【まとめ】TOYOTA GAZOO Racingが参戦するレースカテゴリー(国際レース/ラリー編)
トヨタ自動車のモータースポーツ活動を行っている「TOYOTA GAZOO Racing (以下TGR)」。その参戦しているレースカテゴリーは多く、2017年は国内外合わせて12のレースやラリーにチャレンジしています。そこで、改めてこの12カテゴリーの参戦車両や見どころをまとめてみました。
今回は、ル・マン24時間レースを含む耐久レースシリーズ「FIA-WEC(FIA世界耐久選手権)、あるときは峠道、またある時は泥道から雪道まで地球全体が舞台となる「WRC(世界ラリー選手権)」、そしてまだ記憶に新しい“世界一過酷な草レース”と呼ばれている「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」、3つの国際レース/ラリーを紹介します。
WEC(FIA世界耐久選手権):今年こそル・マン制覇!
どんなレース?
世界9カ国のサーキットで行われる耐久レースの世界選手権。1レースの走行時間が6時間と通常のレースの2~3倍の長さで、ドライバーは3人体制で臨みます。6月14日(水)~18日(日)の間に開催される「ル・マン」だけは24時間レースで、WECシリーズでもっとも重要な一戦です。WECは、日本でも富士スピードウェイで10月2週目に開催されます。
どんなマシンが走っている?
WECは4クラスにわかれており、WEC専用に独自設計したマシン(プロトタイプマシン)がエントリーする「LM P1/P2」、市販車ベースのサーキット専用マシン(GTカー)がエントリーする「LM GTE-Pro/Am」があります。
TGRは、トップカテゴリーのLM P1-H(ハイブリッド)に専用車「TS050 HYBRID」を2台(スパとル・マンは3台)でエントリー。2.4L直噴V6ツインターボエンジン+エネルギー回生システムにより、爆発的な加速を見せるマシンです。同クラスにはポルシェもエントリーしています。
WECの見どころは?
今シーズンはすでに2戦が行われ、トヨタが連勝中。次戦はル・マンで、ゴール直前でトラブルによりリタイアとなった昨年の雪辱を果たすため、より入念な準備をしているところ。1991年のマツダ787B以来の日本車によるル・マン総合優勝だけではなく、日本車で日本人ドライバーによる総合優勝も狙っています。7号車に乗る小林可夢偉選手、8号車の中嶋一貴選手に注目です。
WRC(世界ラリー選手権):18年ぶりの復帰初年度から好成績
どんなレース?
WRCは、世界13カ国(2017年シーズン)の市街地、峠道、山岳路、雪道といったさまざまなシーンを走るラリー。地球そのものを舞台にしたラリーと言えるかもしれません。ラリーは「A地点からB地点まで」の競技区間(SS)タイムの合計で順位を競う競技。トヨタは今年、18年ぶりに参戦。4年連続世界チャンピオンを飾った経験のあるトミ・マキネンを代表として迎え、「ヤリスWRC」とともにチャンピオンを目指しています。
どんなマシンが走っている?
WRCに出場しているマシンは、すべて市販車をベースに改造を施したラリーマシンです。TGR WRT(World Rally Team)が参戦しているトップカテゴリーには、フォード、シトロエン、ヒュンダイが参戦して、熾烈な選手権争いをしています。TGRが開発したマシンは、「ヤリスWRC」。ヤリスは、日本のヴィッツの欧州名で、街で見かける普通のコンパクトカーをベースにしているわけです。
今年から車両規定が変わり、パワーは380馬力に。また、SUPER GTのような大きなエアロパーツを装着しています。開催国によって道路環境もさまざまなであるため、マシンにはあらゆる路面に対応できる柔軟性が求められます。
WRCの見どころは?
何よりもトヨタの復活でしょう。第2戦「スウェーデン」では、早々にヤリスWRCが総合優勝を飾りました。そこからは勝利から離れているものの、復帰初年度ながらベスト5に入り込む活躍を見せてくれています。マキネン代表は「今年は学びの年だ」とコメントしていますが、これからの後半戦は、特にTGR WRTの拠点でもある「ラリー・フィンランド」が注目です。エースドライバーが、マキネン代表と同郷のヤリ-マティ・ラトバラ選手、チームメイトもフィンランド人で構成されているだけに期待が膨らみます。
ニュルブルクリンク24時間耐久レース:世界一の草レース
どんなレース?
ドイツ・ニュルブルクにあるサーキット「ニュルブルクリンク」のF1やGTレースで使用されるグランプリコースと、主に新車のテスト走行や日常開放されている1周20.8kmの「ノルドシュライフェ」の両方を使った、長く過酷な耐久レースです。150近いチームが参戦し、ワークスチームからプライベートチームまで、多彩で賑やか。そのため「世界一の草レース」とも言われています。
どんなマシンが走っている?
FIA-GT3といった本格レーシングカー、開発やPRを目的に出場する未発売車、オペル・マンタを始めとした旧車など、参戦車両は多岐にわたります。トヨタも過去に、レクサスLFAや86、C-HRなどを発売前に出場させ、話題を集めました。今年は、レクサスのスポーツクーペ「RC」を「SP3Tクラス」で走らせ、クラス2位の結果を残しています。
ニュルブルクリンク24時間レースの見どころは?
1周25kmと長いとはいえ、160台ものレースカーがひとつのサーキットを走る様子は、ワクワクドキドキハラハラの連続です。クラスによってスピード差が大きいので、上位クラスが下のクラスのマシンを追い越すテクニックも見どころです。もうひとつは、あまりにも長いサーキットのため、天気が崩れると場所によってコンディションがガラっと変わってしまうところ。晴れていても、コースの反対側では雨が振っている、なんとこともめずらしくありません。
TOYOTA GAZOO Racingが参戦するレースカテゴリー、今回は国際レース/ラリーを紹介しました。自動車メーカーが率先してモータースポーツ活動することが難しい最近の世の中で、積極的にチャレンジしていくTGRは、貴重な存在です。モータースポーツの2017年はまだ始まったばかり。ぜひその活躍に期待しましょう!
(クリハラジュン+ノオト)
[ガズー編集部]
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