Apple CarPlayならiPhoneと連携してドライブが楽しめる

車内でiPhoneと連携して、エンターテインメントシステムや地図などを統合して使えるようになるのが、Appleが提供する「Apple CarPlay」という仕組みだ。CarPlay対応のカーナビなら車載ディスプレイにiPhone同様の画面を表示することができ、Siriによる音声コントロールで多彩な操作ができる。今回は、実際にCarPlay対応ナビを搭載したクルマをお借りして操作を試してみた。

アップルによると、すでに多くの自動車メーカーのクルマにCarPlay対応ナビが搭載されており、その数は100車種以上になると言う。

試乗したのはアウディ A4 Avant 2.0 TFSI quattro。純正ナビがCarPlayに対応する

今回は、アウディジャパンの協力により「A4 Avant 2.0 TFSI quattro」(車両価格\6,260,000)をお借りした。同車両が搭載する「MMIナビゲーション」には、「Audi スマートフォンインターフェイス」機能を搭載。iPhoneをUSB接続することで、CarPlayが利用できるようになる。

メニュー画面にCarPlayの選択肢が表示された

iPhoneを接続すると、「MMIナビゲーション」の画面上にCarPlayメニューが表示される。ダイヤルでこのメニューを選ぶことで、MMIナビゲーションのナビ機能は隠れて、CarPlayとして利用できるようになる。

シフトノブの上、コンソール部に配置されたダイヤルでMMIナビゲーションやCarPlayの操作ができる。

CarPlayの操作はタッチ(iPhone側)、Siriによる音声入力、そして、ナビ側のダイヤルが利用できる。車内ディスプレイがタッチ操作に対応していればそれが手っ取り早いが、MMIナビゲーションのディスプレイはタッチ非対応だったため、今回はダイヤル操作をメインに行った。しかし、ダイヤルが大きく操作感も良いため、初めての操作でもそれほど手間取ることなく操作できた。

こちらはSiriを使った操作画面。音声で目的の入力や聞きたい音楽などを指示できる

iPhoneの音楽を聴きながらドライブ!ナビ機能は……。

では実際にCarPlayを使っていこう。iPhoneを接続して、モードを切り替えると、見慣れたiPhone風のアイコンが並んだ画面が表示される。画面の通り、電話やミュージックなどの6つの機能と、再生中のコンテンツを表示するボタン、MMIナビゲーションのナビ機能に戻るボタンが表示された。海外向けではさらに多くのアプリが用意されているが、残念ながら日本市場向けのアプリはまだ多くない。

アウディのナビに接続して表示されたiPhoneのボタン類

あとはダイヤルを使って、利用する機能を選ぶ。まずは地図を選んでみた。すると車内ディスプレイ上に、iOSの地図アプリの画面が表示された。あとは、Siriなどで目的地を入力すると自動的にルートが表示される。

地図はiOSと同様のシンプルなタイプ

ルートの提案はおすすめのものが表示され、そのほかの条件ルートは、画面上の「その他の経路」を選ぶことで切り替え表示できる仕組みだ。

ルート検索をしたところ。基本的な到着時間や走行距離などがわかる
iPhoneの画面でも曲がる地点などを細かく表示。音声案内ももちろんある

満足のいくルートが見つかったら、ルート案内をスタート。iPhoneの画面上には曲がる場所などが表示されていた。画面がルート案内に切り替わり、交差点などを細かく表示していく。それほど広いエリアを走ったわけではないが、案内は親切で分かりやすく、音声案内も聞き取りやすかった。ただし、ルートは大通り中心で、地元住人が使うような便利な脇道などの案内もない。このあたりの利便性は、自動車メーカーが提供する純正ナビ機能のほうが高そうだ。また、画面に表示する情報量なども決して多くない印象だった。

音楽やポッドキャストが便利!

ほんの数時間ではあるが、CarPlayを使って便利だったのは、音楽コンテンツなどの再生だ。アーティスト名などをSiriにいうだけで自動的にそれらの曲を再生してくれるのだ。音楽をCarPlayで流しながら、経路案内はアウディの「MMIナビゲーションシステム」を使うこともできた。

iPhoneに入っている音楽をやApple Musicの音楽を自在に聞くことが可能

ただし、単に音楽を聴くだけなら、CarPlayを利用する必要もない。通勤などで毎日クルマに乗るようなスタイルの場合は、iPhoneのPodcastを利用したいと思った。ラジオ番組のような楽しいコンテンツがあるほか、英語の勉強ができるようなコンテンツやビジネス書、ニュースなどを効率よく読み聞かせてくれるコンテンツがそろっており、運転している時間をより効率よく使わせてくれる。

ポッドキャストでビジネスの知識を得ながら運転できる

このほかにも、Siriを使って音声だけでメッセージを送るといったこともできた。折り返し届いたメッセージはSiriが読み上げてくれたので、画面を見る必要はない。同様に、音声着信時もナビを通して通話ができる。このあたりの操作もSiriを通してできるのが便利だ。

実際にCarPlayを使ってみて、非常に便利だと感じた。地図やナビ機能など、専用のカーナビにかなわない部分もある。そのため、CarPlayが必須とは言えないが、メインのスマートフォンとしてiPhoneを使っているなら、きっとその良さを感じられるだろう。今後、さらにCarPlay対応のアプリが増えてくれば、より利便性はアップするはずだ。

毎日の運転中に、もっと便利に音声操作をしたり、音声コンテンツをさらに楽しみたいと考えるなら、 CarPlayに対応したナビや搭載車両を選択肢として考えてよさそうだ。

(コヤマタカヒロ+ノオト)

[ガズー編集部]