買うべきクルマはどう決める?中古車の選び方について解説【GAZOO中古車購入ガイド】

  • 買うべきクルマはどう決める?中古車の選び方について解説【GAZOO中古車購入ガイド】

GAZOOをはじめとする中古車サイトにはたくさんの中古車が掲載されています。サイトを見ながら購入候補を絞ったら次は店頭で実車を確認して、最終的に購入する1台を決めていきます。

ここでは中古車のどんな部分を見ていけばいいかを解説します。

中古車は1台ずつコンディションが違う

工場から出荷されたばかりの新車はどの販売店で購入してもコンディションは同じ。新品の良質な状態です。
しかし公道で使用された中古車は前オーナーの使い方やメンテナンスの仕方などで1台ずつコンディションが変わってきます。これが中古車の『程度』と言われるものです。

中古車のコンディションを左右する代表的な要因として、次の2つが挙げられます。

  • 年式
  • 積算走行距離

■年式

クルマが初度登録された年を表すのが年式。ほとんどの中古車は製造された年と捉えても大丈夫です。クルマには数万点におよぶ部品が使われていて、その中には時間の経過とともに劣化していくものもあります。そのため、年式はクルマのコンディションを図る目安の一つとなっています。

■積算走行距離

クルマが製造されてからどのくらいの距離を走ったかを表すのが積算走行距離(総走行距離)。総走行距離はクルマのオドメーター(積算走行距離計)に表示されます。年式と同様に走行距離がかさんだ中古車は消耗部品が劣化している可能性があります。

ただし、クルマは発進時とブレーキング時(ストップ&ゴー)が車体に負担がかかるため、高速道路を一定速度で巡航する機会が多かったものは積算走行距離が延びていてもコンディションがいいというケースもあります。

これらはあくまでクルマのコンディションを推測する目安として利用しましょう。というのも、低年式だったり走行距離が多かったりしても、前オーナーがしっかりメンテナンスしていたためにコンディションがいいという中古車はたくさんあります。

そこで年式や積算走行距離とともにチェックしたいのが、次の2つのものです。

  • 定期点検整備記録簿
  • 修復歴

■定期点検整備記録簿

クルマは12ヵ月点検整備と24ヵ月点検整備を受けることが法律で定められています(自家用車の場合)。法定点検を受けると『定期点検整備記録簿』が発行されます。記録簿は2年間の保存義務があり、クルマによっては初度登録からの記録簿が残っていることもあります。
これを見ればいつ・どんな整備を受けて、どの部品が交換されたかを知ることができます。

■修復歴

買うべき中古車を決める上でもう一つ見ておきたいのが『修復歴』です。『修復歴あり』となっている中古車は過去にクルマの走行に影響を与える骨格部分を修復したもの。

クルマは事故に遭った際に骨格全体で衝撃を逃がすように設計されています。現在は修復技術の向上により修復歴が原因でまっすぐ走らないというようなものは少ないと思われますが、修復歴車は万が一事故に遭った際にどうなるかはテストされていないため、どうなるかがわからないというリスクがあります。
修復歴車は価格が安いというメリットがありますが、購入は慎重に考えることをオススメします。

販売店ではこんなところをチェックしよう

上記以外にも、店頭ではクルマのコンディションを知る上で見ておきたい部分を紹介します。項目が多いので、すべてを覚えておくのは大変……。販売店に行く前にチェックリストを作っておくとチェック漏れをなくせますよ!

  • 外観編
  • 室内編
  • エンジンルーム編

【外観編】

  • 【GAZOO中古車購入ガイド】中古車の選び方 トヨタ・アクアの外観

■ボディのキズや凹み

前オーナーが公道を走っていた中古車は、新車のようにまったくキズや凹みがない状態というのは難しいもの。そしてその中古車の価格はキズや凹みを加味した上で付けられています。ボディ、ミラー、ホイールなどを見て、キズや凹みが納得できる状態かをチェック。
どうしても気になる部分は、納車までに直してもらえるか、修理にいくかかかるかなどを確認しましょう。
なお、濡れている状態ですとキズやへこみが分かりにくいので、雨の日は避けたほうがいいでしょうか。

■ドア

すべてのドアが抵抗なく開閉できるかをチェック。ドアは外からだけでなく室内からも開閉してみましょう。ひっかかりなどを感じた場合、ヒンジ部分などに歪みが出ている可能性もあります。
また、スマートキーやキーレスエントリーがきちんと作動するかも確認しましょう。

■タイヤ

4本のタイヤにしっかり溝が残っているか、4本とも減りが均一かをチェック。減りがアンバランスだとアライメントが狂っている可能性もあります。
4本とも銘柄は同じか、サイドウォールにキズなどがないかも要確認。

■ライト類

ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプなど、すべてのライトがきちんと点灯するかを確認しましょう。

■バックドア

バックドアを開けた際に重みで下がってこないかを確認。下がってくるクルマはダンパーがへたっているので納車までに交換することをオススメします。

【室内編】

  • 【GAZOO中古車購入ガイド】中古車の選び方 トヨタ・アクアの車内

■シート

表皮に破れやひび割れがないかなどをチェック。キズやスレは許容範囲かどうかを確認します。また、前後スライドや角度調整など、実際にシートを動かしてみましょう。

■ステアリング

運転中にもっとも触れる機会が多いステアリングは、使用感が出やすい部分。スレやテカリが許容範囲かを要確認。ステアリングスイッチがついているものは、すべてを動かしてみましょう。

