EVは犬にもやさしい?インターペット東京で体感したHonda Dogの“次世代ペット移動”
春の訪れとともに、愛犬とのお出かけシーズンが本格化してきました。ゴールデンウィークを前に「どこへ行こうか」と計画を立てている方も多いのではないでしょうか。そうしたタイミングで開催される国内最大級のペットイベント「インターペット東京」(※)は、単なる新製品発表の場にとどまらず“ペットと人の暮らし”を体感できる貴重な機会でもあります。
※インターペット東京
国内最大級のペット産業国際見本市として知られる「インターペット東京」は、今回で15回を数えました。会場には国内外から600社以上が出展し、ペットフードや用品、ヘルスケアといった定番分野に加え、アマゾンジャパンや楽天グループといった流通企業、さらには家電メーカーやハウスメーカーなど異業種からの参入も広がっています。ステージイベントやトークショー、各種セミナーも充実しており、業界関係者から一般の飼い主まで幅広い来場者を惹きつける場となっています。今年は4月2日から5日までの開催で、来場者は6万人を超えました。
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インターペット東京は今年で15回目を迎えた国内最大級のペット産業国際見本市。
会場で注目を集めていたのが、ホンダの純正アクセサリーを手がけるホンダアクセスによる「Honda Dog」ブースです。愛犬家の視点から生まれた製品と、電動化時代ならではの新しい移動の提案。その両面から、これからの“ペットとドライブ”のあり方を示していました。
BEVがもたらす「やさしい移動体験」
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BEVは愛犬とのお出かけにメリットが多いことから、N-ONE e:を展示したそうです。
ブースの中心に据えられていたのは、電気自動車(BEV)の「N-ONE e:」です。エンジン搭載車に比べて振動や騒音が少ないBEVの特性は、音や揺れに敏感な愛犬にとっても大きなメリットとなります。とくに長距離移動や渋滞時にはストレス軽減につながる可能性があります。排ガスを気にせず停車中にエアコンを使用できる点も、暑さに弱い愛犬とのドライブにおいては大きな安心材料です。
「電気自動車には、ワンちゃんとのお出かけに適した点が多いということを知ってほしい」とHonda Dogの担当者は展示の目的を説明してくれました。単なる車両展示ではなく“移動体験そのもののアップデート”としての提案が印象的でした。
実車で体感するHonda Dogの世界観
もうひとつの主役が、Honda Dogブランドの愛犬用グッズです。N-ONE e:の室内には、後席用の「ペットシートサークル」や「ペットシートマット」、そして車載ソフトケージ「ペットシートプラスわん2」が実際に装着された状態で展示されていました。来場者は愛犬と一緒に乗車して使い心地を確認できるため、具体的な使用イメージを感じることができます。
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ペットシートサークルは小型犬の多頭飼いや中型犬の飼い主に向けた製品です。
こうした装備の一つひとつが、移動中のトラブルやストレスを未然に防ぐことにつながりそうです。特に「ペットシートプラスわん2」は、エアバッグ展開時にも干渉しない設計や難燃素材の採用など、自動車メーカー純正ならではの安全思想が随所に反映されています。
また、シート類には撥水加工が施されており、泥汚れや被毛の付着を抑えつつ、家庭用の洗濯機で丸洗いできる点も実用的です。アウトドアで思いきり遊んだあと、そのまま乗車できる――そんなシーンを前提とした設計思想が見えてきます。
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ペットシートマットは後席全体を愛犬専用スペースにすることができる。ファスナーを開けば、飼い主と愛犬が並んで座れるように配慮されています。ドア内張りの傷を防ぐ“ペットドアライニングカバー”や、万が一の飛び出しを防ぐ“ペット車外飛び出し防止リード”など、安全性と快適性を両立する装備も揃っていました。
ユーザーの声から生まれるプロダクト
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“ペットシートプラスわん2”は飼い主の要望に応えてサイズ変更が施されたそうです。
