スマホの機能をナビで操作する「Android Auto」とは?

もはやクルマになくてはならない存在となったカーナビ。最近では、基本となるナビゲーション機能に加えて、オーディオ機能なども充実しており、車内エンタテインメントに力が入っている。

そこに参入してきたのが、スマートフォンOSを手がける米Appleと米Googleの2社だ。スマートフォンを接続することで、ナビの画面上でスマートフォンの操作ができる車載機器用ソフト、「CarPlay」と「Android Auto」をそれぞれ発表。スマートフォンの新しい使い方を提案する。今回は、Googleが手がけるAndroid Autoについて紹介しよう。

2016年7月にサービスを開始したAndroid Auto

Android Autoは、今年(2016年)7月より日本でのサービスがスタートした。サービス開始以来、メーカー純正ナビやインフォテイメントシステムに採用されているほか、パナソニックから対応ナビが発売されている。今回はパナソニックの市販ナビ「Strada CN-F1D」を使って、Android Autoを体験した。

パナソニック「Strada CN-F1D」。200車種に搭載可能な9インチの大画面を搭載するメモリタイプのナビだ

Googleマップによる道案内が利用可能

まずは、Googleマップによるナビ機能から試してみよう。パナソニック「CN-F1D」では従来のナビシステムと、Android Autoによるナビを切り替えて利用することができる。

まず、Android Autoを利用するには、Androidスマートフォンに「Android Auto」アプリをインストールした上で、USB接続を行う必要がある。これを行うことで、リアルタイムで情報を通信しながらナビが使えるというわけだ。通常のナビとは異なり単体では利用できず、Androidスマートフォンとの連携が必須となる。

接続ができたら、「Android Auto」に切り替えよう。すると、スマートフォンで見慣れた「Googleマップ」そのものの画面が表示される。

画面デザインはスマートフォンのGoogleマップとほぼ同じ。ルート案内も非常にシンプル

一般的な車載ナビとの違いは、基本操作の多くを音声入力で行う仕組みになっていること。ただし、決定するときなどは画面をタップする必要があるなど、まだまだ操作性は熟成されていない印象だった。

ナビ機能は非常にシンプル。交差点や分岐での立体表示はなく、場所によって拡大されるのみ。交差点名を音声で案内する機能もない。また、ルート案内中にコンビニを探してみたときは、なぜか目的地周辺の店舗だけを表示するなど、機能面ではまだまだ国産の高機能ナビにはかなわない。

こちらはストラーダ標準のナビ画面。情報がより多いのがわかる

定額音楽サービス「Google Play Music」が利用できる

このほかの機能として、定額音楽サービス「Google Play Music」の利用が可能だ。パケット通信料はかかるが、好みの音楽をストリーミングしながら聴くことができる。

Google Play Musicでは好みの曲を指定できるほか、ドライブ向けの曲といったリストも選べる

この音楽機能はAndroid Autoのナビを使っているときだけでなく、標準のナビ機能を使っているときも、バックグラウンドで流すことができた。また、Google Play Musicだけでなく、「AWA Music」もAndroid Autoに対応している。

今後のバージョンアップによる進化に期待

現時点でのAndroid Autoは、標準のナビ機能と比べるとナビ機能として見劣りする部分が多く、積極的に使うイメージにはならなかった。しかし、これらの機能は、驚くほどのスピードで進化、バージョンアップしていくものだ。

ルート上にコンビニに立ち寄ろうとしたところ。目的地周辺しか表示されなかった

すでに音声認識による操作はかなり使えるレベルになっていたので、ナビ機能が熟成されるに従って、その差は小さくなっていくだろう。また、現状ではまだ日本市場で使えるAndroid Auto用のアプリも少ないが、これは製品が増えていくと変わっていくはずだ。

現段階では、シーンに応じて、カーナビ機能とAndroid Autoを切り替えて使えるのが便利だと感じられた。Appleの「CarPlay」についても改めて紹介したい。

(コヤマタカヒロ+ノオト)

[ガズー編集部]

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