今年のマシンはオーストラリア仕様!「アジアクロスカントリーラリー2019」に参戦する「TEAM JAOS」のハイラックス
新興国市場をターゲットにしたトヨタの世界戦略車プロジェクト「IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)プロジェクト」の一翼を担う現行ハイラックス。2017年から我が国でも販売を再開したのは記憶に新しいところですが、そんなハイラックスで2016年からラリーへの参戦を続けているのが、日本のパーツメーカー「JAOS」です。
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- JAOSは日本導入前の2016年からハイラックスでAXCRに参戦している
JAOSが参戦しているラリーは毎年8月、タイを起点に東南アジアの周辺諸国で開催されている「アジアクロスカントリーラリー(以下AXCR)」というFIA公認の競技。WRCなどのような短いSS(スペシャルステージ)を繋ぐものではなく、ラリーレイドと呼ばれる1区間が長く、道なき道を走破する冒険色の強いもので、今年はタイのビーチリゾート、パタヤの街をスタートし、隣国ミャンマーの首都ネピドーまでの2200kmを5日間で走破します。
長年、このラリーへの挑戦を続けてきた「JAOS」が日本発売前の2016年から導入してきたハイラックスは2.8リットルディーゼルターボのモデルでしたが、今年はオーストラリア仕様の4リットルV6ガソリンモデルに変更。また車体そのものも、今までこのラリーを戦うために積み重ねて来た改造を今年は施さず、極めてノーマルに近い形での参戦となります。
もともと大幅な改造を行わず、量産車向けのパーツ開発を目的とした参戦ではありましたが、それでも年を重ねるごとに進化し続けた結果、一般のユーザーが簡単に導入できる姿ではなくなってきたことをふまえ、今大会は「原点回帰」をコンセプトに掲げたそうです。
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- 4.0リットルV6DOHCのガソリンエンジン「1GR-FE」は最高出力175kw(238PS)/5200rpm、最大トルク376Nm(38.8kgf・m)/3800rpmを発生する
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- ガソリンエンジンにはノーマルの6速ATが組み合わされる
参戦するドライバーは株式会社ジャオスの開発部に籍を置く社員ドライバーの能戸知徳選手、コ・ドライバーは株式会社KYBの技術統括部に在籍する田中一弘選手と、昨年と同じ布陣で臨みます。田中選手は自分で開発したサスペンションパーツで参戦し、自ら改良を加えながら今回で3回目の参戦です。またマシンメンテナンスは、こちらも昨年同様、JAOSの本拠地でもある群馬のディーラー「群馬トヨタ」のディーラーメカニックが現地に赴き対応します。JAOSを中心にアジアクロスカントリーラリーに臨むこの体制が「TEAM JAOS」です。
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- ドライバーは株式会社ジャオスの能戸知徳選手(写真左)。コ・ドライバーは株式会社KYBの田中一弘選手(写真右)
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- マシンメンテナンスは群馬トヨタのディーラーメカニックが現地に赴き対応する
TEAM JAOSは、6月の中旬に長野県のモーターランド野沢でテストを行いました。ガソリンエンジン特有のサウンドを響かせながらテスト走行を繰り返すマシンは、昨年までの2.8リットルディーゼルターボモデルと較べると加速などの点では劣るものの、マシンは蓄積した3年分のデータが十分に生かされており、順調に仕上がっているようです。
ちなみにこのモーターランド野沢の路面は、東南アジアでよく見られる赤土の路面と見た目はかなり異なりますが、ドライのときのマシンの挙動は似ていて、テスト走行で得られたここでのデータに昨年までの実戦経験を加味しながら、足廻りのセットアップを進めているそうです。
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- 長野県のモーターランド野沢でテスト走行を繰り返した
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- ジャンプの姿勢も乱れず安定感のある走りを見せた
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- タイヤはBFグッドリッチ Mud-Terrain T/A KM3。今年追加されたサイズ 245/75R17を採用する
今年のAXCRはタイに加え、初めてとなるミャンマーを舞台に繰り広げられます。コースがその土の質や地形のみならず、その国のインフラの状況により大きく変わるのは、このAXCRでラオスやカンボジアのルートを経験してきたベテランドライバーの誰もが知るところですが、今年は全員が未経験の地。
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- 画像:アジアクロスカントリーラリー日本事務局
ガソリンエンジンのGroup T1/Class1で参戦するTEAM JAOSのハイラックスは、どんなパフォーマンスを魅せるのか。そして速さに勝るディーゼルターボ勢にどこまで食い込めるのか。また、改造制限のないディーゼルクラス(Group T1/Class2)クラスで争われるであろう、地元タイ勢のトヨタ・ハイラックス VS いすゞ・D-MAXの総合優勝争いは、どちらに軍配が上がるのか。はたまた新たなダークホースが現れるのか。
路面環境のよい先進国では当たり前のモノコックボディでは決して戦えない過酷なコースでのラリーは、8月11日(日)にスタートします。日本人エントラントも多いAXCRの開幕が今から楽しみです。
(取材・文・写真:高橋学 編集:木谷宗義+ノオト)
<関連リンク>
アジアクロスカントリーラリー日本事務局
http://www.r1japan.net/axcr/index_ja.html
[ガズー編集部]
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