- クロスメンバー
- インサイドパネル
- ピラー
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- フロア
- トランクフロア
たとえば壁にこすってしまいバンパーを交換したようなケースは『修復歴あり』にはなりません。
【走行距離】多走行車は相場よりも安くしてメリットを出す
クルマを通勤などで毎日使う人と週末しか乗らない人では、年間走行距離は大きく変わってきます。一般的に年間8000kmよりも多い走行距離のものは価格が安めに設定されることが多く、年間1万5000kmを超えるとさらに安くなります。
これは多くの人がなるべく走行距離の少ない中古車を探しているため。走行距離が多いものは値段を安くしてお得感を出しているのです。
また、走行距離が10万kmを超えると消耗部品はもちろん補機類などの交換が必要になるケースが増えてくるため敬遠されがち。そのため相場よりも安い価格設定になっている中古車が多くなります。
中古車は季節によっても相場が変わる
これまではクルマの状態などによる中古車相場の違いについて解説しましたが、中古車はクルマの状態とは別の要因で相場が変わることもあります。それが季節要因です。
代表的なのが2〜3月。この時期は1年の中でもっともクルマが売れるので、相場が高めになります。
逆に多くの人がレジャーなどに出かけて販売店に人がやって来にくい大型連休の時期や連休明けは相場が下がりやすくなります。
クルマ購入にはまとまったお金が必要で、ローンやクレジットを利用するケースもあります。そのためボーナスを頭金にして購入しようとするので、ボーナス前は価格を抑えてお客さんを呼び込む傾向にあります。
他にも4WDのSUVは冬前に高くなり、オープンカーは屋根を開けて走るのが気持ちいい春に相場が上がるなど、個別のボディタイプによって相場の変動があるケースもあります。
季節は関係ありませんが、クルマがフルモデルチェンジすると新車の買い替え需要で旧型車の中古車が一気に増えるため、相場が下がるケースが多くなります。
もしかしたら、ライバル車種のほうが安く買えるかも?
クルマには多くのボディタイプやサイズがあり、自動車メーカーはさまざまな車種を販売しています。そして多くの人から選ばれるカテゴリーにはいくつもの競合車種があります。代表的なものだと軽スーパーハイトワゴンにはホンダ N-BOX、ダイハツ タント、スズキ スペーシア、日産 ルークス、三菱 eKスペース、三菱 デリカミニと6つの車種がしのぎを削っています。
同じカテゴリーでも特に人気がある車種は中古車でも多くの人が欲しいと考えるため、中古車相場は高めになる傾向があります。
裏を返すと、あまり人気がない車種は相場が安くなるので、性能や使い勝手は人気車種と変わらなくてもお得な条件で買える可能性が高くなります。
車種にはあまりこだわりがないという人は、あえて不人気車を探してみるのもいいかもしれないですよ。
「これは!」と思う中古車は相場を気にせず買うべき!
クルマは高額商品なので、少しでもお得に買いたいもの。これは中古車でも変わりません。一方で、新車と違って1台ずつ状態が異なるため、相場が安くなる時期に条件に合うクルマが見つかるとは限りません。
中古車購入は一期一会。「これは!」と思う中古車に出合ったら、相場を気にせず購入したほうが満足感を得られるということも、頭の片隅に入れて中古車を探してみてください。
次回は「中古車の選び方」について解説します。
(文/高橋 満<BRIDGE MAN>)
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