【車中泊やキャンプにも】軽バンとは?メリット・デメリットや選び方・おすすめ車種をご紹介

荷物を運ぶのに人気の軽バン。家庭で使用されることはあまりないものの、仕事で使用したこともあるという方はいらっしゃるのではないでしょうか。今回は自家用車として軽バンの基本情報やメリット、デメリット、そして軽ワゴンとの違いについてご紹介します。また、軽バンをどのように選んだら良いのか、おすすめの車種や、軽バンについてのよくある質問にお答えしますので、是非参考にしてください。

軽バンとは?

軽バンとは、ワンボックス型の貨物用軽自動車です。

軽バンとは、貨物など荷物の輸送を主な目的としたワンボックス型の軽自動車のことです。小型貨物自動車登録(4ナンバー)で、箱のような形状をした「バン型」が特徴。荷室が広いため荷物も多く積載でき、宅配便などの事業用に使われることも多い車種です。

最近ではアウトドア人気も高まり、キャンプやキャンピングカーなどとして使われることも増えています。同様の形状をした車種には軽ワゴンもありますが、軽バンとの違いは下記の通りです。

軽バンと軽ワゴンの違い

軽バン 軽ワゴン
輸送対象 もの
ナンバー 4ナンバー 5・7ナンバー

軽バンは貨物の輸送を主な目的とした軽自動車ですが、軽ワゴンは同じ軽自動車であるものの、輸送の対象を人としています。軽バンは、貨物の輸送を目的としていることから、頑丈なサスペンションを採用。積載可能な範囲であれば重い荷物を積んでも安全に走行できます。

ナンバープレートでも軽バンは4ナンバー、軽ワゴンは5ナンバー(7ナンバーは少数)と見分けることができます。

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軽バンはこんな人におすすめ!

  • たくさんの荷物を積み込みたい人
  • キャンプやレジャーなどアウトドアが好きな人
  • 車中泊を楽しみたい人

貨物の輸送を目的として作られている軽バンは、多くの荷物が積み込めるよう荷室が広く設計されていたり、満載の状態でも長時間走れたりする耐久性の高さが魅力です。

そのため、たくさんの荷物を積み込みたい人や、多くの荷物を載せてキャンプなどアウトドアに出かけたい人にぴったりでしょう。また荷室がフラットになるため、車中泊をすることも可能です。

軽バンを選ぶときに見るべきポイントはこちら
トヨタおすすめの軽バンはこちら

軽バンのメリット

軽バンを選ぶメリットには、自動車税や維持費の安さ、カスタマイズのしやすさなどがあります。それぞれのメリットについて詳しくご紹介します。

(軽)自動車税が比較的安い

軽自動車 普通自動車
軽バン
(4輪貨物)
軽ワゴン
(4輪乗用)
乗用車
自家用 5,000円 10,800円 25,000円以上
営業用 3,800円 6,900円 -

※軽自動車の各金額は、平成27年4月1日以降に新規登録した車の場合。
※乗用車の金額は、令和元年10月1日以降に新規登録した場合。乗用車の自動車税額は、排気量などにより異なる。

軽バンは軽自動車に分類されるため、乗用車よりも自動車税が安い軽自動車税(種別割)を納めます。軽自動車税は、軽自動車だけでなく、原動機付自転車、軽2輪、小型2輪、小型特殊自動車にも適用され、毎年4月1日の時点で車を持っている人に支払い義務が生じます。
毎年払うものなので、自動車税の安さは見逃せないメリットとなるでしょう。

維持費が比較的安い

軽バンは軽自動車の区分になり、重量税や車検も安くなっています。特に注目したいのが、車検の法定費用。4ナンバーの商用車は1年毎の車検が基本ですが、軽バンを含む軽自動車の商用車の車検有効期間は2年間です。普通の軽乗用車と車検の頻度が殆ど変わらず、乗用車に比べると車検の費用も安くなる点は大きなメリットでしょう。

