注目は70周年を迎えたシトロエン2CV! フレンチブルーミーティング2018レポート
フランス車が集まる秋の祭典「フレンチブルーミーティング2018」が10月20日~21日、車山高原で開催されました。昨年とは打って変わって素晴らしい天候にも恵まれ、大変な盛り上がりを見せた会場の様子をお届けします。
今年の主役はシトロエン2CV
8時前に会場へ到着したのですが、早朝にもかかわらず、クルマたちが続々と来場していました。今年はシトロエン2CV誕生70周年ということもあり、メイン会場内に2CVエリアも。毎年恒例のクランク掛け競争に加え、パレードランも行われました。今年のフレンチブルーミーティングでの主役となるモデルだったと言ってよいでしょう。
- 今年のフレンチブルーミーティングのテーマ車種は、誕生から70周年を迎える2CVが大集合
2CVが生まれたのは、1930年代にシトロエンに勤めていたピエール・ブーランジェ氏が、目にした光景がきっかけです。彼がフランスの都市クレルモン=フェランに赴いた際、農村で荷車を引く人の姿を見て「こうした人にも乗ってもらえる廉価なクルマが必要」と確信したことから生まれました。
20世紀の終盤まで生産され、日本でも新車で販売されていたので国内の台数も多い車種。他のハイドロニューマチックサスペンション系シトロエン車は、一般の整備工場で敬遠される場合もありますが、2CVは数あるクルマの中でも、極めて構造がシンプルなのが特徴です。キーをひねってエンジンをかけることができるだけでなく、クランク棒でエンジンをかけることもできます。
70周年を祝うべく、集まった数多くの2CV。車山高原には、軽自動車よりも小さい排気量の2CVが鳴らす、パタパタというエンジン音が響き渡っていました。
アルピーヌA110にも注目が集まる
2CV以外の注目株と言えば、往年の名車が現代によみがえったアルピーヌA110。すでに納車されたクルマを、何台も見かけることができました。その周りには、もちろん人だかりが。やはりフランス車好きにとって、見過ごすことができないスポーツカーですね。
- 注目のアルピーヌA110。多くの参加者が前で足を止めてのぞき込んでいた
筆者は、輸入車に乗ることは「身近で出来る異文化交流」だと常々思っております。「どのクルマを買ったか?」の先にある「そのクルマで楽しんでますか?」を話し合う。そんなオーナー同士のコミュニケーションは、フレンチブルーミーティングの楽しみのひとつだと感じました。
- 珍しいプジョー405の北米仕様車。展示していたプジョーの専門店原工房によれば、おそらく日本に一台だろうとのこと。
- ルノーサンクに独立したトランクを持たせた7(シエテ)も今回かなり注目を集めていた。おそらくこれも日本には数台とない希少なクルマだ。
- 「きれいなメルセデスが!」と思ったらフランス車に気を使って、ファセル・ヴェガを装っていた。ファセル・ヴェガはおよそ10年間しか製造しなかった悲運の高級車メーカー。
クルマ以外にも見どころたくさん
クルマだけでなく、出店なども興味深い内容が多いこのイベント。フランスをはじめとした、自動車用品、ミニカー名を扱うお店。フランス車ユーザー向きのオイルブランドなどのブース。さらに、地元・車山高原周辺、長野県の魅力に触れられる出展が多いのもフレンチブルーミーティングの魅力です。
- 信州ポークの加工品などを販売するMAISON du JAMBON de HIMEKI
中でも面白いのが、専修大学経営学部経営学科岩田ゼミの学生さんがフィールドワークの場として地元の産品を販売していたこと。何を隠そうゼミの指導にあたる岩田弘尚先生も、フランス車を愛する一人。まさにフランス車の縁が、若者の研鑽の場につながっているのです。
また扱う商品もユニーク。信州産ポークとオーガニックソルトで作った生ハムやサラミのほか、お隣の長和町で養殖されるチョウザメも紹介していました。「チョウザメは絶滅危惧種で養殖したものしか食べることはできません。キャビアが有名ですが身もおいしんです。少しでもそんな魅力を知っていただければ。」とのこと。ぜひ街で見かけたら試してみてください。
- こちらがチョウザメ料理。癖のない味でいろんな料理への活用もできそうだ。
フレンチブルーミーティングが過ぎると、今年も残りわずか。フランス車好きの暦に馴染んだこのイベントは、今年もきわめて“フレンチ濃度”が高い2日間でした。
(取材・文:中込健太郎 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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