三菱・パジェロは“町の特産品”だった!?

三菱・パジェロと言えば、1982年にデビューし、1980年代後半から90年代前半にかけて“RVブーム”に火をつけたクロスカントリー4WD。今も、本格的なオフロード走行ができる数少ないモデルとして根強い人気を誇っています。

でも、今回注目するのは、パジェロそのものではなく“町の特産品”としての側面。なんと、パジェロは岐阜県加茂郡坂祝町(さかほぎちょう)のウェブサイトで特産品として紹介されているんです!

坂祝町の特産品(岐阜県加茂郡坂祝町ウェブサイト)
http://www.town.sakahogi.gifu.jp/sightseeing/sightseeing12.html

なぜ、クルマが“町の特産品”に?

その理由は「坂祝町でパジェロが生産されているから」と至って単純です。ですが、生産している会社がユニークで、その名もズバリ「パジェロ製造株式会社」と言います。

同社の創業は1943年。1946年から「東洋工業株式会社」として、自動車部品の製造加工やジープの生産などを行ってきた三菱自動車の子会社で、1982年からパジェロの生産を開始。1995年に「パジェロ製造株式会社」へと社名変更を行って、現在もパジェロを生産しています。ひとつの工場で鋼板から完成車の生産を完結する「一貫生産型」の工場であることが特徴です。

いつから”町の特産品”になった?

気になるのは、「なぜ」「いつ」特産品と言われるようになったのか? そこで、パジェロ製造で広報を担当する荒井さんに聞いてみました。

「坂祝町のホームページに特産品として掲載されるようになったのは、2000年頃。当時、すでに『坂祝町と言えばパジェロ』というのが定着していたこともあり、掲載されたようです。詳しい経緯はわかりませんが、一部ほかの地域でも生産されていたパジェロがこのころに坂祝町へ集約されたことや、坂祝町には当社と関連のある企業が多いこと、町全体でパジェロを作っているムードがあったからではないかと考えています」

たしかに、町全体で一貫生産していると考えると、“町の特産品”と言えますよね。過去には、エスカレーター部品なども製造していたそうですが、今はクルマのみ。パジェロと、デリカD:5を作っているそう。ちなみに、現在、パジェロは生産台数の90%以上が海外で販売されているそうです。

地域密着型の企業だから地域との結びつきも強い

古くから坂祝町で製造業を行ってきた同社は、地域密着型企業ならではの地域活動を行っています。

「毎年、岐阜県内の小学校100校から5000人の子どもたちの工場見学の受け入れを行っているほか、夏祭り『パジェロ製造ファミリー祭』を実施。そのほかにも、『河川クリーン作戦』としてボランティアへの参加や『さかほぎ町民まつり』でブース出展など、地域密着企業ならではの活動に取り組んでいます。最近では、製造業では全国初となる『安全衛生優良企業』に岐阜労働局より認定されました。これからも、さらに地域や社会から信頼される企業を目指していきますよ!」(荒井さん)

聞けば聞くほど“特産品”という言葉がしっくりきますね。日ごろ、クルマの生産地を意識することはありませんが、生産地や生産者の様子がわかると、よりそのクルマに親近感が湧いてきそうです。子どものころ、家のクルマがパジェロだった筆者は、この話を聞いて坂祝町に行ってみたくなりました。

(木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]