“ハチロク”ファンのためのイベント「Fuji 86 Style with BRZ 2018」
発売から35年を経てなお人気の「AE86」と、その「運転の楽しさ」を継承して2012年に登場した「トヨタ86」を総称するもの。時代は違っても、楽しみ方に合わせたカスタマイズができるのは、共通の魅力です。
「Fuji 86 Style with BRZ 2018」は、「86/BRZ」が登場してから毎年、夏に行われる大型ミーティングイベント。今年も日本中からAE86、86、BRZが富士スピードウェイに集結し、オーナー同士で情報交換をしたり全国のショップのパーツを買ったり、そして走行イベントを楽しんだり、1日“ハチロク”の世界を堪能しました。
個性豊かなハチロクが一堂に会すオフミーティングエリア
イベントの主役は、あくまでもオーナー。各所に、オーナー専用の駐車スペースが「オフミーティングエリア」として車種ごとに用意され、1台1台に個性のあるオーナーカーを見ることができました。その一部をご紹介しましょう。
「トヨタ86」エリア
もっとも参加台数が多い「トヨタ86」エリアには、かつての「ハチロク」がそうだったように、いろいろな表情を見せる86とオーナーで、終日賑やかでした。
このKOUKI86は、ロッド付きカーボンリップとKUHL製の前後オーバーフェンダーなどをコーディネート。よく見れば「スゴみ」がありますが、リップ以外は同色塗装で、ホイールも落ち着いたデザインが選ばれており、お洒落に決まっています。ちなみにKUHLのエアロパーツは人気が高く、新車にフルエアロを装着した「コンプリートカー」も人気です。
こちらはSARD製のフロントバンパーを装着し、「GR」ロゴをボンネット全体で再現しています。注目は、リアウィング。オーナーは、よくこの86でサーキットを走行するのか、タイヤの商品シールがこれでもかと貼り付けられています。走行中に飛んでしまわないか心配ですが、これはこれで味がありますね。
「頭文字D」エリア
「ハチロク」人気の火付け役となった漫画『頭文字D』に登場した、3車種(AE86、インプレッサGC8、RX-7)専用の駐車エリアも設けられていました。
その中で、筆者の目を引いたのが、この1台。きれいなフルノーマル車だと思って近づいてみると「SR」のグレード表記が。車内を覗くと2本スポークステアリング。お気付きの方もいると思いますが、このトレノは「ハチロク」ではなく、1.5Lエンジンを搭載した通称「AE85(通称ハチゴー)」と呼ばれるモデルです。シートカバーもかけられており、大切に乗られてきたことがわかります。
「ハチゴー」に負けず劣らずのマニアックな、ラリー仕様のレビンも見かけました。オフロードタイヤに当時物のアドバンラリーホイールが、決まっていますね。大きなフォグランプもラリームードを高めています。
86のイベントだけあって、インプレッサとRX-7は少数派。とはいえ、こんな希少なクルマの姿も見られました。STIのコンプリートカー「インプレッサS201」です。DTMの様な派手なエアロが特徴。300台限定で、2000年に登場しました。
「BRZ」エリア
「トヨタ86」の兄弟車「スバルBRZ」のミーティングエリアの様子もお伝えしましょう。筆者がこの場に足を運んだのはイベント後半だったので、駐車スペースのクルマはまばらでしたが、こんなスペシャルモデルに出会うことができました。
「BRZ STIパフォーマンスコンセプト」です。86/BRZには、2.0L 水平対向エンジン「FA20」が搭載されています。長らく「ターボ+4WD」でラリーを戦っていたスバルだけに「ターボモデル」の登場が渇望されていました。そこで2015年の「ニューヨークオートショー」で参考出品されたのが、このクルマ。レーシーな外観の中身は、「GT300」用の水平対向ターボエンジン「EJ20」が搭載され、さまざまなSTI製パーツが組み込まれています。
エリアには、「SUPER GT GT300」仕様のレプリカラッピングをしたBRZも置かれていました。ラッピングは2018年仕様。うまく市販モデルに合わせてデフォルメされていて、雰囲気十分です。細かいところですが、サイドミラーも赤紫色にラッピングされています。
「N2仕様」ハチロクとドリフト専用86によるスペシャルデモ
本コースでは、「最速のハチロク」ともいえるJAF-N2規定のレーシング・ハチロクによるエキシビションレースと、アメリカから逆輸入されたプロドリフト選手権「フォーミュラ・ドリフト」の86で戦われる特別戦が行われました。
- アドバンコーナーでインを刺すのはハチロク専門ショップ「小泉商会」代表の「小泉コータロー」選手
- レース前のにわか雨で非常に難しいコンディションに。その中を駆け抜けるハチロクはカッコいい!
世界一のハチロク使いであるドリキンこと土屋圭市氏が、TRDワークス仕様のN2ハチロクで
現役時代と遜色ない走りを披露し、勝利を収めました。N2ハチロクの速さは、30年以上前のクルマはとは思えません!
- デンジャラスな4台団体ドリフトを決める4台のモンスター86!
「フォーミュラ・ドリフト」の特別戦では、ドリフトの世界で土屋圭市氏と並ぶスターである織戸学選手と谷口信輝選手が特別参戦。織戸選手は、このイベントの前日に行われた同シリーズに参戦している86をレンタル、谷口選手は久々のHKSワークスの86に乗り、現役顔負けのアグレッシブなドリフトを披露してくれました。勝者は谷口選手!
最後は恒例のパレードランで!
イベントのラストを飾るのは、この日参加したオーナーたちによるパレードランです。
- 走行前にスターティンググリッドで記念撮影!
一部では「86/BRZは価格が高く、若者には手が届きにくい」などと言われていますが、ミーティングエリアを回っていると、20代の若いもオーナーの姿もたくさんありました。すでに発売から6年、初期モデルの中古車であれば、手頃な価格で販売されています。「AE86」がそうであったように、中古車を買ってカスタマイズを楽しむ、そんな時代になってきたのかもしれません。ハチロクカルチャーは、まだまだこれからが本番のようですね!
(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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