クルマだって定期的な掃除が大切。車内を快適にして気持ちよくドライブ

  • クルマだって定期的な掃除が大切。車内を快適にして気持ちよくドライブ

家は定期的に掃除機をかけたり、拭き掃除をしたりするものの、クルマとなるとあまりしない方がほとんどではないだろうか。

つねにそこで生活しているわけではなかったり、グラスエリアが広くて開放感があるのであまり汚れていない気がしてしまうだけ。さらに言うと内装には濃い色が使われることが多いので、目立たないというのもある。

もちろん、汚れていないことはないし、土足で乗り降りして、ドライブ中に飲食したり。さらには夏であれば汗をかいたままシートに座るなど、よく考えたら環境としてはかなり悪いと言っていい。

それでいて、掃除はあまりせず、したとしてもフロアマットを取り出して洗って、あとは掃除機をかけておしまい程度がほとんどのように思える。車内に使われている素材はさまざまで形状も複雑だけに、大変そうに見えるものの、部位毎に整理して対応すれば、手間もかからないのでご安心を。

手順1 フロアマットを取り出して洗う

その昔であればシートを取り外して洗いつつ、フロアもきれいにするという猛者もいたが、現在では配線などもあるので無理。そうなると車内で取り出せるのはフロアマットだけとなる。ということで、まずはフロアマットを取り出してきれいにしよう。

ただ洗い方が問題で、コイン洗車場やガソリンスタンドにある、飲み込ませて洗うタイプの洗浄力はそこそこ。水道があれば、水洗いするのがベストだ。この際のコツは水を大量にかけてやるということ。大量にかけることで毛が開いて、中に入り込んだゴミなどが自然に流れ出る。

洗い終わったら完全に乾燥させるのもコツで、生乾きだと車内に湿気を持ち込むだけだし、それによって雑菌が繁殖したり、悪臭の原因になったりするので、よく乾かしてから戻すようにする。乾燥時間を取るためにも、車内清掃の最初に行って、ほかの作業をしている間に乾かしてやると効率がいい。

  • フロアマットは大量の水で汚れを落とす

    水をしっかりとかけてザブザブの状態にするとゴミが自然に浮き出て、流れていく

  • フロアマットには洗濯用洗剤もオススメ

    湿気が多い季節は部屋干し用の洗濯洗剤を使うのがオススメ

手順2 車内清掃の基本は掃除機がけにあり

フロアマットを外に出したら、あとは取り出せるものはなくなった。次に行なうのが掃除機がけだ。まずは床まわりからだが、車内というのはけっこう入り組んでいて、細かいところにゴミなどがたまりやすいので念入りに。また掛けもれも発生しやすいので、たとえば前から後ろへと順番を決めるといいだろう。

また最大の難所はシートの下で、よく見るとゴミやホコリ、場合によってお菓子のクズなども落ちていることもある。これらは単に汚いだけでなく、雑菌やダニの温床になったりするので、衛生面でも問題だったりする。

しっかりと取り除いてやるためのコツは視線を落とすこと。中腰で作業しがちだが、これだと視線がシート下の奥までいかないのが問題。しっかりと腰を落として覗き込むようにして確認しつつ、掃除機をかけていくようにするといい。

そしてもうひとつ、掃除機がけを念入りに行いたいのが、シートだ。シート下ではなくて、シート表皮で、シートバックと座面の間や縫い目などにゴミやホコリが入り込んでいるし、クロスやモケット素材の場合、表面にホコリが付着しやすいので、これらを取り除いてやる。

  • シートの下を掃除機をかける

    シートの下は腰を落として、覗き込むようにして確認しながらかけるのがコツ

  • シートのステッチ部分に沿って掃除機をかける

    シート表面はステッチ部分にノズルの先を押し当てるようにしてかけていく

手順3 樹脂部分はただこするだけではダメ

車内全体を掃除機がけできたら、次は素材別にきれいにしていく。まずは樹脂からで、クルマの場合、質感を出すためにツルツルの樹脂よりもシボと呼ばれるシワが入ったものがよく使われている。シボの問題は汚れが入り込んでしまうため、表面を拭く程度ではきれいにできないということ。

