今、あえてマニュアルのクルマに乗る理由とは?

今、街中を走るクルマのほとんどがオートマチック(以下、AT)車。AT全盛と言っても過言ではないこの時代に、あえてマニュアル(以下、MT)車に乗る理由とは何なのでしょうか? 30~50代のMT乗りにアンケートしました。

何と言っても走りの楽しさ!

「両手両足を使うので、自分の力でクルマを動かしているという実感があります。アクセルを踏んだときにゴムひもでグインと引っ張られるような感覚も、MTならではのもので楽しいです」(50歳/男性=日産・フェアレディZ)

「最近の2ペダルMTも優秀になってきたのですが、やっぱりスポーティな走りを楽しむならクラッチ付きのMTだなと思います。街中の低い速度でも、上手くシフトダウンが決まったときは『カイカン!』ですよ」(37歳/男性=ユーノス・ロードスター)

「MTは車種によって半クラッチの位置やシフトフィールも違います。アクセルを踏めば前に進むATとは違って、そう簡単には極められないからこそ、運転の奥深さがあるなあと感じます」(42歳/男性=マツダ・RX-7)

「シフトレバーをカチャカチャやるでしょ? あの機械を操っている感が楽しいんですよね~。少年の心が呼び起されます(笑)」(45歳/男性=スバル・インプレッサ)

MT乗りが口を揃えて主張する“運転の楽しさ”。MTならではのダイレクトなドライビング反応を得られるのが、クルマ好き、運転好きにはたまらないポイントなのかもしれません。

壊れたときの修理も簡単?

「車種にもよりますが、構造がシンプルな分、壊れたときの修理は比較的簡単です。AT車に比べれば、費用も安く済むことが多いですよ」(38歳/男性=マツダ・アクセラスポーツ)

「普通に乗っていれば、AT車に比べて特に故障が多いということもないかなと。クルマの構造にも意識的になるので、丁寧に乗り続けることができたら、きっとAT車以上に愛着も湧くと思います」(41歳/男性=TOYOTA 86)

MT車に乗っていると、自然にクルマの構造にも理解が深まりそうですね。

特別な思いも

「クルマがないと生活できないような田舎に住んでいたとき、MT仕様のクルマを数台乗り継いでいました。その後都会に出てきて、ATのミニバンでも子育てをしていたのですが、子どもに手がかからなくなってきた頃、もう一度昔乗っていたクルマを手に入れてみたら、これがやっぱり楽しくて。もうミニバンには戻れないかも(笑)」(46歳/女性=三菱・ランサーエボリューション)

「今MTは売れないから、新車のカタログでも選べなかったりするんですよね。でも、デミオやフィットのような大衆車にもMTがあって、クルマ好きのためにはちゃんと残されてる。これからどんどん少数派になってしまうのかもしれないけど、クルマ好きのためにはいつまでも残して欲しいという思いで、ずっとMTに乗り続けています」(51歳/男性=ホンダ・フィット)

限定なしで免許を取得しても、しばらく運転しなかった結果、“ATしか乗れない体になってしまった”という人も少なくないはず。元々ATしか乗ったことがない人も、しばらくMTから遠ざかっている人も、新たなカーライフの扉を開く可能性があるものとして、今改めてMTの魅力に目を向けてみるのも悪くはないかもしれません。

(根岸達朗+ノオト)

[ガズー編集部]