大國魂神社に聞いた「クルマのお祓い」その意味は?
皆さんの中には、神社や寺院で愛車のお祓いをしたことがある方もいると思います。では、クルマのお祓いでは、神主様やお坊様は誰に対して、どのようなお祈りやお願いをしているのか、ご存じでしょうか?
今回は<神社編>として、東京都府中市にある「武蔵総社 大國魂神社(むさしのくにそうじゃ おおくにたまじんじゃ)』権禰宜の猿渡諒さんに、クルマのお祓いについてお話をうかがいました。
ドライバーとクルマを日々、守ってもらえるよう神様にお願いする
まずは、クルマのお祓いが、どのような意味を持つものなのかを教えてもらいました。
「お祓いを受けられる皆さんとクルマを日々、守って下さいますよう神様に伝え、お願いをしております。お祓いにおいて私ども神官の役割は、神様に取りつぐことです。当社の場合ですと、主祭神である大國魂大神様をはじめとする御祭神と、お祓いを受けられるドライバーとクルマとを取りつぐことですね」(猿渡さん)
そのルーツを聞いてみると、方災除け祈願や住吉神社や金毘羅宮等の海上安全の信仰に見られるように元来日本人にはどんな些細な旅路でも安全を神仏にお祈りする風習があったと考えられるそう。
「クルマのお祓いは車社会になって、自然と生まれたものでしょう。ルーツのひとつとして、当社の近くにある谷保天満宮が『交通安全発祥の地』として御祈祷をされています」(猿渡さん)
では、お祓いの手順を具体的にご紹介していきましょう。
まずクルマをお祓所に駐車します。このとき、本殿にクルマの顔を向けるよう駐車するそうです。受付では御祭神にお取次ぎするため、ドライバーの名前や住まい、クルマのナンバーや車種(神社によって異なる)を申込用紙に記入します。受付を済ませ、準備が出来ると御社殿に入りご加護をいただけるよう御祭神にお願いします。ご祈祷が終わったあと、お祓所へ移動し、ドライバーとクルマのお清めを行います。
「いついかなる路にあろうと、手綱さばきを自在にできますように、どのような道路を走行しているときでも、ドライバーは落ち着いて運転できますよう見守って下さい、とお願いします。ただ、神も絶対ではありません。お祓いのあとも気を緩めることなく、安全運転に務めるようドライバーにもお願いします」(猿渡さん)
神社によってお願いする内容は違う?
神社によって、祀る神様は異なるもの。ということは、お願いする内容や手順も変わるのでしょうか?
「概ね一緒ですが、各神社の神主さんがどのように神様にお伝えしたら良いかと必死に考えた「祝詞」は、神社によって特徴があるのかもしれません。たとえば邇邇藝命(ににぎのみこと)が三種の神器を手に天降る際、その先導を務めた猿田彦神(さるたひこのかみ)をお祀りする神社では、常にドライバーとクルマが安全な道へとお導きくださいとか、当社でいえば大國魂大神様は国土を主宰する神様なのでそういった御功績を称えながら常にお見守りくださいといった風に、それぞれの御祭神の持つ歴史や由来を勉強して、神様の意に沿えるよう日々努力しています」(猿渡さん)
神社の中には、交通安全で有名なところもありますが、猿渡さんによれば有名だからいいわけではないのだそうです。
「氏神様が祀ってある最寄りの神社にお願いするのが一番だと思いますね。ただクルマのお祓いを実施していない神社もあります。その場合は氏神様に縁のある神社や行きやすい神社、好きな神社にお願いしても大丈夫です。神様のあいだで話を通してくれるでしょう」(猿渡さん)
大國魂神社では、年間2,000台ものお祓いをするそう。その多くが新車を購入されてすぐの方ですが、毎年お正月にお祓いをされる信心深い方も多いと言います。大國魂神社でのクルマのお祓いは原則、予約はなく、当日のみの受付。一年を通して行っているとのことです。
神社でのクルマのお祓いは、神様に加護をいただけるようお願いすることでした。見守ってくれる神様に呆れられぬよう、日頃から安全運転を心がけたいものですね。
(取材・文:糸井賢一 写真:大國魂神社、糸井賢一 編集:木谷宗義+ノオト)
<関連リンク>
武蔵国総社 大國魂神社
https://www.ookunitamajinja.or.jp/
[ガズー編集部]
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