タイヤの管理もAIの時代!「かんたん タイヤ画像診断」とは?

クルマの安全をはかる上で、重要なもののひとつはタイヤの摩耗状態です。しかし、慣れないと、どこを基準に見たらよいのかわからないことも多いもの。そこで現れたのがAIを活用した診断システムです。昨年2017年9月に株式会社オートバックスセブンより「かんたん タイヤ画像診断」がリリースされました。

スマホでタイヤの画像を撮って送るだけ

「かんたん」と名前につくくらいなので、行うことはシンプルです。
次の4ステップでタイヤの状態を知ることができます。

タイヤを撮って、送るだけ
タイヤを撮って、送るだけ

① 「かんたん タイヤ画像診断」のページ(https://tc.autobacs.com)へアクセス
② サイトアクセス後、スマートフォンでタイヤの画像を撮影
③ 撮影したタイヤ画像をアップロード
④ 診断結果を摩耗度合いに応じて「大」「中」「小」の3 段階で表示

タイヤは「正面から」「斜め後ろから」「正面上から」「正面下から」の4パターンを撮影。日本 IBM 社の提供する AI「IBM WatsonTM」が、アップロードした画像の摩耗状態を判別してくれます。

このAI「IBM WatsonTM」に備えられている画像認識機能には、あらかじめ数百枚に及ぶさまざまな状態のタイヤ画像が登録されており、アップロードされた画像と比較して判断してくれます。また、診断用に投稿された画像も、学習用データとして蓄積されていくのだそうです。

自宅でも手軽にタイヤ診断! AI活用を思いついたワケ

――AIを活用しようという発想はどこから出てきたのでしょう。

以前から店頭では、タイヤチェックやセルフ空気充填コーナーなどでタイヤの安全点検をお客さまにおすすめし、利用しているタイヤに対する意識を高める活動を行ってきました。
近年、AIが急速に発達したという背景から、タイヤの状態を学ばせることで、利用中のタイヤの状態の近似値を調べることができるのではないかと、当社のTOB・WS商品部の者が思いついたことがきっかけです。このサービスによって、店頭においでにならなくても、こまめにタイヤの状態をチェックして、よりタイヤとクルマの安全について意識していただけたらと思っています。

――現在どのくらいの利用がありますか。

リリースから6か月で、のべ約2万回の利用がありました。SNSなどでも「おもしろそう」、「スマホさえあればタイヤの状態が分かるのは画期的」といった肯定的なご意見をいただいています。

ノーマルタイヤ以外の利用も検討中。今後のAI活用は?

――AIの学習度合いはいかがでしょう。

いくつかの事例を投入してはおりますが、残念ながらまだ顕著に賢くなるまでには至っていません。
今後のAIの動きをしっかり観察する必要があると思っています。

――AI活用の今後の展開はお考えですか?

現在、診断できるのは、乗用車用のノーマルタイヤのみの対応となっておりますが、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤなどについても検討していきたいと思っています。また今後は、タイヤに限らず、カーライフに関係しそうな分野への応用に向けチャレンジしていきたいです。

――ありがとうございました。

タイヤの安全意識を高めるために、各自の手元で大まかにでもタイヤの状態を判断できるのは安心のもとになります。また、自分で判断し、学習していくAIは未来のカーライフを快適にしていくことにも、今後の大きな可能性が感じられますね。

(取材・文:わたなべひろみ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]