夏に注意したいバッテリーのトラブルの原因とは?

「バッテリーは寒さに弱い」というのはよく知られていますが、実は暑さが原因でトラブルを起こすことも多いのです。この暑さの中で、走行中に突然エンジンが止まってしまったら……と思うと怖いですよね。そこで今回は、夏に注意したいバッテリートラブルの原因をご紹介します。

気をつけたいポイントは3つ

気温が上がるとバッテリーの性能は落ちる
冬にエンジンがかかりにくいのは、寒さでバッテリーの放電がうまく機能していないため。「夏なら気温も高いし、問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、バッテリー液(電解液)には「適切な比重」というものが存在し、比重が高くても低くても本来の性能を発揮できません。

バッテリー液の比重は、気温で変化します。気温が上がれば上がるほど比重はどんどん低くなり、バッテリー液中の希硫酸濃度が薄くなっていきます。バッテリーは、電力を消費すると比重が低くなっていくものですから、電力を消費したのと同じ状態になり、バッテリーが上がりやすくなってしまうのです。

見落としがちなターミナルの腐食
バッテリーには、エンジンに電気を伝えるための接続金具「ターミナル」があります。ターミナルは、気化したバッテリー液の成分が付着するなどして、どうしても腐食が進んでしまうもの。この腐食を放置しておくと、通電が悪くなり、始動不良やエンジン停止などのトラブルの原因となってしまうのです。また、ターミナルに腐食が発生しているバッテリーは、バッテリー自体の劣化が進んでいる可能性も。

行楽シーズンの大渋滞がバッテリーを酷使する
夏休みシーズンには、高速道路などで渋滞が発生します。この渋滞もバッテリーを酷使する原因です。クルマには、「オルタネーター」と呼ばれる発電機が備わっていて、オルタネーターで発電した電気で走行中に必要な電力をまかなったり、バッテリーを充電したりします。この動力となるのがエンジンの回転。エンジンの回転数が高いほど、発電量は多くなります。

でもこれは、裏を返せばノロノロ運転だと発電効率が落ちるということ。その上、夏の渋滞時は、エアコンを使ったりブレーキランプを頻繁に点灯したりと電力消費が多く、バッテリーに大きな負担をかけてしまうのです。夏の渋滞でバッテリー上がりが多い理由は、まさにこれ。

暑さでバテるのはクルマも同じ!

夏のエンジントラブルを防ぐには、バッテリーのこまめな点検が重要です。特に一度「バッテリー上がり」を起こしてしまったバッテリーは、本来の性能が失われてしまうため、バッテリー上がりが起きやすいもの。使えないことはありませんが、長時間のドライブをするのであれば、交換をしておいた方が得策でしょう。

最近では、スマートフォンの充電器がジャンプスターター(予備バッテリー)になっているものもあるので、もしものためにひとつ持っておくのもいいかもしれません。

他にも暑さによる劣化でタイヤがパンクした、ワイパーゴムがひび割れした、車内に置きっぱなしにしたペットボトルが爆発した……などなど、気温の上昇によるトラブルはほかにもたくさんあります。暑さでバテてしまうのは人間もクルマも同じ。トラブルを未然に防ぐために、クルマにもこまめな体調管理をしてあげてくださいね。

(ヤマウチ+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road