小回りが利く

軽バンは、軽自動車ならではのコンパクトなサイズ感も魅力のひとつ。狭い道や住宅街なども走りやすく、小回りが利くので運転しやすいでしょう。身長が低くて大きな車は運転しづらい怖いと感じる人も、軽バンでなら抵抗なく運転できるでしょう。

荷室が広い

元々、荷物を多く積み込めるように設計された車である軽バンは、荷室が広いことも特徴です。一度に多くの荷物を積載する配送などでも、多く用いられています。

プライベート用としてもキャンプやアウトドアレジャーを楽しみたい人にとって、軽バンの荷室の広さは魅力的。また、後部座席はフラットな作りなので車中泊をする人からの需要も高いです。

視界が広く運転しやすい

軽バンは車高が比較的高く、運転席に座ったときに視界が広く見えやすいため、遠くまで見渡すことができます。そのため、安全かつ快適に運転がしやすいと言えるでしょう。また、ボディも四角く、ボンネットも短いので車両感覚を把握しやすい点も人気です。車の前後の感覚がつかみにくい人にも軽バンはおすすめです。

カスタマイズしやすい

シンプルな車内だからこそ荷室をDIYするなど、カスタマイズ性に優れている点も軽バンが選ばれている理由のひとつ。

たとえば荷物を積み込みやすいよう棚をつけることもできます。キャンプや車中泊用に寝泊まりしやすいようにアレンジするなど、自分好みに改装できるのが人気です。

軽バンのデメリット

メリットばかりのように感じる軽バンですが、残念ながらデメリットもあります。選ぶ際に知っておきたいデメリットについてご紹介します。

任意保険料が高い

軽バンは、一般的な軽乗用車と比べると、任意の保険料が高めに設定されている場合が多くあります。その理由として、軽バンが事業用に使われやすいため、走行距離が自家用車と比べて長くなりやすいことが挙げられるでしょう。ただし、任意保険料はドライバーの年齢や保険の種類により異なります。あくまでその傾向がある、という理解に留めておき、自分の場合には実際にどのくらいの金額になるのか確認しましょう。

後部座席の快適性に劣る

軽バンは貨物の積載がメインの車種のため、後部座席の乗り心地は今ひとつです。後部座席に人はほとんど乗せない、という使い方であれば問題ありませんが、ファミリーカーとして利用する場合や酔いやすい人をのせるときには注意しましょう。また、軽自動車の定員は基本的に大人4人です。荷室が広いからと、たくさん人を乗せないように注意してください。

載せられる重量に限界がある

一般的に荷室が広いといわれる軽バンですが、ベースはあくまで軽自動車です。そのため乗用車のバンと比べると、積載重量はある程度制限されます。軽バンの最大積載量の上限は、乗車の条件や車種によって異なりますが、一般的に大人2人乗車時は350kgが目安です。軽バンでは思っていたより荷物が載せられなかった、とならないよう、実際にどの程度の荷物なら載せられるのか確認しておきましょう。

初回車検時期が乗用軽自動車と異なる場合もある

初回車検 2回目以降
貨物用 軽自動車(軽バン) 2年 2年
自家用 軽自動車 (軽ワゴン) 3年 2年

貨物輸送を目的とした「貨物用軽自動車」の軽バンの場合、新車で購入した場合、初回車検は2年後です。一方、人を乗せることを目的とした「乗用軽自動車」は、新車で購入した場合には、初回の車検の時期は3年後です。ただし2回目以降の車検は、貨物用・乗用どちらも2年ごとに行います。このように、初回のみ車検のタイミングが異なることもあるため注意が必要です。

