世界初は19世紀!? 4WDの歴史 ~前編~
4WD(四輪駆動)と聞いて、みなさんはどんなクルマを思い浮かべるでしょうか? トヨタ・ランドクルーザー、スバル・WRX、ランボルギーニ・ガヤルド……、きっと人それぞれ違ったクルマをイメージしたと思います。もともとは悪路の走破性を高めるための駆動方式だった4WDは、今ではランボルギーニやフェラーリといった、ハイパフォーマンスカーを効率よく安全に走らせるためにも用いられています。では、4WDはどんな風に生まれ、進化してきたのでしょうか? その歴史を簡単にたどってみましょう。
4WDの起源は意外に古い19世紀!
世界で最初の四輪駆動車は、1805年に船を陸上で運ぶため、船底に4つの車輪を取り付け、前後輪にベルトをかけて、蒸気機関で駆動したものだったそう。世界初のガソリン自動車の誕生が1886年ですから、意外なほど古い存在なのです。ガソリンエンジンを使用した四輪駆動車は、1902年に登場したオランダのスパイカーが最初。
その後、トラックや商用車、そして軍用車に4WDが用いられ、全世界に広まります。日本では1934年に九五式小型乗用車(通称:くろがね四起)が作られました。そして、第二次世界大戦中の1941年にアメリカでジープが生まれ、戦後はこのジープをお手本にしたクルマが続々と登場します。ランドローバーは1948年、ランドクルーザーは1954年、ともに民生用の4WDとしてデビューしました。アルファロメオもAR-51というジープのようなクルマを生産していたというから驚きますね。1953年には、三菱がジープのノックダウン生産を開始しています。
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- トヨタ・ランドクルーザー(1954年)
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- ランドローバー・シリーズII(1958年)
軍用車からRV(レクリエーショナル・ビークル)へ
1960年代に入ると、民生用4WDのニーズが伸び、“屋根なし”だったジープから一転して、屋根つきのワゴンボディを持つ4WD車が続々と生まれます。写真のウィリス・ジープスターもそのひとつ。1970年代には、高級SUVの代名詞といえるレンジローバーやメルセデスベンツ・ゲレンデヴァーゲン(現在のGクラス)も誕生します。
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- ウィリス・ジープスター(1966年)
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- スズキ・ジムニー(1970年)
日本ではスズキ・ジムニーや、レガシィやレヴォーグのルーツであるスバル・レオーネ4WDエステートバンなどが生まれました。軍用車からRV(レクリエーショナル・ビークル)へと、シフトしたのがこの時代です。なお、1966年には、高速安定性を求めて4WDが採用された初のオンロード4WD、ジェンセン・FFが発売されますが、あまりに高価なため少数が生産されたにすぎませんでした。
4WDの1980年以降の発展は、後編で紹介します。
(木谷宗義/テヌール+ノオト)
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[ガズー編集部]
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