シビック タイプRにシボレーのトラックも! サーキットで働くクルマたち<ツインリンクもてぎ編>
サーキットに赴いてレース観戦をする人や、走行会などで実際にサーキットを走行する人なら、サーキットのオフィシャル車両であるコースカーを目にしたことがあるでしょう。しかし、興味はあっても、じっくりと見る機会はあまりないものです。
車種やカラーリング、描かれている呼称もサーキットによりさまざま。ここでは各コースで働くクルマを、すでに引退したクルマを含めて紹介。「どうしてその車種を選んだのか?」といった気になる疑問をコースの関係者に聞いてみました。今回は、「ツインリンクもてぎ編」です。
※サーキットにより呼称は異なりますが、ここでは「コースカー」と総称します。
ツインリンクもてぎのレースコントロールカーは、やっぱりホンダ車
今回、説明してくれたのは、ツインリンクもてぎを運営する株式会社モビリティランド 広報宣伝催事課チーフの上野一郎さんです。まず現在、使用されている代表的なコースカーをご紹介します。
■レースコントロールカー
「レースコントロールカー」は、レースなどのイベント時に先導車として活躍する車両です。車種はシビック タイプR(FK2型)を使用しています。
特別なカラーリングは施されておらず、控えめに協賛社ステッカーが貼られているだけの、極めてシンプルな装い。これは「RACE CONTROLの文字を読みやすくするため」だそう。
リアウィングやエアロは、ホンダ車のアフターパーツを開発、販売する「無限」製を使用。回転灯をのぞき、すべて一般でも購入できるので、レースコントロールカーと同じ仕様を作ることも可能だそうです。
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- 運転席回りで特別な装備は、無線関係と回転灯の操作スイッチのみ
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- 助手席には牽引用のロープと小型の消火器が積まれていた
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- 後部の内装は剥がされ、消火器が積まれている。この消火器は液化炭酸ガスが封入されたもので、使用後、消火剤による二次被害が発生しない
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- ツインリンクもてぎのオフィシャルは、青を基調としたレーシングピットスーツを着用する
現在のシビック タイプRは2年前に導入されたそう。ツインリンクもてぎは1997年にオープンし、最初のレースコントロールカーには、インテグラ タイプR(DC2型)を使用。続いてインテグラ タイプR(DC5型)、次にシビックタイプR(FD2型)を使用しました。入れ替えのサイクルは3~5年とのことです。
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- 手前のクルマが二台目に使用されたインテグラ タイプR(DC5)、奥がその次のシビック タイプR(FD2)。大きくホンダのロゴが描かれ、今のレースコントロールカーよりもシンプルな装い(画像:株式会社モビリティランド)
定期的に入れ替えが行われるのは、観客からの注目度が高いレースコントロールカーのみ。ほかのコースカーは実用に耐えられる限り使用されるとのことです。
車種の選定は「そのとき、販売されているホンダ車の中で一番、レースコントロールカーに適した車種」が選ばれるそう。
■サービスカー
アクシデントによりコース上にオイルがまかれた際、現場のオイルが広がらないよう処理を行うのが、サービスカーです。車種は、シボレー S-10。
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- 荷台にはオイル処理用の石灰が積まれている
コース上のオイルをシボレーが処理した後、散水車による清掃が行われます。レース終了後、コースをキレイにするためにも使用されます。
また、ツインリンクもてぎには、タイヤの代わりにクローラーを装着したこんなコースカーも。
これは、スピードを出しすぎてコーナーを飛び出し、グラベル(砂地)で身動きの取れなくなったクルマを救出するためのクルマ。ゴムクローラーを使用できるよう、改造されたダットサンを使用しています。ちなみに、戦車のようにクローラーの回転差で旋回するのではなく、通常のクルマと同様に前輪が操舵して旋回します。
コース内にて、自力で走行できなくなったクルマを救出するレッカー車も、もちろん使用されています。
こちらのフリードスパイクは、車両火災が発生した際に駆け付けるファイヤーテンダーカー。「FIRE TENDER」は消防隊を意味しています。車内には消火器をはじめ、消火活動用の装備が積まれています。
「RESCUE」と書かれたステップワゴンは、レース中のアクシデントにより被害を受けたドライバーを救護するレスキューカーです。応急処置用の医療セットが積まれています。必要に応じてドライバーをコース外に待機する救急車に乗せ換え、病院へと運びます。
牽引用の装備を施した牽引車の姿も。自分で動けなくなったクルマだけでなく、画像のような積載車両なども牽引します。
■オフィシャルカー
オフィシャルカーは、サービスロードを使ってのスタッフ移動のほか、コース上の確認など多目的に使用されるクルマです。
写真は旧型インサイトですが、ツインリンクもてぎ内には、他にも異なるカラーリングの施されたコースカーが多数あります。注意して探せば、いろいろな場所で目にすることができますよ。
レースの主役はもちろんレーシングカーですが、レースを安全に運営するためには、こうしたたくさんのコースカーがあってこそ。サーキットに行った際は、ぜひこうしたコースカーにも注目してみてくださいね。
(取材・文・写真:糸井賢一 編集:木谷宗義+ノオト)
<関連リンク>
ツインリンクもてぎ
https://www.twinring.jp/
[ガズー編集部]
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