藤島知子さんがインタープロトのマシンに同乗!石浦宏明選手のドライブでプロのレースを疑似体験

2013年からスタートしたインタープロトシリーズは、同シリーズのために設計された国産マシン「kuruma」を使ったワンメイクレースで、マシンの性能ではなくドライバーの腕に焦点をあてたモータースポーツカテゴリーです。

そして、このレースの開催当時から行われているのが、レースに使うマシンに同乗して、レースと同じように全車同時スタートする「疑似体験」イベント。もちろん運転するのは、インタープロトシリーズに参戦するプロレーサー! 外から見ているだけではわからない、レースの迫力を体感できることもあって、毎回大人気のイベントです。

同乗走行の様子。 レースと同じようにクルマが競り合う! 撮影:石原康
同乗走行の様子。 レースと同じようにクルマが競り合う! 撮影:石原康

今回、10月7日(日)に富士スピードウェイで行われた疑似体験イベントに潜入。スーパーフォーミュラで2度の王者を獲得した石浦宏明選手が運転するマシンに、モータージャーナリストの藤島知子さんが同乗する様子をレポートします。

インタープロトシリーズとは?

インタープロトシリーズには、ジェントルマンドライバーと呼ばれるアマチュアのドライバーのクラスト、プロのドライバーが走るプロフェッショナルクラスの2クラスがあります。どちらのクラスも、同じマシン(kuruma)を使って走るのが特徴です。そのため、ジェントルマンドライバーにとっては、自分が走るマシンでプロの見本を見ることができるというメリットがあります。

すべてのマシンに助手席が常備されているのが特徴。そのため、今回のような同乗体験も可能となります。テレビやサーキットで“見る”だけではわからない、レースの迫力を体験できるのも魅力なんです。

「kuruma」の車内はどれも助手席付き。ちなみに最高速度は325km/h。レース車両ならではの低い視線は、かなり迫力がありそう!
「kuruma」の車内はどれも助手席付き。ちなみに最高速度は325km/h。レース車両ならではの低い視線は、かなり迫力がありそう!
運転席にはカラフルなスイッチが多数。色使いがちょっとゲームっぽい!?
運転席にはカラフルなスイッチが多数。色使いがちょっとゲームっぽい!?

同乗体験はイベント勝ち抜き式!

この同乗体験は、天候さえよければ、毎回レースのたびに開催されている人気企画。当日のステージイベントで行われるじゃんけん大会や○×大会に勝てば、乗れるのだそう。今回は○×大会で同乗権利を競っていました。レース未経験者にとっては難問題に感じましたが、参加者の皆さんはかなり詳しい様子……全然人数が減りませんでした!

この日の○×大会では7名という狭き枠を競ってクイズにチャレンジ! みなさん、真剣でした。
この日の○×大会では7名という狭き枠を競ってクイズにチャレンジ! みなさん、真剣でした。

ちなみに同乗するには条件があります。長袖長ズボンを着ていること。フラットシューズを履いていること。そして高校生以上であること。○×大会で勝っても、ピンヒールなどでは参加できないとのことなので、参加希望の人は同乗OKなスタイルを用意しておきましょう!

藤島知子さんが同乗体験!

女性だけのレース「競争女子」第3戦が終わった直後、同乗体験に駆けつけてくれた藤島知子さん
女性だけのレース「競争女子」第3戦が終わった直後、同乗体験に駆けつけてくれた藤島知子さん

自らもレースに参戦し、この日も「KYOJO-CUP」に出場していた藤島知子さん。今回、助手席に乗ることで違う風景が見えてくるのでしょうか!?  乗り込む前の藤島さんに突撃!

「インタープロトシリーズは憧れのレースなんです。4.0Lもの大排気量エンジンを搭載し、レース専用に設計されたハイパフォーマンスのマシンは、タイヤも結構太いの履いているし、コーナリングではどのくらいのGがかかるんだろうなどが気になります。プロのドライバーさんがドライブされるということで、そこでどんな操作をしてるのかなというのを助手席からしっかりと見てみたいと思います」(藤島さん)

石浦選手(奥)と藤島さん(手前)。いざ、インタープロトの世界へ
石浦選手(奥)と藤島さん(手前)。いざ、インタープロトの世界へ

ご自身もレーサーとしては知られているからこそ、運転テクニックが気になる様子。コース上で助手席に乗り込み、そしてレースと同じく、一斉にスタート! 本気の走行が開始されます。

