知っておきたい! 近づいてくる救急車のよけ方

みなさんは、救急車のお世話になったことがありますか? 2019年は日本全体で663万9,751件の出動があり、日本に住んでいる人のうち、21人に1人が救急隊によって搬送された計算になるのだそうです。

救急車は、急な病気やけがで一刻も早く病院へ行く必要があるときに利用する緊急車両。総務省消防庁の「消防白書」によると、全国の救急車の救急出動件数は増加傾向が続いていて、10年前と比較して約29.6%増加しています。

いずれにせよ、救急車は一刻も早く病院へ向かうことが求められていますよね。

しかしときどき、救急車がスムーズに道を走れていないシーンを見かけませんか? 特にクルマが多い都市部では、救急車にしっかりと道を譲れていないことが多い印象を受けます。そこで、クルマを運転中に救急車が近づいてきたらどうすればよいのか、遭遇する確率も高くなっている状況ですので、もう一度考えてみましょう。

1.道路交通法を確認

道路交通法では、次のように定められています。

(緊急自動車の優先)

第四十条 交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。

2 前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。

(2020年12月1日 原文ママ)

2.道路交通法での義務

前述の道路交通法より、義務付けられていることを確認しましょう。

交差点又はその附近において、交差点を避けて一時停止しなければならない。
それ以外の場所においては、道路の左側に寄って進路を譲らなければならない。

3.筆者がおすすめする救急車のよけ方

それでは、道路交通法の義務が確認できたところで、スムーズに緊急車両を避けるための、筆者がおすすめしたい方法を具体的にご紹介します。

・左に寄せることが基本

緊急車両に道を譲る基本は「左に寄せる」こと。「道路の左側に寄って、緊急車両に道の中央を通らせる」と覚えておきましょう。しかし、一方通行の道路で左側に寄ることが緊急車両の通行を妨げる場合は、道路の右側に寄って進路を譲ります。
救急車に道を譲るためにクルマを左に寄せるときは、突然急ブレーキをかけると、後続車に追突される危険がありますので、必ずルームミラーで後方の様子を確認し停車しましょう。

・前方から救急車が近づいてきた場合は?

前方から救急車が近づいてきた場合、道の広さによって対応が異なります。片側が2車線以上あるなど道が広い場合は、基本的に反対車線を走ってくる救急車を見つけても通常通りに走れば大丈夫です。
ただし、反対車線が渋滞しているときは話が別です。道路交通法第三十九条(緊急自動車の通行区分等)で追越しをするため、やむを得ない必要があるときは、道路の右側にはみ出して通行することができると定められていますのでセンターラインを越え、反対車線を使って前へ進む可能性もあります。その際はきちんと左側に寄って道を譲りましょう。

・後方から救急車が近づいてきた場合は?

後方から救急車が走ってきたら、もっともスムーズに救急車を先に行かせることが大切です。市街地で後方から走ってくる救急車を発見したら、必ずクルマを左に寄せて速度を落とし、救急車に進路を譲ります。
しかし渋滞時は、走行車線も追越し車線でもクルマがたくさん走っているので、多くのドライバーは左車線を走っているクルマは左に寄せ、右車線を走っているクルマは右に寄せ、緊急車両が車線と車線の中央を走れるように工夫をしています。

高速道路であれば、クルマが流れていれば右側車線を譲ります。渋滞している場合は、やむを得ず緊急車両が路肩を走行する場合もあります。
緊急車両の妨げにならないよう周りの状況を見て協力しましょう。

・交差点付近はどうするか?

もっとも悩むのは、交差点付近かもしれません。
青信号で交差点に進入しようとしている場合、まだスピードが出ていれば、交差点を渡り切ってから一時停止しましょう。交差点進入前に一時停止できるスピードなら左に寄せ一時停止します。
また、状況によっては信号待ち中に救急車に追い付かれたときに、少し前へ出れば(交差点内に入れば)救急車が進めるように道を開けられるかもしれません。ときには救急車から「少し前へ進んでください」という指示があるかもしれません、そんなときはしっかり安全を確認しながら協力しましょう。
救急車を先に行かせるためであれば、交差点内へ入っても違反にはなりません。これは左に寄せる際も同様で、緊急車両に道を譲るためなら「はみだし禁止」の黄色い線をまたいでも違反ではないのです。(道路交通法 第二十六条の二)

・もちろん、歩行中だって緊急車両が最優先

悲しいことですが、昨今では緊急車両が近づいているのにもかかわらず、気にせず横断歩道を渡る歩行者を時々見かけます。しかし、緊急車両がいる場合は歩行者よりも緊急車両優先ですので、歩行者も道を譲らなければいけません。
(道路交通法第四十一条 緊急自動車等の特例)

横断歩道を歩行中は「みんなが立ち止まらないから」ではなく、自分から率先して止まりましょう。また、知り合いが緊急車両の前を横切るようなことがあったら、歩行者よりも緊急車両が優先されることを教えてあげてください。

救急車を避けるにあたって難しいのは、その状況に応じてとるべき行動が変わってくること。交差点または交差点付近においては一時停止、それ以外では左に寄せる(前述の場合によっては右側)と覚えておきましょう。

今回は救急車をサンプルとしましたが、もちろんこれはパトカーや消防車にも該当します。さらにいえば、ガス会社のクルマや血液輸送車などライトを点滅させながらサイレンを鳴らして走るすべての緊急車両にいえることです。それらのクルマに道を譲ることはドライバーの義務なのです。

自動車先進国と言われるアメリカで緊急車両が走る様子に遭遇すると、多くの日本人は驚くかもしれません。周囲のクルマはサッと停車し、まるで静まり返ったかのようにピタッと道路上の動きがなくなり、そこをかなりの勢いで緊急車両が走り抜けていきます。
それに比べると、日本はどうでしょうか。ときには救急車に進路を譲らないクルマを見かけることもあります。多分、サイレンの音は聞こえていると思います。

「救急車には、病院へ急ぐ人が乗っている。その人は、もしかしたら自分にとって大切な人かもしれない」

そんな気持ちを持てば、誰もが救急車にきちんと道を譲る気持ちになれるかもしれませんね。

<参照>
道路交通法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=335AC0000000105

[ガズー編集部]

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