軽バンを選ぶ際に見るべきポイント

軽バンを選ぶ際には、荷室のサイズはもちろん、走行・燃費性能や安全性能についてもよくチェックしておきましょう。上記の3つのポイントについて解説します。

荷室のサイズ

同じ軽バンであっても、車種によって荷室の広さが異なります。荷室の広さに魅力を感じて軽バンを選ぶのであれば、軽バンを使う用途に合わせて、荷室のサイズをチェックしましょう。特に、キャンプなどで車中泊がしたい場合は、荷室の長さ(縦の長さ)が180cm以上など大きいものがおすすめです。

走行・燃費性能

軽バンの車種によって、2輪駆動(2WD)と、4輪駆動(4WD)があります。街中走行がメインであれば2WDが便利ですが、アウトドアでの利用が多い場合には4WDがおすすめです。その他、山道や雪道など舗装路以外を走る機会が多い場合にも、4WDがよいでしょう。2WDと4WDにより燃費性能も異なるため、使用目的に合わせて選ぶようにしてください。

安全性能

衝突防止機能など、搭載されている安全性能についてもチェックしておきましょう。一般的には、最新の車種であるほど衝突回避支援機能や、誤発進抑制機能などの安全性能も最新のものを搭載しています。また、荷物を多く載せる可能性がある場合には、荷物を満載にした場合に便利な、後方視界のためのミラーがあると安心でしょう。

国内の主な軽バン3種類

  • スズキ エブリイ
  • ダイハツ ハイゼットカーゴ
  • ホンダ N-BOX バン

軽バンは他の車と比べて種類が少なく、国内でメジャーなモデルはこの3種類です。それぞれ簡単に概要をご紹介します。

スズキ エブリイ

たっぷり運べる荷室の容量と、「SUZUKI Safety Support」による安全性の高さが魅力。
日産のNV100クリッパー、マツダのスクラムバン、三菱自動車のミニキャブバンはエブリイのOEM車種です。

全長×全幅×全高 3,395×1,475×1,895mm
車両重量 890kg
最大積載量(2名乗車時) 350kg
総排気量 0.658L
最高出力 36kW(49PS)/6,200rpm
最大トルク 60N・m(6.1kg・m)/4,000rpm
燃費消費率:WLTCモード 17.2km/L
新車価格 1,262,800円(税込)

※JOIN(ハイルーフ)2WD・5MTの場合

出典:SUZUKI「スズキ、軽四輪車「エブリイ」、「エブリイワゴン」を一部仕様変更して発売」(https://www.suzuki.co.jp/release/a/2022/0407a/

ダイハツ ハイゼットカーゴ

働く人のことを考え抜いたデザインで、グッドデザイン賞を受賞したモデル。
また、トヨタのピクシスバンはハイゼットカーゴのOEM車種です。

全長×全幅×全高 3,395×1,475×1,890mm
車両重量 890kg
最大積載量 350kg
総排気量 0.658L
最高出力 34kW(46PS)/5,700rpm
最大トルク 60N・m(6.1kg・m)/4,000rpm
燃費消費率:WLTCモード 14.9km/L
新車価格 1,155,000円(税込)

※2WDデラックス5MTの場合

出典:DAIHATSU「ダイハツの軽商用車「ハイゼット カーゴ」「アトレー」が2022年度グッドデザイン賞を受賞」(https://www.daihatsu.com/jp/news/2022/20221011-3.html

ホンダ N-VAN

かわいらしい表情と、背の高さが特長のモデル。

全長×全幅×全高 3,395×1,475×1,945mm
車両重量 950kg
最大積載量 350kg
総排気量 0.658L
最高出力 39kW(53PS)/6,800rpm
最大トルク 64N・m(6.5kgf・m)/4,800rpm
燃費消費率:WLTCモード 19.2km/L
新車価格 1,472,900円(税込)