レースと同じように決まったポジションから一斉にスタート! 近くにいると、驚くほどの大爆音と振動を体感できます。これぞ、サーキットのだいご味
レースと同じように決まったポジションから一斉にスタート! 近くにいると、驚くほどの大爆音と振動を体感できます。これぞ、サーキットのだいご味

富士スピードウェイの見どころは、広いコース幅でクルマが競い合うコーナー。そして、世界的にも珍しいおよそ1.5kmにもなるホームストレートでの最高速勝負。同乗体験ではコース上での乗り換えがあるため、レースほどの最高速度は出ない……とはいえ、迫力満点なのは確実。外から見ていると一瞬で走り抜けてしますが、車内からはどう見えるのか、気になるところです。

2015年、2017年と2度のスーパーフォーミュラ王者を獲得した石浦宏明選手が運転する3号車はぶっちぎりの1位! 撮影:石原康
2015年、2017年と2度のスーパーフォーミュラ王者を獲得した石浦宏明選手が運転する3号車はぶっちぎりの1位! 撮影:石原康

プロドライバーのテクニックを全身で体感!

最後はピットに戻ってきて終了! あっという間の体験でした。
最後はピットに戻ってきて終了! あっという間の体験でした。

広いコースを1周とはいえ、あっという間の出来事。戻ってきた藤島さんに感想を聞きました。

「石浦選手は、本当に操作がなめらか! 動き出すと、加速から体がシートに押し付けられて、すごく鳥肌が立ちました。同乗者がいるから、コーナリングもいつものレースより速度を抑えて走っているとは思うんですけど、それでもGがすごかったですね。体重の何倍もの力で外に体が持っていかれるようで、本格的なレーシングカーって違うんだなと感じました」(藤島さん)

またレースを走るドライバーのひとりとして、プロドライバーの運転テクニックにもしっかり注目されていました!

「タイヤもハイグリップなので、ブレーキングのポイントは、結構奥の方でしたね。的確、スムーズに操作されていて、やはりスペシャルな走りは繊細さや丁寧さから生まれるのかなと思いました」(藤島さん)

同乗イベントで配られる乗車番号のカードには、運転する選手のサインが入っている。体験とあわせて、いい思い出に。
同乗イベントで配られる乗車番号のカードには、運転する選手のサインが入っている。体験とあわせて、いい思い出に。

藤島さんは、石浦選手にインタープロトのクルマとほかのレーシングカーとの違いも聞いてきてくれました。

「ダウンフォース(空力)は、車体を地面にぎゅっと押し付ける力のことですが、石浦選手によると、それがあまりない、と話していました。ダウンフォースがないとクルマってすごくふらつきやすいんです。それに合わせてセッティングを出すのも難しいなぁとおっしゃっていました。クルマに合わせてうまく走らせるのは、相当なテクニックだなと感じましたね」(藤島さん)

かっこよく走るためには、見た目だけではわからない苦労もあるようです。最後に、まだインタープロトのレースを見たことがない人に向けてメッセージをいただきました。

「kurumaのように助手席が付いているレーシングカーって珍しいんです。インタープロトはレースファンの皆さんに楽しんでもらいたいという空気を感じられるレースなので、ぜひ目の前で見て音を聴いて、ドキドキしながら富士スピードウェイを感じてもらえたらなと思います」(藤島さん)

次回のインタープロトシリーズは、11月17日(土)~18日(日)に開催。同乗体験やレース以外にも、キッズが楽しめるイベントや女性が癒されるコーナー、プロドライバーの非公式なコメントが飛び交う(!?)トークショーなど、レース初体験でも楽しめるイベントが目白押しです。同日には、女性だけが走る「KYOJO-CUP」も開催されます。乗用車とは一味ちがうレースの世界に、この秋、ぜひ家族で触れてみてください。

この日はゲームしながら体幹を鍛えられるというVRフィットネス「ICAROS(イカロス)」の体験も開催。ドライバーも体験しに来ていたとか……!? レースに加えて、楽しめる要素がいっぱいの富士スピードウェイでした!
この日はゲームしながら体幹を鍛えられるというVRフィットネス「ICAROS(イカロス)」の体験も開催。ドライバーも体験しに来ていたとか……!? レースに加えて、楽しめる要素がいっぱいの富士スピードウェイでした!

(取材・文:ミノシマタカコ 編集:木谷宗義+ノオト レース写真撮影:石原康)

[ガズー編集部]

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