■給油口・ボンネット開閉レバー

給油口やボンネットの開閉が問題なくできるか、実際にレバーを使ってみましょう。

■荷室

外観同様に荷室にも多少のキズはあるものですが、それが許容範囲かを確認しましょう。

■タバコ

車内ににおいが残っていないか、シートなどに焦げ跡がないかを確認しましょう。

■エアコン

エアコンのオンオフ、温度・風量調整などが可能か、実際に動かしてみましょう。夏場に暖房、冬場に冷房を作動させるのも忘れずに。

■パワーウインドウ

パワーウインドウがきちんと作動するか、実際に動かしてみましょう。運転席にあるスイッチだけでなくそれぞれのドアについたスイッチでも動かすのを忘れずに。

■ミラー

電動ミラーが作動するか、きちんと格納できるか動かしてみましょう。

■オーディオ・ナビ

スマートフォンをブルートゥースでつないで音が出るか、ラジオやCDはきちんと作動するか、ナビの動作に不具合はないかをチェック。

【エンジンルーム編】

  • 【GAZOO中古車購入ガイド】中古車の選び方 エンジンルーム

■エンジンの始動

キーを回して(またはスタートボタンを押して)エンジンが一発でかかるかを確認。店頭に展示された中古車はバッテリーが上がっていることもあるので、その場合は外部のバッテリーなどをつないでもらいましょう。

■アイドリング状態

エンジンを始動したらしばらくそのままにして、エンジンが温まったらアイドリングにムラがないか、音は正常かを確認しましょう。

■マフラー

マフラーからの音が極端にうるさくないか、排気の色が極端に白かったり黒かったりしないかを確認。音が極端にうるさい場合は途中に穴があいていることもあります。

『品質情報』をチェックすれば安心!

  • 【GAZOO中古車購入ガイド】中古車の選び方 GAZOO中古車byKINTOの車両検査証明書

GAZOO中古車byKINTOの車両検査証明書(引用 GAZOO中古車byKINTO https://gazoo.com/U-Car/resource/static/img/T-Value/quality/img_certificate-car_l.jpg

店頭でのチェックポイントを紹介しましたが、項目が多いので「すべてをチェックするのは大変……」と感じた人もいるはず。また、「クルマに詳しくないので、きちんとチェックできるか自信がない」という人もいるでしょう。

そんな人に注目してほしいのが『品質情報』です。

今、多くの中古車販売店ではクルマに詳しくない人にも安心して中古車を選んでもらうために、それぞれの中古車にプロの検査員が自動車オークションでの公正な検査基準をもとに検査を行った『車両検査証明書』を提示するのが主流になっています。

  • 【GAZOO中古車購入ガイド】中古車の選び方 GAZOO中古車byKINTOの86の品質情報

GAZOO中古車byKINTOの86の品質情報(引用 GAZOO中古車byKINTO https://gazoo.com/U-Car/detail?Id=0360117B63111

GAZOO中古車by KINTOに掲載される中古車を例にすると、WEBでは『品質情報』として総合評価・外装評価・内装評価を掲載。さらに外装のどこにどんなキズがあるかなどを『車両外装状態』で公開しています。

もちろん『車両検査証明書』は店頭でも確認できるので、これを見ながら販売店のスタッフと中古車を見ていくとスムーズに状態を確認できます。

『試乗』でチェックすべきポイントは?

  • 【GAZOO中古車購入ガイド】中古車の選び方 試乗でチェックするポイントは?

中古車を購入する際は、可能なら試乗をして最終判断したいところ。ただ、試乗はすべてのクルマでできるわけではありません。

大前提として、試乗できるのは車検が残っているクルマ(ナンバープレートがついているクルマ)のみになります。そして試乗するクルマは大切な商品なので、販売店によっては車検が残っていても試乗を断るケースもあります。その場合は販売店の方針に従いましょう。

そして試乗はクルマの性能を試すためではなく、状態を把握するために行うものであることを忘れずに。急発進や急ハンドルなど“急”がつく操作はご法度です。
また、万が一試乗中にクルマをぶつけたりしてしまったら運転者の責任になることも覚えておきましょう(任意保険にはまず加入していません)。

試乗ではメーターがきちんと動くか、走行中に不自然にクルマが左右に振られないか、アクセルやブレーキに違和感はないかなどを確認してください。

不明点はどんどん質問しよう!

新車と違って一台ずつ状態が違う中古車。そのコンディションを完璧に把握するのは、何度も中古車を購入している人でも難しいもの。ましてや初めて中古車を買おうとしている人にはとてつもなく高いハードルに思えるはず。

でも難しく考えることはありません。クルマを見て「あれ、なんだろう?」と思ったことをそのままにせず、販売店に聞いてみるだけでも納得感のある中古車選びはできます。

もし質問した時に販売店側がきちんと回答してくれないようなら、そのお店では購入を見送るべき。クルマは買って終わりではなく、購入後も車検や整備などで販売店との付き合いが続きます。だからこそ信頼できる販売店で買うのが一番!

次回は「中古車の買い方」について解説します。

(文/高橋 満<BRIDGE MAN>)