震災翌年から始まって7回目。復興のシンボルを目指して走る地域振興ツーリング「石巻ミッションドライブ」
7月14日(日)、今年で7回目となる「石巻ミッションドライブ」が東北・石巻の地で開催されました。同イベントは、2011年に起きた東日本大震災の復興を祈願し、2012年からスタート。石巻の街を、カーイベントを通じて盛り上げることを目的としています。主催はみちのく復興支援パートナーズ。
復興のシンボル、木の屋石巻水産を目指す
イベント内容は、クルマ好きのクラブや東北のカーショップの呼びかけで集まった人たちが、復興のシンボルともいえる缶詰工場「木の屋石巻水産美里工場」を目指してツーリングを楽しむというというもの。
津波により多くのものを失い途方に暮れる中、流されずに残っていた木の屋石巻水産の缶詰は石巻の人々の糧となりました。現在となっては、地元復興のシンボルとして販売されています。
復興後、美里町に建てられた新工場は、一面みどりの田畑に囲まれる施設になり、隣接する大地フーズの施設とともに、3年前より石巻ミッションドライブのゴール地となっています。
いかに地域に貢献したかも表彰のポイントに
現地に集合して始まるイベントとは異なり、このイベントは自宅や宿から出発したその瞬間からスタートします。ゴール地までの道のりを楽しむことも、イベントの一貫だからです。そのため、ゴール地となる木の屋石巻水産美里工場での集合時間は14時。およそカーイベントとは思えない遅い時間になっています。
カーイベントらしく参加車両の表彰も行われますが、選定のポイントが車両のコンディションや希少性ではなく、いかにグループごとに現地の経済活動に貢献したかにあること。要は、その日のレシートが判断基準のひとつとなるのです。もちろん、ただお金を使っていればいいわけではありません。実際にお店や宿などの人たちと交流を図ってもらい、またこの地を訪れてほしいという願いも込められています。
表彰式では、代表がどれだけ地域に貢献したかが読み上げられました。トップは約35,000円だったとのこと。もっとも、イレギュラーで賞をもらった別名「すっとこどっこい賞」を受賞した参加者は、なんとこの日のために新車を用意したのだそう。なかなかの熱の入れようです。
そのほか2階のホールでは、イラストレーターによるカーイラストの展示や、石巻観光大使となったシンガーソングライターである萌江さんのミニライブが行われ、イベントを盛り上げました。
この火を消してはいけない
雑誌『Tipo』の復興支援イベントとして始まった石巻ミッションドライブ。今回で7回目となりますが、今年は少しだけ状況が違いました。今まで一緒にやってこられた主催者の方々が、前回を最後に降りられたのです。もちろんさまざまな事情があってのことでしょうが、一人残った今野氏は「この火を消してはいけない」と継続を決めたそう。
そのため今回は、参加台数およそ40台と、いささか縮小気味となってしまったと言いますが、それでも多くの人が愛車とともに参加し、緑が眩しい木の屋石巻水産美里工場の敷地には多くのクルマが並びました。ちなみにこのイベントは、個人でのエントリーができません。参加するには自らグループを立ち上げるか、主催者にエントリーの旨を伝えてどこかの既存のグループと合流して参加することになります。
地域支援イベントでは、地元にさまざまな理解や協力を求めるにも関わらず、実際にはあまり地域の収益につながらない、ということがよくあります。しかし、参加者が趣旨を理解し、地域経験を回すことで街もイベントも盛り上げていく石巻ミッションは、規模は小さくても復興や地域振興の力になっていることでしょう。8回、9回……と続き、さらに石巻を盛り上げていくことを期待せずにはいられません。
(取材・文・写真:きもだこよし 編集:木谷宗義+ノオト)
<関連リンク>
みちのく復興支援パートナーズ
https://www.facebook.com/みちのく復興支援パートナーズ-MFP-563098740528863
木の屋石巻水産
https://www.kinoya.co.jp/
[ガズー編集部]
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