家電ライターのクルマ選び <第1回 コンパクトカー/軽自動車編>
こんにちは、デジタル&家電ライターのコヤマです。普段は炊飯器やコーヒーメーカー、ロボット掃除機などを使って試し、家電やデジタルガジェットの記事を書いています。一方でプライベートでは3人の女の子のパパでもあります。
週末にはミニバンに家族を乗せて、いろいろな遊び場に出かけるという生活を過ごしていますが、正直言ってクルマにはそれほど詳しくありません。速いクルマには興味はありませんし、それほどかっこいいとも思っていません。あくまでクルマは実用のアイテムというスタンスです。
そんな、デジタルガジェットと家電のライター兼3女のパパの視点で、自動車を選んでみました。第一回のカテゴリーは「コンパクトカー/軽自動車編」です。
家電もクルマも機能重視! 絶対はずせないのは……?
これから新車に買い換えると考えたとき、最低限求めたい機能があります。それは、衝突回避などの安全機能です。
家電でも安全性は最重要項目。熱を発生する家電は火事にならないよう、制御できるようになっていますし、やけどしないような設計になっています。クルマの安全性能にもいろいろなレベルがありますが、急発進抑制システムと衝突回避の2つは子連れでクルマに乗る以上欠かせない機能だといえます。
さらにガジェット視点では、通信機能を備えたカーナビや、いざというときの備えとしてドライブレコーダーなどもぜひ搭載したい機能です。誰もがスマートフォンを持ち、5G通信も間近の今、ローカルの地図を表示するだけのカーナビには古さを感じます。ただし、これらは後付けもできるので、まずは車載装備やクルマそのもので選ぶことにします。
筆者のこれまでの所有車は、ほとんどがステーションワゴンやミニバンでした。それは、乗り心地や走りの良さよりも荷物が乗ることなどを重視してきたから。そこで、コンパクトカーは低価格でしっかりと荷物が乗ること。そして、帰省などを含めた長距離ドライブは諦めて、日帰りを前提とした外出に最適な1台を選ぶことにしました。
家電セレクト的クルマ選びのポイントとは?
通常、家電ではライフスタイルや家族構成で、製品を切ることが多いので、今回もその方法を取りたいと思います。また筆者が家電を選ぶときに最も重視しているのか、実用性と使い勝手です。例えば最高においしく肉が焼ける調理家電があったとしても、サイズが大きすぎたり、操作が難しかったりするものは購入しようと思えません。
コンパクトカーだとしても、しっかりと荷物が乗せられるという実用性を最重視しました。
<今回の家電セレクト的クルマ選びのポイント>
家電選びと同じように、
①ライフスタイルや家族構成で、製品を切る!
②実用性と使い勝手を重要視する!
コンパクトカーだからこそ、
③低価格でしっかり荷物が載る実用性重視
④日帰りドライブに最適な1台
では実際にクルマを見ていきましょう。
コンパクトカーというと1300ccクラスの国産車が定番です。このクラスの代表というと、トヨタの「アクア」などが挙げられますね。
家電製品のセレクト記事では、製品の使い勝手やコストパフォーマンスなど、さまざまな要素について採点をしてレーダーチャートで見せるので、同じようにクルマでも独自の軸で評価してみました。
例えば、トヨタ「アクア S」の場合はこんな感じになります。
- アクア S。ハイブリッドカーなので、省エネ性能が非常に高いのがポイント。 アシスト安全性能は先進性として評価。
評価が3.0を切る項目はなく、全体としてバランスの良いモデルだと思います。 安全性と省エネ性能を重視して選ぶなら魅力的です。
ただし、個人的に最重視したい点である使い勝手と実用性の部分で引っかかりました。もちろんスコアは低くはありません。ただ、家族が乗れる、少しの荷物が載せられる、それだけに感じたんです。
せっかく今、コンパクトカーを買うなら、際立った個性のあるクルマにしたいと思っています。それは、家電の場合、1台で何でも調理ができるスチームオーブンレンジよりも、安いトースターの方が食パンをおいしく焼けるように、何かひとつ、際立った機能を求めました。例えば同じ3万円なら何でもできるオーブンレンジより、おいしくパンが焼ける「だけ」でもバルミューダ ザ・トースターの方が惹かれるのです。
「バルミューダ ザ・トースター」のような1台は軽バンカテゴリーにある!
そうして選択したコンパクトカーがホンダの「N-VAN +STYLE」です。「+STYLE FUN・ターボ Honda SENSING」のFFモデルは、車体価格166万円と非常に安価です。
- ホンダの軽バン「+STYLE FUN・ターボ Honda SENSING」。本体価格166万円からと安い。
<家電ライター的魅力ポイント(1)>
冷蔵庫の扉も片開きよりフレンチドアの方が実用的!
