ヒヤリ! 駐車場内での死亡事故に注意!

駐車場内を走行していたら子どもが急に飛び出してきた、駐車しようとクルマをバックさせていたら気付くと歩行者がすぐ後ろを歩いていた、という経験はありませんか? 実は駐車場内などにおける歩行者の死傷者は、交差点、交差点付近、単路に比べるとそれほど減少しておらず、年間約6,000件発生しています(2010年~2014年のデータ、交通事故総合分析センター調べ)。そこで今回は、駐車場内を運転する際に気をつけたいことを紹介します。

65歳以上はバック時に、6歳以下は発進・直進時に死傷事故が起きやすい

表1 歩行者の年齢層別 歩行者対四輪車の事故における歩行者の死傷者数(交通事故総合分析センター調べ)

2010年~2014年までの駐車場などにおける死亡者数をみると、65歳以上は増加傾向にあります(表1)。とくに65歳以上は、クルマが後退しているときに衝突しやすいことが分かります(図1)。周囲の状況に注意を払っていない、下を向いて歩いているなど、安全を十分に確認していないため事故に合うことが多いです。

図1 歩行者の年齢層別 相手車両の行動類型(交通事故総合分析センター調べ)

一方、6歳以下、7歳~12歳の子どもの場合、クルマが発進、直進している時に衝突しやすいことが分かります(図1)。とくに、6歳以下では保護者などの不注意の割合が約70%を占めており、そのうちの70%が手をつないでいなかったのが要因です。

また、6歳以下の死亡重傷割合は駐車場などと駐車場など以外では変わらず、同様な傾向が見られます(図2)。駐車場ではクルマの衝突速度が比較的低速のため、歩行者はクルマに跳ね飛ばされることはなく、すぐそばに転倒させられることが多いです。6歳以下の子どもは身長が低いため、クルマに頭部、胸部、腹部をひかれてしまうことが多く、死亡重傷事故の割合は駐車場など以外と同じ程度になっていると考えられます。

図2 歩行者の年齢層別 道路形状別死亡重傷割合(交通事故総合分析センター調べ)

それでは、駐車場で運転する際の注意点を紹介します。

・発進時・直進時は子どもに注意!
子どもは身長が低いため、駐車車両の影に隠れてしまいます。突然走り出してしまうこともあるので、時速10km/h以下のいつでも停止できる速度で運転することを心掛けましょう。

・後退時は、歩行者が歩く速度くらいで後退
バックをするときは、後方の状況を的確に判断したり、確認したりするのが難しいもの。歩行者が歩く速度くらいで後退しましょう。

・同乗者がいれば協力してもらう
駐車場を運転する際は、駐車スペースを探すために前方確認がおろそかになったり、バックする際に周囲の状況を正しく判断できなかったりすることが多いです。同乗者がいるときは、駐車スペースを探してもらう、バック時に誘導してもらうなど、協力してもらいましょう。

駐車場を運転する時は、比較的低速のため、一般道路を運転する時よりも油断してしまいがち。死亡事故につながる可能性もあるので、より一層の安全確認をしてください。

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]

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