慌てるな! 高速道路で「逆走」に遭遇したら?

注意喚起はされているものの、まだまだ後を絶たない高速道路の逆走。自分が逆走をしないように心がけるのはもちろん、逆走車に遭遇したときの対応も普段から意識しておきたいものです。JAFが配信している再現ムービーを元に、逆走事案の発生原因とその対策について解説します。

逆走ドライバーの7割は高齢者

平成25年に高速道路で発生した逆走事案は136件。発生箇所はインターチェンジ、ジャンクションが5割を占めます。逆走してしまうドライバーは65歳以上の高齢者が7割を占め、そのうち認知症の疑いがあるのは4割。降りる出口を過ぎてしまい本線上でUターンするケースや、単純な道間違い、一般道との混同など、さまざまな原因があります。

JAFで配信している以下の映像は、逆走事案をドライバーの視点、逆走車の視点から映したもの。実際に遭遇したらかなりヒヤリとする場面がリアルに再現されています。

逆走事故を避ける4箇条

逆走車と遭遇する可能性は誰にでもあるものですが、普段の心がけで事故に発展するリスクはある程度減らすことができます。いくつかのポイントをまとめます。

1)追い越し車線を走り続けない
逆走車両は追い越し車線を走ってくることが多いので、追い越しが終わったら走行車線に戻ることを習慣付けましょう。

2)車間距離を多く取る
車間距離を多く取ることで、逆走車を早く発見することができます。回避する余裕を持って運転することが大切です。

3)情報板やハイウェイラジオを必ずチェックする
逆走車両の通報が入ると、情報板やハイウェイラジオで「逆走車注意」の情報が発信されます。警戒を怠らないようにしましょう。

4)決して慌てない
逆走してくるクルマを発見したら、慌てずに自分の逃げるスペースを確認します。そして、強いブレーキを踏んで減速してから、素早くハンドルを切って回避します。

逆走しないようにするために

もちろん、いつか自分が逆走してしまう可能性だって無きにしもあらず。路面に描かれた進行方向の矢印を意識したり、道を間違えないように、出発前に地図でルートを確認しておくことも大切です。

また、逆走の4割は夜間に発生していることから、見通しの悪い時間帯の走行にも注意が必要。もし自分が誤って逆走してしまった場合は、速やかに路肩に停車し、非常電話や携帯電話などで、道路緊急ダイヤル(♯9910)に電話し、道路管理者に連絡をしましょう。逆走車を発見した場合もこのダイヤルで通報することができます。

最近では、サービスエリアやインターチェンジなどで逆走を感知して注意を促す「逆走防止装置」の設置も進んでいます。しかし、これからの超高齢化社会では、逆走事故が減るどころか増える可能性だって否定はできません。自分は絶対に大丈夫とは言い切れないことに対して備える気持ちは、どんな時も持ち続けたいものですね。

(根岸達朗+ノオト)

[ガズー編集部]