【海外サーキット現地レポ】F1やMotoGPも開催されたポルトガル「エストリルサーキット」を写真で1周
皆さんはサーキットでレースを観戦したことはありますか? 日本を代表する国際サーキットである「富士スピードウェイ」や「鈴鹿サーキット」なら、比較的多くの方が一度は行ったことがあるでしょう。では、海外のサーキットはどうでしょうか?
TVやインターネットで、F1などのライブ中継を見たことはあっても、現地に足を運ぶとなるとハードルが高いもの。そこで今回は、モータースポーツの本場ともいえるヨーロッパのサーキットを紹介します。かつてF1やMotoGPも開催されていた、ポルトガルの「エストリルサーキット」です。
ポルトガルの首都、リスボン近郊の街エストリルに位置するこのサーキットは、正式名称を「シルクイート・ド・エストリル」といいます。1996年までF1ポルトガルグランプリが開催されていたこともあるので、名前を聞いたことはある方も多いのではないでしょうか。故アイルトン・セナ選手が、F1で初めて優勝したサーキットとしても知られています。
ホントにここ!? 意外に小さな入場ゲート
エストリルサーキットの正面ゲートは上の写真の場所ですが、F1やMotoGPなどの世界最高峰選手権が開催されていたサーキットにしては、入り口が狭いと思いませんか?
毎年、鈴鹿サーキットで開催されるF1日本グランプリでも、観客動員数は2018年の決勝日で約81,000人。このゲートで、8万人もの観客をさばききれるとは到底思えない規模に、大きな衝撃を受けました。
ゲートからグランドスタンドが近い!
ゲートをくぐると、すぐ目の前にグランドスタンドがありました。日本の大きなサーキットは、ほとんどがゲートから観客席までかなりの距離を歩くので、これはレース観戦を楽しみたいお客さんにとってうれしいポイントかもしれません。また、スタンド裏にはお土産屋さんやBARや売店もありました。
グランドスタンドの観客席からは、最終コーナーの出口からホームストレート、そして1コーナーの進入までが一望できるレース観戦には一押しのポイント。座席は仕切りのないコンクリートの階段なので、クッションやビニールシートを持参した方がよさそうです。
そしてパドックへ
グランドスタンド下の地下通路を抜けると、パドックに行くことができます。
- グランドスタンドからパドックにつながるトンネルの出口
- パドックに並ぶモーターホームとホスピタリティテント
パドックに出ると、モーターホームと呼ばれる各チームのトレーラーがギッシリと並んでいて、その光景に圧倒されました。このモーターホームの裏側に、各チームのレース拠点となるピットが並んでいます。
そして、レースに参戦するマシンや選手の装備に問題がないかをチェックするための車検場や、取材に来たメディアの人たちが作業をするためのメディアセンター、怪我をした選手を治療するメディカルセンターなども、しっかりと配置されていました。
- 車検場
- メディアセンター
- メディカルセンター
ちなみに、レースに参加するチームなどは、このパドック直通の通路からクルマでサーキットに入ります。
- クルマでサーキットに入るための通路
コースの高低差は想像以上!
エストリルサーキットのコース全長は、4.182 km。9つの右コーナーと4つの左コーナー、合計13のコーナーで構成されたテクニカルなコースです。
- ピットロード
- ピットロード出口(1コーナー)
1コーナー、2コーナーと平坦だったコースが、3コーナーから4コーナーにかけて急な上り坂になっていたり、コース図では緩やかに見える5コーナーが想像以上に急カーブだったりと、コースの複雑さは、ライブ映像で見ていたイメージとまったく違うことがほとんどでした。
- 4コーナーから5コーナーへ
想像以上の急なカーブに驚いた5コーナーを越え、バックストレートからつながる6コーナーへの進入は数少ないパッシングポイントのひとつ。そのためF1のライブ中継などを見ていた方は、見覚えがあるかもしれません。しかしこのコーナーも、スピードを乗せ切ったバックストレートから激しいブレーキング勝負をしながらライバルをパスするには、コーナーが急な上に狭い印象。かなりのテクニックを要することがわかります。
- 6コーナー側から見た5コーナー
- バックストレートから6コーナーへ
さらに驚いたのは、この9コーナー。こちらは、コース図で見ても鋭角に曲がっていますが、そのコーナーのカーブの鋭さだけでなく、10コーナーに向けて上っていく傾斜の傾斜角もかなりのものでした。
- 9コーナー
そして、最終コーナーとなる13コーナーの長い180度コーナーを経て、ホームストレートへ。ホームストレートのコントロールラインを通過すると、約4.2㎞の1周が終わります。
- 12コーナーから最終コーナーへ
- 最終コーナーからホームストレートへ
ちなみにこの最終コーナーは、もともと放物線を意味する『パラボリカ』と呼ばれていましたが、1994年のF1サンマリノGPで事故死したアイルトン・セナ選手の慰霊碑がコーナー内側に建てられ、現在は『パラボリカ アイルトン・セナ』と呼ばれるようになっています。
エストリルサーキットは1996年までF1、2012年までMotoGPが開催されていた、国際サーキットです。そのため風景に見覚えがある方も多いと思いますが、実際の写真で1周してみると、また違った印象を持たれるのではないでしょうか?
なかなか、現地観戦に行くことは難しい海外サーキットも、コースを知ればライブ観戦がさらに楽しくなるはず。今後も、さまざまな海外サーキットをご紹介していきたいと思います。
(取材・文・写真:先川知香 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
あわせて読みたい!
最新ニュース
-
-
マツダのロータリーエンジン開発を指揮、故・山本健一氏…「FIVA」自動車殿堂入り
2024.11.12
-
-
-
ヤマハの新しい乗り物「グリーンスローモビリティ」生花店とコラボ展示へ…横浜「Local Green Festival」
2024.11.12
-
-
-
カストロール、ラリージャパン2024に往年の『WRCカローラ』を展示
2024.11.12
-
-
-
アウディ『A3』のSUV「オールストリート」にPHEV設定、EV航続は最大140km
2024.11.12
-
-
-
時代は4点から6点へ! 進化するサーキット用シートベルトと安全デバイス~カスタムHOW TO~
2024.11.12
-
-
-
ヒョンデ『アイオニック5』、日本にない米国専用オフロード仕様「XRT」は5万6875ドルから
2024.11.12
-
-
-
軽自動車サイズの布製タイヤチェーン「モビルシュシュ」、ソフト99がMakuakeで先行販売
2024.11.12
-
最新ニュース
-
-
ヤマハの新しい乗り物「グリーンスローモビリティ」生花店とコラボ展示へ…横浜「Local Green Festival」
2024.11.12
-
-
-
マツダのロータリーエンジン開発を指揮、故・山本健一氏…「FIVA」自動車殿堂入り
2024.11.12
-
-
-
カストロール、ラリージャパン2024に往年の『WRCカローラ』を展示
2024.11.12
-
-
-
アウディ『A3』のSUV「オールストリート」にPHEV設定、EV航続は最大140km
2024.11.12
-
-
-
時代は4点から6点へ! 進化するサーキット用シートベルトと安全デバイス~カスタムHOW TO~
2024.11.12
-
-
-
ヒョンデ『アイオニック5』、日本にない米国専用オフロード仕様「XRT」は5万6875ドルから
2024.11.12
-