工事の様子もないのに、なぜ車線規制?

高速道路を走っていると、誰もいないのに車線規制されている……。一体なぜ!? そこで、高速道路の車線規制について、東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)関東支社に話を伺いました。

――そもそも車線規制はなぜ行うのですか?

「高速道路上での工事や作業は時速100km近くのクルマが走る中で行われます。事故防止など安全対策をしっかりと行う必要があり、さまざまな車線規制を行っています」

――作業をしている様子がないのに、車線規制だけがされているのを見かけたのですが……?

「高速道路で見かける車線規制の中には、実際に工事を行っている様子もなく、作業員もいないということがあります。これは、工事を始める前に車線規制を行い、安全な通行を確保してから、作業員や機械などを入れて工事を始めるためです。作業が終了した時も、規制区間から作業員や機械を出して安全確認した後に、矢印板やラバーコーンといった規制材や標識を撤去するため、規制が残っているのに、何も作業をしていないように見えることがあります。高速道路の工事は、できるだけ車線規制の回数を減らすため、別々の工事や作業をまとめて行う工夫をしています」

――そうなんですね。トンネル内での車線規制はどのようにしているのですか?

「トンネルが連続している区間では、事故防止などの安全対策として、車線規制をトンネルの外側から、トンネルを出た先まで連続して行う場合があります。例えば、常磐自動車道の日立南太田ICから北側の区間や、上信越自動車道の碓氷軽井沢ICから佐久ICまでの区間などがそれにあたります。なぜそうするかというと、車線規制している区間では、クルマが通れる車線が物理的に少なくなっているため、一列に並んで走ることに。そのため、車線規制が終わると急に車線変更して追い越しを始めるクルマが出てくる可能性があります。それがトンネルの中や、その先が見えないカーブであれば、重大な事故に繋がりかねません。そのため、トンネルが連続する区間などでは、実際に工事する区間より長く車線規制をすることがあります」

――確かに危険ですね! ちなみに、車線規制の情報はどこで知ることができますか?

「NEXCO東日本が運営する『ドラとら』をご覧ください。こちらではリアルタイムの規制情報や、工事規制予定も確認できます。また渋滞予測も確認できるので、ぜひお気に入りに登録をお願いします。スマートフォンであれば、『ドラぷら』アプリが便利ですよ」

ドラとら
https://www.drivetraffic.jp/

ドラぷら(iPhone・Android向けアプリ)
http://www.driveplaza.com/dorapura_app/

車線規制をしているのに作業をしていないように見えていたのには理由があったんですね。車線規区間では、くれぐれも安全運転を!

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力