瞬間的な判断力とセンスが必要!現地で感じたポルトガルの交通事情
みなさんは、ポルトガルと聞いて何を思い浮かべますか? 鉄砲伝来やフランシスコ・ザビエル来日など歴史の教科書ではよく見ていても、ヨーロッパのなかでは少し馴染みの薄い国かもしれません。そんなポルトガルは南ヨーロッパ、イベリア半島の最西端にあり、スペインとは陸続きとなっています。
国境は、日本でいう県境みたいなもの?
島国である日本で暮らしていると、海を渡らず陸のみで続いている外国といわれてもあまりイメージが湧かないものです。かく言う私も、国境といえば高い塀で区切られたゲートがあって、銃で武装した国境警備隊がウロウロ。空港での入国審査と同じように、パスポートのチェックを受けて許可が出たらゲートを通過できる。そんなイメージを持っていました。
- ポルトガルとスペインの国境
しかし、スペインからポルトガルへ向かう国境で目の前に現れたのは、高速道路の料金所ゲートのみ。日本の高速道路と同じく、ETCを搭載したクルマなら、一度も停車することなく通過することができました。もちろん、パスポートのチェックなどもありません。
しかも、料金所ゲートがあるのは、スペインからポルトガルに出国する方向のみで、ポルトガルからスペインへ出国する際は、日本の県境のように地名の標識が立っているだけでした。これは、スペインの高速道路がほとんど無料なのに対し、ポルトガルの高速道路は有料なので、ポルトガルへ向かう側の国境だけが料金所となっているそうです。
方向転換は、ラウンドアバウト(円形交差点)とジャンクション
ポルトガルの道路は右側通行。信号はほとんど無く、方向転換はラウンドアバウト(円形交差点)とジャンクションで行われます。
- ラウンドアバウト
- ジャンクション
そのため、合流時は先にラウンドアバウトに入った方が優先などのルールはあるものの、ほとんどはドライバーの感覚とタイミング任せとなっているのが実情のようで、ヒヤッとする光景を目にすることもたびたびありました。
- ラウンドアバウトへの合流
Uターンも左折もラウンドアバウト
ポルトガルの道路は右側通行なので当然ですが、お店や家などの駐車場から出る際、目の前の道は右に向かってクルマが流れています。
そのため、日本では行きたい方向が左だと、対向車線を横切って左折する形になりますが、ポルトガルでは、ほとんどの大きな会社やお店、学校などの出口には、一旦停止と左折禁止の標識が立っており、基本的に右折でしか道路に出ることはできません。
では、左折したい場合やUターンをしたい場合はどうするのかと言うと、建物から右折で道路に出て次のラウンドアバウトまで進み、ロータリーをまわることで方向を転換。行きたい方向に向かう道に合流します。
そのため、対向車線側にある目の前のお店に行きたいときなどは、次のラウンドアバウトまでの距離が遠いと、かなりの距離を往復して戻ってくることになるので、同じクルマが行ったり来たり。慣れるまでは少し不思議に感じる光景が、頻繁にみられます。
路上駐車じゃなくて歩道駐車
隣接するスペインは路上駐車大国と言っても過言ではないほど、道路はクルマであふれているのですが、ポルトガルの道路では、路上に駐車されているクルマはほとんど見られませんでした。
その代わりなのかはわかりませんが、歩道に駐車されているクルマの姿がチラホラとみられます。
それは乗用車だけにはとどまらず、大型トラックまでもが歩道に!
ホテルの駐車場などでも、枠を無視してギュウギュウに駐車されている光景をたびたび見かけたので、それだけ路上駐車への取り締まりが厳しいのかもしれません。
横断歩道は歩行者が最優先
ポルトガルの横断歩道には、信号がほとんどありませんでした。
というのも、ポルトガルの横断歩道では、歩行者が最優先。横断する歩行者の姿を確認すると、クルマはどんな状況でも停車してくれるので、不自由を感じることはありません。ただし、それは日中の話。
困るのは夜間で、横断歩道には信号だけでなく街灯も設置されていないのです。そのため、歩行者が最優先というルールが徹底されていても、歩行者の存在を認識できるのか不安になる暗さでした。
ポルトガルの交通事情は、すべてがタイミング。信号が少ないうえに、方向転換はラウンドアバウト方式で、まっすぐ走っては大きな急カーブを描きながら行きたい方向に進んでいく。そんな瞬間的な判断力とドライビングセンスが必要な印象です。
しかも、基本的に左折は禁止となっているので、ヨーロッパのなかでもラウンドアバウトが多く、頻繁にコーナリングの重力や遠心力を感じながらドライブするイメージで、運転好きにはたまらないテクニカルなレイアウト。そのため、車酔いをする方がクルマで移動するには、少しつらい国かもしれません。
(取材・文・写真:先川知香 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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