※L FF/CVTの場合

出典:HONDA「新型「N-VAN」を発売」(https://global.honda/jp/news/2018/4180712-n-van.html

軽バンを中古で買う場合に確認すべき点

軽バンを中古で購入することもあるでしょう。中古の場合には、どのような点をチェックして購入すればよいのかご紹介します。

適切にメンテナンスされているか

中古であっても、メンテナンスを問題なく行っている軽バンは乗りやすく、おすすめです。軽バンは事業用で使う人が多く、走行距離が乗用自動車よりも多い傾向にあります。たくさん使われていた車は、負荷もかかっている可能性も高いため、適切にメンテナンスされていたかを確認して選びましょう。

車体が傷んでないか

中古車店で車を選ぶ際は、車体の外観や荷室の中などに傷や破損はないか、くまなくチェックしましょう。軽バンは事業用で使われることも多く、前の持ち主が事業で使いやすいようカスタマイズ跡が残っている可能性もあります。以下のようなポイントを重点的にチェックするのがよいでしょう。

【車体の状態でチェックしたいポイント】
☑︎ スライドドアが問題なく開閉できるか
☑︎ 車内にカスタマイズの傷・跡はないか
☑︎ 車体に傾きはないか

サビが発生していないか

事業用で使われていた軽バンの場合には、サビが発生しているケースもあります。とくに食品の運搬に使われていた車は、その可能性が高いため要チェックです。ただし、パッと見た外観では気付かないこともあります。荷室のすみずみまでよくチェックしましょう。

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軽バンに関わるよくある質問

軽バンに関するよくある質問についてお答えします。

Q:軽バンはカスタマイズしても大丈夫?
A:可能です

キャンプや車中泊用など、用途に合わせて車内や荷室のカスタマイズが可能です。ただし、道路交通法の規定を守ることが条件です。基準を満たさない場合は、車検で不合格になってしまうため、規定を順守した上でカスタマイズしましょう。

Q:軽バンのナンバーの色や数字の違いは?
A:自動車の区分です

貨物用か乗用か、事業用か自家用かにより自動車が区分されます。ナンバープレートの色と数字も、それに伴って以下のように異なります。

用途 番号の区分
黄色地に黒文字 自家用・レンタカー用 貨物:40〜49・480〜499
特種用途:80〜89・880〜899
黒地に黄文字 事業用

自家用の軽バンの場合には、ナンバープレートのベースの色は黄色です。黒色のナンバープレートは、「事業用の貨物軽自動車」として届け出た場合に設置されます。また、特種用途自動車とは、キャンピングカーや車椅子移動車など特別な用途で使われる車のこと。一定の条件を満たす場合には、軽バンを「8ナンバー」として届け出る必要があります。

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Q:軽バンの車検費用の相場は?
A:5~8万円です

軽バンの車検費用は、一般的な軽自動車と同程度で5~8万円程度でしょう。具体的な金額は、車両の状態や車検を受けるお店により異なります。見積もりをとって、車検を受けるとよいでしょう。

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Q:軽バンをできる限り安く買う方法は?
A:中古車販売店を回り、よい車を見つけましょう

中古車販売店を回り、車両の状態や走行距離などをチェックしましょう。業務用として使われていた軽バンは走行距離が多い傾向があるので、メンテナンスがどの程度されていたかもポイントです。新車よりも安く購入できる中古車ですが、中古車には注意すべきデメリットもあります。選ぶ際は、車両の状態などをよく確認しましょう。

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軽バンは使い勝手がいい車!自分にぴったりのモデルを探しましょう

今回は軽バンについてご紹介しました。軽バンはワンボックス型の貨物用軽自動車で、荷物が多く搭載できることから、事業用として人気の車種です。軽ワゴンと似ていますが、軽バンは輸送対象が貨物であることが異なる点。

また、近年のアウトドアブームもあり、広い荷室はたくさんの荷物が詰め込める、車中泊できるとプライベート用としても人気が出てきています。後部座席の乗り心地に期待ができない部分は否めませんが、自動車税や維持費が安くて小回りが利くなどデメリットを上回る魅力的なメリットが多くあります。

使用用途に合わせて、ぴったりの軽バンを探してみてはいかがでしょうか。

(GAZOO編集部)