Honda Dogの製品開発において印象的なのは、ユーザーの声がダイレクトに反映されている点です。たとえば「ペットシートプラスわん2」は、かつて人気だったミニチュアダックスフント中心の設計から、現在主流となっているトイプードルへと飼育傾向が変化したことを受けて改良されました。「頭がつかえてしまう」という飼い主さんたちの声をもとに、高さ方向の余裕が見直されています。
また、2025年のブランド20周年を記念して発売されたキーカバーも「うちの子に似たグッズが欲しい」というユーザー要望から生まれたものです。白・黒・茶といった毛色の違いに対応するだけでなく、表裏で違う色を選べる仕様は、ささやかでありながら愛犬家の心をくすぐる工夫と言えるでしょう。
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20周年記念のキーカバー(写真では上の2種類)は表と裏で色を変えることができるそうです。
こうした細部へのこだわりは、愛犬との関係性をより豊かにする付加価値だと感じました。今回のインターペット東京でもアンケート調査が実施され、新色展開など今後の製品企画に活かされるとのことです。クルマの内装色トレンドとの調和までを見据えたカラー提案を計画しているそうで、自動車メーカー系ブランドならではの目線を感じました。
「場づくり」に現れる戦略性
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ペットイベントでは定番のフォトブースですが、会場内でもひときわ目をひくスケールでした。
ブース演出でひときわ目を引いたのが、メリーゴーランド型の大型フォトブースです。アンケートへの回答後に「ガチャ」を引いて、特賞が出ると愛犬を乗せて写真撮影ができる仕組みです。楽しさとインセンティブを組み合わせることで来場者の滞在時間を自然に延ばしながら、貴重なユーザーデータを収集する設計です。
600社以上が出展するインターペット東京では、単に製品を並べるだけでは来場者の印象には残りません。視覚的なインパクト、体験価値、そしてSNSでの拡散性―それらを総合的に設計する必要があります。Honda Dogのブースは、その好例でした。目立つ仕掛けで来場者を引き込み、滞在時間を確保し、その中でブランドの思想と製品価値を伝える。さらにユーザーの声を回収するまでを一連の流れとして成立させています。
昨年からスバルもインターペットに出展しています。「戦略がライバル社に知られてしまっても大丈夫ですか?」という問いに対し、担当者からは「自動車業界全体で盛り上げていきたいので、大歓迎です!」との答えが返ってきました。自社にとどまらず、業界全体の価値向上を見据えた姿勢が印象に残ります。
愛犬家がつくるブランド
興味深いのは、Honda Dogの担当者自身が愛犬家であり、開発チームにも同様のメンバーが多いという点です。「開発チームの想いをお客様に伝えるとともに、お客様の声を開発陣に届ける橋渡しをしていきたい」という言葉からは、単なる製品のイベント出展ではなく“愛犬家同士のコミュニケーション”としての側面も感じられます。
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ペットシートマットのメッシュ窓は、後席の愛犬から前席に座る飼い主さんが見えるようにという配慮です。
機能やスペックだけでは測れない価値―それは実際に愛犬と暮らす人だからこそ理解できる細やかな気づきの積み重ねです。こうした背景があるからこそ、Honda Dogの製品にはどこか“現場感”があり、ユーザーにとっても納得感のあるものになっているのでしょう。
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ペットエンブレムやペットセンターキャップなど、機能性だけでなくペットとの移動を楽しく演出する商品もラインナップしています。
Honda Dogブースは「クルマ」と「ペットグッズ」を別々に考えるのではなく“愛犬との移動体験”として一体で捉える重要性を改めて示していました。電動化による静かで快適な移動環境、ユーザーの声を反映した製品、そして体験を通じたコミュニケーション。そのすべてが連動することで、ペットとのドライブは単なる移動から、より豊かな時間へと変わっていきそうです。
クルマの進化とともに、愛犬との関係性もまた進化しています。今回の展示は、その方向性を明確に示すものでした。
本連載では今回を含め合計3回にわたり、インターペット東京で見られたこうした動きを追いながら、愛犬とのカーライフをより楽しく、そして安心して過ごすためのヒントをお届けしていきます。
(文と写真:石川 徹)
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