ユーザーに聞いた。なぜハイエースは「仕事車」として愛されるのか?

2017年12月1日(金)に一部改良を実施した現行トヨタ「ハイエース」は、最初のモデルの誕生から50年。今も商用バンの代表格として、ありとあらゆる業界で「働くクルマ」として活躍しています。では、その魅力は一体どこにあるのでしょうか? ハイエースと関わりの深い自動車修理業者や工事関係者、中古車業者などに話を聞いてみました。

とにかく丈夫で壊れない!

まず、「車体が頑丈である」点をあげる人が多いのが、ハイエースの特徴です。自動車修理や中古車販売をしている板橋区のとある自動車整備・中古車販売会社によると、「とにかく壊れないのが魅力。パーツも豊富だから車体さえ残っていればどんな状態からでも直せるしね。いつまででも乗れるから、十数年乗っていたクルマでも値がつくんだよ。古いやつでもすぐ売れちゃう」とのこと。ちょうどその会社にハイエースの車検で訪れていた清掃業者の方も、「もう長く使っているけど目立った故障は一度もないですね」と、その丈夫さに太鼓判を押してくれました。

安原さんのハイエースもすでに20年近く使われている
安原さんのハイエースもすでに20年近く使われている

ハイエースを仕事車にしている板橋区の電気店、有限会社ヤスハラの安原和幸社長もその点を高く評価していて、「とにかく丈夫。ほかのメーカーの同じタイプのクルマと比べて燃費もいいし、やっぱり壊れないのがいいですね」と話していました。

もちろん積載性の高さもポイントで、「商品や資材を山ほど積んでも、人が乗れるスペースがある。こんなクルマほかにないね」と安原社長。商店街のイルミネーション設置など、大がかりな工事を行うときは、ほかの職人さんにヘルプを頼むそうですが、「その場合でもハイエース1台で事足りてしまう」と言います。

また、純正/社外を問わずカスタムパーツが多いのもこのクルマを選ぶ理由のひとつだそう。「仕事用にも趣味用にも、とにかく使い勝手がいいパーツが多い。知り合いには仮眠用のベッドをつけている人もいますよ」と拡張性の高さを教えてくれました。

福祉車両にもキャンピングカーにも!

救急車や車いす仕様車、移動入浴車など、医療や福祉の現場でもハイエースはよく利用されています。また、積載性が高く車体のカスタマイズが最低限で済むため、キャンピングカーのベース車両としての人気も高いそうです。

こちらは福祉車両の「ウェルキャブ」、車いす仕様車
こちらは福祉車両の「ウェルキャブ」、車いす仕様車

実際にハイエースを仕事車として使っている人に話を聞いて、丈夫で長持ちする堅牢性と四角いボディによる積載性の高さが、ハイエースの2つの大きな魅力であることがわかりました。しかし、その優秀さゆえに「盗難が多い」という問題もあるようで、ある人は「海外でも人気が高く、形さえ残っていれば修復できるため、新車だけでなくスクラップ寸前のクルマも狙われている」と言います。ハイエースを所有している方は、盗難対策をすることをオススメします。

(取材・文・写真:斎藤雅道、編集:木谷宗義+ノオト)