ミリタリーカメラマンに聞く! アメリカ格安ドライブ旅行のススメ1 ~レンタカー編~
地平線の先まで見える真っ直ぐな道、荒野に佇むガソリンスタンド、そしてモーテル。クルマ好きの中には、アメリカの広大な国土に張り巡らされた道路を走ってみたいという人もいるのでは?
しかし、異国でクルマを運転するのはなかなか勇気がいるもの。そこで、何度もアメリカ各地の基地や兵器・軍事博物館を取材のために巡っているミリタリーカメラマンの布留川司さんに、アメリカでのクルマ旅行の心得や注意点について聞きました。今回は「レンタカー編」をお送りします。
料金の安い業者でも問題はない
アメリカでクルマを使う魅力は、なんといってもコストパフォーマンスの高さ。他の公共交通機関を使うより安く、自由度も高いため、長期滞在の場合は、欠かせない移動手段となります。
「カリフォルニアからアリゾナへ行くような長距離移動なら飛行機もいいですが、料金と自由度を考えると断然クルマです。レンタカーの料金は、1カ月借りても日本円で10万程度。ガソリン代は地域によりますが、平均して日本より安いので、あちこち取材する私の場合はレンタカーが一番ですね。また、ロサンゼルスやサンフランシスコといった大都市を除くと、公共交通機関があまりないのも、クルマを使う理由です。特に私が仕事で行く基地や飛行場は、交通機関がほぼない田舎の地域にありますから」(布留川さん)
布留川さんによれば、現地で利用するレンタカーは安い業者でもOKとのこと。クルマ社会ということもあり、料金が安い業者であっても、特に大きな問題はないそうです。
- 低料金のレンタカーは、「キア」などの韓国車であるケースが多いとか。たまに「シボレー」といったアメリカのクルマに乗れるときもあるそう
「レンタカー屋にもグレードはあって、大手のHertz(ハーツ)は高いけれど、安心感も高い。基本的に、値段とクオリティーは比例しますが、低料金だからといってそこまでひどいのはないですね。私がメインで使っている『Alamo(アラモ)』は、アメリカでは下から数えて3番目ぐらいの会社ですが、問題なし。車種は、キアやヒュンダイといった韓国車になることが多いです」(布留川さん)
「NO!」と言わないと思わぬ高額になることも……
レンタカーを借りる際は、オプションを勧められても毅然と「NO!」といえる勇気が大事。また、はっきり受け答えしないと、契約内容が変わることがあるので、注意が必要だとか。
「アメリカのレンタカーは『エコノミー』『コンパクト』『ミッドサイズ』と、グレードあがっていくのが一般的で、おすすめはコンパクト。実はエコノミーと1割ぐらいしか料金が変わらないんです。注意したいのは、スタッフの対応の方。上のグレードのクルマを勧めてきたり、オプションをつけさせようとしたりします。言葉がわからないからとうなずいてると、予想外の高額な料金になることも……。明らかに勧めてるなと思ったら、毅然と『NO!』と言う勇気が必要です」(布留川さん)
言葉に不安がある場合は、日本で事前に決算できる業者を選ぶといいそう。ただし、業者やプランによっては距離制限があるので、注意が必要だと言います。
「長期で乗る場合は、アンリミテッドマイル(距離制限なし)のコースがあるかを確認すること。ロサンゼルスの日本人向けのレンタカーなどでは、『何マイルまで』という走行距離制限があるから注意。ちなみに、クルマを返却するときは給油を忘れずに。返却時に燃料代の精算もできますが、べらぼうに高いので……」(布留川さん)
長期利用ならカーナビは買った方がお得
アメリカのレンタカーでは、カーナビがオプションであることも少なくありません。とくに低料金の業者では、別料金のオプションとなることはほとんど。でも、長期利用の場合は「買ったほうが断然、安い!」と布留川さんは言います。
「オプションのカーナビは、レンタル料金が1日単位な上、1日あたり20ドル前後もします。でも、ショッピングセンターに行ってみると、安いものなら100ドルぐらい、日本語対応のものでも150ドルほどで買えてしまいます。10日以上使うなら、買った方が絶対に安上がり。また、アメリカは道が広いので、スマホのマップ機能だけでも十分かもしれません」(布留川さん)
「知って得する」というより「知らないと損する」ことが多そうなアメリカのレンタカー事情。クルマは旅のベースとなるツールだけに、安心して利用したいものですよね。次回は、遠路事情やガソリンスタンド事情をお届けします。
▼取材協力:布留川司
https://twitter.com/wolfwork_info
(取材・文:斎藤雅道 写真:布留川司 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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