フロアマットのお手入れは叩いて埃を落とすべし！【自分でやってみる車内清掃】

家にあるもので車内清掃する本企画。前回のシートファブリックの洗浄では、ハンディ掃除機＆コロコロ（粘着カーペットクリーナー）が威力を発揮し、かなり満足いく結果を得ることができました。続いて今回は「フロアマット」を洗浄します。年に数回、給油したタイミングでガソリンスタンドに設置されているフロアマット洗浄機で洗う程度で基本放置し続けてきた車両のフロアマットは、家庭にあるものだけで、キレイになるのでしょうか？

早速、今回のフロアマット掃除に使用するアイテムをご紹介します。左はコロコロこと粘着カーペットクリーナー。その下に敷いてあるのは雑巾（2枚）。中央の白い物体は掃除機。そして右は中性洗剤（衣類用）。これらは写真を含めて前回と同じです。

雑巾（2枚）は前回記事に使用したものを洗濯して再利用します。掃除機は妻が会社の忘年会のビンゴで勝ち取った自慢の一品。前回のシート掃除で思いのほか大活躍してくれたので、今回も抜擢しました。中性洗剤は衣類用。これを水で約1%に薄めて使用します。

なお、ドナー車両は2020年式ルノー「カングー」です。

この企画ではトヨタが推奨する方法・手順に従って作業しています。今回参照したのは、トヨタ「シエンタ」の取扱説明書（オンライン版）。ちなみに、トヨタでは「フロアマット」のことを「カーペット」と呼ぶようですが、ここでは「フロアマット」で統一していますのでご了承ください。

さて実際の手順を説明していきます。取扱説明書を「お手入れのしかた」＞「内装の手入れ」と進んで行きますと、車内の手入れの一般的な方法として……

• 掃除機などでほこりを取り除き、水またはぬるま湯を含ませた布でふき取る
• 汚れが落ちない場合は、中性洗剤を水で約1%にうすめてやわらかい布に含ませふき取る
• 水を浸した布を固くしぼり、表面に残った洗剤・水分をふき取る

と記載されていましたので、これに従って作業していきます。ところが！同ページの「知識」という欄に重要な記載がありました。「カーペットの洗浄について」です。

なんと、市販の泡タイプクリーナーを使用すべし、とのこと。残念なことに泡タイプクリーナーは本企画の趣旨である「家庭にあるもの」ではないため、今回は泡タイプのクリーナーは使用しません。皆さんは素直に購入して利用するといいでしょう。

また、重要な知識として「フロアマットは常に乾いた状態を保つことをおすすめしています」とあります。筆者が稀に行っていたフロアマット洗浄機は水洗いですから、非推奨だったわけですね。皆さんも気を付けましょうね。

ここで作業前のフロアマットをご覧いただきましょう。お恥ずかしいのですが、コレが現実。特に筆者が座ることの多い運転席側には、目に見えるほど砂が浮いています。

思い起こせば、前回のフロアマット洗浄から半年ほどが過ぎており、とんでもなく埃っぽい状態。はっきり言って、触るのさえ嫌な感じでした。まずは作業手順に従い、掃除機などで埃を取り除く、という作業を行いたいのですが、その前に、溜まりに溜まった砂を落とすことから始めました。

「バン、バン、バン、バン」と、叩きまくりました。これが本当に嫌になるほど埃が出てきました。近隣家庭の迷惑にならぬよう配慮しつつ、叩き続けること10分ほど。叩いても叩いても、埃が出続けたのです。

考えてみればフロアマットは、居間に敷かれている絨毯（じゅうたん）みたいなもの。そこに土足で上がるわけですから、嫌というほど埃・砂を吸い続けます。それを半年も放置したら、こうなりますよね。反省しました。

まだまだ辛抱強く叩き続ければ埃は出る様子ではありましたが、ここで「掃除機→コロコロ」という、覚えたての必殺手順を繰り出すことを決意しました。

ところが……これが全く効かないのです……掃除機が得意な大きなゴミは、叩く前に手で取り除いていました。またコロコロが得意とするファブリック表面のゴミは、叩きまくったことで落ちていたわけです。フロアマットの汚れ＝繊維の間に入った砂なのです。

ここで筆者は大きな決断をしました。そう……トヨタは「常に乾いた状態を保つことをおすすめします」と言いますが、水洗いすることにしたのです。何故なら、ドナー車両はトヨタ車ではないから（苦笑）。ガソリンスタンドのフロアマット洗浄機で水洗いすると埃っぽさがなくなった記憶が、この決断を後押ししました。

水洗いしたのは、助手席側のフロアマット。水の勢いは少し弱めにして、水で砂を洗い流すことをイメージして作業しました。その後2時間ほど放置しておくと、天気が良かったこともあり、乾燥しました。フロアマットって乾きやすい素材なんですね。

次に運転席側の作業に移ります。こちらはトヨタ推奨の手順に従い、水で1%に薄めた中性洗剤（衣類用）に雑巾を浸してから硬く絞った雑巾で全体をふきました。仕上げとして、水に浸してから硬く絞った雑巾でふきあげました。これで洗剤と余分な水分をふき取るイメージです。

これが洗浄後のフロアマット。かなりキレイになったことが、お分かりいただけますでしょうか？　より分かりやすくするため、作業前と作業後を、助手席側と運転席側、それぞれ並べてみましょう。

筆者の場合、半年も放置していたため、かなり汚れが落ちたことが伝わると思いますが、それより何より実感したのは「埃っぽさがなくなった」こと。当たり前の結論ではありますが、がんばっただけ効果があった、と言えます。

一方、トヨタ非推奨の水掛洗浄と、トヨタ推奨の中性洗剤（衣類用）利用の比較では、思いのほか効果に違いがありませんでした。トヨタ車を所有する皆さんは、取扱説明書に従い、市販の泡タイプクリーナーを利用すると良いです。

一方で、後悔もあります。それは「バン、バン、バババン」と、もっと叩いておけばよかった、という思い。こうして近寄ってみますと、まだまだフロアマットの繊維内には埃が残っていたのです。これは水洗いした助手席側ですが、水で流すという行為には、それほど効果がなかったように思われます。

結論。フロアマットの洗浄で重要なのは、とにかく徹底的に叩いて繊維内の埃を落とすといい、と学びました。ちなみに、作業時間は撮影を含めて1時間強（乾燥時間は別）。記事では触れていませんが、後部座席下のフロアマットも同じように作業しました。

皆さんも是非、ご家庭にあるものでフロアマットの洗浄に挑戦してみてください。足元が気持ち良くなりますよ！

（文・写真：川島礼二郎）