500馬力超のハイパワーモデルも! 6台の超個性派ピックアップ

トヨタ・ハイラックスの復活で、再び注目されているピックアップトラック。日本では「実用車」というイメージが強いピックアップトラックですが、世界に目を向けると実用性だけではない個性的なモデルも多いもの。今日は、そんな個性派ピックアップトラックを6台紹介しましょう。

バイパー用のV10エンジンを積んだモンスター

ダッジ・バイパーといえばアメリカを代表するスポーツカー。その特徴のひとつにハイパワーなV10エンジンの存在がありますが、なんとそのエンジンを移植したピックアップトラックがあるのです。

それが「ダッジ・ラムSRT10」。排気量8300㏄のV10エンジンは507馬力を発生。そう聞いただけで想像できるとは思いますが、速いなんてもんじゃありません。最高速度は248km/h、停止状態から時速60マイル(約96km/h)までの加速はたったの4.9秒と、スポーツカーと競争しても勝てるほどの速さ。世界一速い市販トラックです。このクルマを前にして、「トラックは遅い」というのは間違った常識ですよ。それにしてもとんでもないモンスターです。

ラグジュアリーブランドのピックアップトラック

アメリカを代表するラグジュアリーブランド「キャデラック」にも、少し前までピックアップトラックが用ラインナップされていました。それが「エスカレードEXT」。

エスカレードは日本にも正規輸入されている高級SUVですが、その先代モデルをベースに車体後部を荷台にした仕様です。大きな荷物を積める荷台を持ちながら、スタイリングやインテリアはゴージャス。なんと贅沢なクルマなのでしょうか。

どうしてラグジュアリーなピックアップトラックが必要なのか? これは日本人には理解しにくい部分ですが、アメリカではお金持ちだってピックアップトラックを所有するということなのです。また、ピックアップトラックに乗ることは、単なる実用面だけでなくファッションでもあるわけですね。

あのハマーにもトラックがあった!

「ハンビー」と呼ぶ軍用車両をベースに、民間に市販したクルマが「ハマー」。軍用車両がベースになっている「H1」をはじめ、「H2」や「H3」といった小さな派生モデルも存在しました。そのラインナップのなかでも異色の存在が「H3T」。H3をベースにしたピックアップトラックです。

「H3」シリーズは、ハマーの中でもっとも小さなシリーズ。とはいえ、この「H3T」の全長は5.4mとかなり大柄です。独特のスタイルが魅力的ですね。

日本の個性派ピックアップといえば

トヨタ・ランドクルーザーにもピックアップトラックが存在します。それがランドクルーザー70のピックアップ。日本でも2014年8月から2015年6月まで、期間限定で発売されていました。

特徴は、高い悪路走破性と信頼性。一般的なピックアップトラックでは行けないような場所まで、荷物を積んで届けることができます。そして頑丈さや整備のしやすさも評価され、世界各地で愛されています。

走りを楽しむための突然変異種

世界一売れているピックアップトラックがフォード「F-150」。それをベースに走行性能を磨き上げたのが「F-150ラプター」です。

より激しい悪路走行に備えてサスペンションを強化し、エンジンは450馬力を発生するV6 3.5Lターボを搭載。フォードの特殊車両を開発する「SVT」が味付けを行っています。ラリーマシンのようなスタイルもカッコいいですね。

セダンをベースにしたピックアップトラックも

オーストラリアでは「UTE」というピックアップトラックが人気を集めています。その最大の特徴はセダンをベースに車体後半をピックアップトラックとしていること。「仕事にも実用的で日常も快適」というニーズから生まれたのだそうです。

写真の「フォード・ファルコンUTE」のほか「ホールデンUTE」もあり、どちらもオーストラリアでは頻繁に見かける存在。ラインナップにはV6ターボやV8エンジンを積んだハイパワーモデルもあって、モータースポーツで使われるほど愛されていました。

こうして見てみると、世界中には本当に個性的なピックアップトラックが存在しますね。ただ残念なのは、紹介したモデルのうちランドクルーザーとF-150ラプターを除けばすでに新車販売が終了していること(ランドクルーザー70は日本販売を終えたものの海外では販売継続中)。今後もクルマ好きがついつい気になってしまうような個性派ピックアップトラックの登場を期待しましょう。

(文:工藤貴宏 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road