対処方法としてはスポンジに水を付けてタテヨコ、そしてナナメに動かしてかき出すように洗っていくのが最適だ。水というのは意外に洗浄力が高いので、水拭きだけでも十分に汚れは落とせるが、気になるときは家庭用の固形石鹸を少し付けるといいだろう。固形石鹸はダメージが少ないので、仕上げにもう一度水拭きをして、乾拭きをすれば完成だ。

また樹脂でも細かい部分はスポンジではなく、綿棒や歯ブラシを使うと機動力がアップする。エアコンの吹き出し口やスイッチまわり、シートベルトのバックルなどを、先に水を付けた綿棒などでチマチマと拭いたり、歯ブラシでこすっていく。先に付けた程度なので、スイッチの中に水が入り込んで不具合の原因になることもないので安心だ。

  • シボからは汚れが取れにくい

    縦横無尽に動かしてやることで、シボの中に入り込んだ汚れをかき出してやる

  • 細かいところは綿棒や歯ブラシで

    細かいところも当然、汚れているので、綿棒などを使って丹念にクリーニングしていく

手順4 シートのクリーニングに大量の水は禁物

そして難関のシートそのものだ。シートは常に体が密着していることもあって汗などが染み込んでいて、それが取り除かれることもない。問題は染み込んだ汗などをどうするかだ。

こちらも使用するのは水で、タオルに含ませて軽く絞り、まずは表面を撫でるように拭いていく。もちろんシートクリーナーでもいいが、あくまでもケミカル剤なので、使用方法を守って使うようにしたい。

表面を拭き終わったら、少し多めに水を付けて、シート全体をトントンと叩くように拭いていく。この際、少し水が染み込むぐらいがちょうどよくて、トントンと叩くことで内部に入り込んだ汚れを取り除いてやることができる。つまりシミ抜きと同じ理屈というか方法というわけだ。

とくに汚れがひどい部分では重点的にこれを繰り返して落としていく。シートの場合、分厚いスポンジやクッションが中に入っているので、奥底まで入り込んだ汚れを取り除くのは難しいだけに、そこそこでやめておくという意識が大切になる。

レザーシートの場合は、表面は塗装で仕上げてあることから、汚れは染み込みにくいので、表面を水拭きする程度で十分。あとはレザーシートの保護剤などで仕上げるのもいいだろう。

  • シートはまずは水拭き

    まずは水拭きで全体を拭いていく。これだけでもけっこう汚れが取れるハズ

  • シートの汚れはトントンと叩いて汚れを取る

    汚れている場合は水を少し多めに含ませたタオルでトントンと叩くようにしてから乾拭きで仕上げる。染み抜きの要領だ

手順5 最後に忘れやすい、天井をきれいにする

掃除機をかけて、樹脂やシートをきれいにしたらおしまいと思いがち。実際に全体をやった気にはなるが、忘れがちなのが天井だ。内張りとも呼ばれるように、芯となる板に布を貼り付けて作られているもので、天井以外ではドアにも使われている。

ここはシートと同様で、水拭きできれいにしていけばいいが、重要なのは水を付けすぎないということ。水を付けすぎると布を貼っている接着剤が取れて、垂れ下がってくる可能性が出てくる。硬く絞ったもので拭くのがポイントで、全体をザッとやる程度でやめておくことが大切になる。これの程度でも、タバコを吸っている場合は、タオルが真っ黄色になったりするので、効果は十分だ。

  • 天井はサッと水拭きする

    ザッと水拭きする程度でやめておくのがコツ。静電気によって髪の毛が付いていることもある

  • 天井はサッと水拭きするだけでも汚れが落ちる

    軽く拭いただけでも汚れがかなり落ちた。タバコを吸わなくても、車外から入り込んだ排気ガスなどが天井には付着しやすい

(文:近藤暁史)