ガッツリ開く「ダブルビッグ大開口」
このモデルを選んだ最大の理由は、助手席側のセンターピラーがない「ダブルビッグ大開口」。助手席まで段差なくフラットにできるため、たっぷりの荷物を積載することができます。冷蔵庫だって、片開きよりは観音開きのフレンチドアの方が実用的なのです。
- 助手席側にセンターピラーがないのが最大の特徴。
子どもと自転車を一緒に載せることができるうえ、筆者が一人で走るときは、全てのシートを倒すことで大量の荷物を積むこともできます。最新のスチームオーブンレンジなど、大きな家電を撮影スタジオに運ぶときにも便利そうです。
なにより荷室床面地上高が525mmと非常に低いので、重たい荷物を載せやすい。最大積載量は350kg、一般的なサイズの段ボール箱なら71個乗るという、積載量の多さも頼もしい限りです。荷物を載せる、子どもを乗せるという使い勝手において、非常に優れているコンパクトカーだと考えました。
- 助手席も帯推してフラットにできる。このほかテーブルのようにもできる。
また、「ダブルビッグ大開口」により、リアハッチからだけでなく、助手席からも大きな荷物を詰め込めます。シートをフラットにすると、荷物が動かないように合計8個のフックが利用できる仕組み。紐などで固定できるようになっているのも便利です。
ガジェット欲がうずく! 軽キャンパーにもなる魅惑のオプション
先ほど登場した「アクア」は、大人だけの家族や子どもがもう高校生以上ならおすすめできます。でも、子どもが小さい今は車中泊ができるN-VANの方が、筆者としては魅力的なのです!
それは、大人だけならノンフライヤーやヘルシー家電が向くのに対して、子どもが食べ盛りの間は、あえて、フライヤーでたっぷり揚げ物を作ってあげたり、ボリュームのある肉料理がガンガン作れるオーブンレンジがおすすめなのと同じですね。
<家電ライター的魅力ポイント(2)>
コンパクトカー界のバルミューダになるかも!?
フラットにすれば流行りの軽キャンパーに変身
2列目、3列目シートを倒してフラットにできるからこそ子どもと寝られる「N-VAN」。凹凸がほとんどないから、車中泊でも安心です。標準でキャンピングカーのように使えるこれまで安さだけが売りだった軽自動車の新しい可能性を切り開きました。それはまるで一大ブームを巻き起こした「バルミューダ ザ・トースター」を彷彿とさせます。もしかしたら軽バンのさらなるブームも来るかもしれませんよ!
さらにオプションで用意されている、室内空間を効率的に使えるルーフコンソールや簡易テーブルなども装備すれば、キャンピングカーのような使い方ができます。実用性を求めるうえで、これはかなりの高ポイントです。
外部電源キットを取り付ければいろいろな家電が車内で使えるようになるのもうれしいですね。炊飯器を持ち込んで車中飯を楽しむのも良さそうです。
- シートを全部倒した状態。幅は1260mm、助手席先までは約2635mmもある。
さらに、「ダブルビッグ大開口」は、オートキャンプ場などでもその便利さを発揮。開口部の前にテーブルや椅子などを用意すれば、室内空間と一体化したオートキャンプライフが楽しめます。「N-VAN」なら、最近流行りの軽キャンパーとして活用できるというわけです。
安全装備と運転支援機能でガジェット周りをチェック!
<家電ライター的魅力ポイント(3)>
家電もクルマも安全第一。
安心できる安全装備運転支援機能、搭載!
「N-VAN」にはこれから購入する新車に欠かせない安全装備運転支援機能も搭載されているので安心です。ミリ波レーダーと単眼カメラで周辺の状況を確認する「Honda SENSING」を搭載。衝突軽減ブレーキや誤発進抑制起動、路線逸脱抑制機能、車線維持支援システムなどが含まれており、最低限必要な機能を備えているといえるでしょう。
<家電ライター的魅力ポイント(4)>
細やかな機能でガジェッターも満足!
通信機能付きカーナビも取り付けOK
ガジェット視点では、アクセサリーソケットとは別に、USB端子が搭載でき、ケーブルを直接挿してスマートフォンの充電などができるのもありがたい。また、USBオーディオ機能により、スマートフォンに保存した音楽をカーオーディオで再生することも可能です。100Vのコンセントがないのは残念ですが、これが欲しい場合は選択肢にハイブリッドカーを入れることになります。
- スマートフォンやゲーム機などを充電できるUSB端子が充実している。
オプションではありますが、純正のカーナビとして、通信機能を搭載したホンダのインターナビが取り付けられるのもうれしいポイントです。より正確性の高いリアルタイム交通情報を取得できたり、災害情報などもいち早く取得できたりするので安心感が高いですね。
ホンダの「N-VAN +STYLE FUN・ターボ Honda SENSING」は、家族での近隣のお出かけと、子どもと2人きりでのキャンプなどに対応できる魅力的なコンパクトカーです。家電ライター的評価は以下の通り。
- 「+STYLE FUN・ターボ Honda SENSING」
デザインは完全に好みです。実用性は、荷物を載せる、人を乗せるというクルマ本来の仕事に忠実であることを高評価しました。使い勝手の評価は、凹凸のないフルフラットな荷室を活かして、車中泊など多彩な使い方ができる点です。基本となる機能をしっかり備えながらも、さらに他との差別化を図った便利さが際立った1台だと考えました。本体価格も安く、軽自動車なのでランニングコストの軽さも◎。カジュアルに多目的で使える魅力的なクルマだと言えるでしょう。
(文:コヤマタカヒロ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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