有名ミニカーメーカー「MINICHAMPS」本社博物館を訪問!

クルマ趣味の1ジャンル「ミニカー」。小さなトミカから職人が仕上げるハンドメイド品まで、ひと口にミニカーと言っても多種多様です。もちろん、ミニカーを生産するメーカーも、世界各地にあります。人気メーカーが多いのは香港、イタリア、フランス、そしてドイツです。

今回、特に日本でも人気のあるドイツの大手ミニカーメーカー「MINICHAMPS(ミニチャンプス)」本社に隣接している博物館を訪問しました。

写真奥のガラス張りの建物と、さらに奥の1、2階の一部が博物館。入場料は5ユーロ(16歳以下は3ユーロ)
写真奥のガラス張りの建物と、さらに奥の1、2階の一部が博物館。入場料は5ユーロ(16歳以下は3ユーロ)

MINICHAMPSは、1991年にポール・G・ラングが前年に立ち上げたPaul`s Model Art GmbHのメインブランドとして誕生したミニカーメーカーで、1996年に社名がMINICHAMPS GmbH&Co.KGとなりました。拠点は、世界遺産「ケルン大聖堂」のあるケルンから西に1時間、オランダ・ベルギー国境沿いのアーヘンという街にあります。

ガラス張りの建物の入り口には、博物館のマスコットともいえるフィアット500の実車が展示。博物館のお土産として1/64のミニカーも販売されている
ガラス張りの建物の入り口には、博物館のマスコットともいえるフィアット500の実車が展示。博物館のお土産として1/64のミニカーも販売されている
外光が差込み、明るい館内。ディスプレイの仕方もカッコいい!
外光が差込み、明るい館内。ディスプレイの仕方もカッコいい!

まずはビッグスケールのミニカーがお出迎え!

MINICHAMPSの博物館は、毎月第1金曜日の午前11時から午後3時だけという限られた時間のみオープン。それ以外の日時に訪問したいときやグループでの訪れる時は、MINICHAMPS社に直接メールで問い合わせて欲しいとのことです。今回も、取材したい旨を事前に連絡したところ、快く承諾してくれました。

博物館に入ると、1/18より大きいビッグスケールのモデルが出迎えてくれます。過去のMINICHAMPS製品のすべてが展示されているのではなく、限定品や記念品を中心にディスプレイされています。

1/5スケールのザウバー・メルセデスC9。プロモーション用の非売品
1/5スケールのザウバー・メルセデスC9。プロモーション用の非売品
ザウバーの後ろには1/18スケールのレーシングカーが整然と並べられている
ザウバーの後ろには1/18スケールのレーシングカーが整然と並べられている
博物館では、その時によってイベント・ディーラー特注モデルが販売されている。訪問時は、マクラーレンのスーパーカー675LT(オレンジとプロトタイプカモフラージュ仕様)とポルシェ911GT3が販売されていた。それぞれ75ユーロ。
博物館では、その時によってイベント・ディーラー特注モデルが販売されている。訪問時は、マクラーレンのスーパーカー675LT(オレンジとプロトタイプカモフラージュ仕様)とポルシェ911GT3が販売されていた。それぞれ75ユーロ。
MINICHAMPSの歴史や様々なモデルをまとめたオフィシャルブックが販売されている。日本では入手できない
MINICHAMPSの歴史や様々なモデルをまとめたオフィシャルブックが販売されている。日本では入手できない
クルマをカンバスに芸術家がさまざまなデザインを施したBMWアートカーの1/18ミニカー。全モデルを見られるのはここだけだと言う
クルマをカンバスに芸術家がさまざまなデザインを施したBMWアートカーの1/18ミニカー。全モデルを見られるのはここだけだと言う
フランクフルトモーターショーを記念して限定発売されたミニカーたち。MINICHAMPSのロゴが入っている
フランクフルトモーターショーを記念して限定発売されたミニカーたち。MINICHAMPSのロゴが入っている
日本のミニカー雑誌『ミニカーファン』特注販売の「トヨタ TS020コンセプト by GRAN TURISMO」もあった
日本のミニカー雑誌『ミニカーファン』特注販売の「トヨタ TS020コンセプト by GRAN TURISMO」もあった

MINICHAMPSの強み、自動車メーカーの特注モデル

MINICHAMPS、ほかのミニカーメーカーにはない強みとして、自動車メーカーからの特注品を数多く生産していることが挙げられます。特注品というのは、通常のラインナップにはないカラーリングやグレード、特別なパッケージデザインなどで構成されるものです。

BMWの特注品は、写真中央(M3GT2)のようなパッケージ(そのままミニカーを閉れる)や台座の形状が特殊。
BMWの特注品は、写真中央(M3GT2)のようなパッケージ(そのままミニカーを閉れる)や台座の形状が特殊。
このディスプレイ中のミニカーはすべてポルシェ!通常モデルからディーラー特注品、イベント特注品(特別カラーリング)が置かれていた
このディスプレイ中のミニカーはすべてポルシェ!通常モデルからディーラー特注品、イベント特注品(特別カラーリング)が置かれていた

レーシングカーやハイスペックモデルだけではなく、ベーシックモデルもミニカー化していることで自動車メーカーからの厚い信頼を得ているのが、特注品を手がけられている理由。主に特注品をオーダーするのはポルシェやBMWで、販売数も少なく価格もやや高めですが、人気車種だとあっという間に完売してしまうそうです。

ミニカーができていく過程がわかる!

博物館内には、1台のミニカーができていく過程も展示されています。ミニカー化するためには、対象となるクルマをさまざまな角度から撮影し、細部に至るまでの細かな寸法出しなどをしていき、モックアップを制作。社内の承認を経て大量生産するための金型の製作に移り、何度かの試作を行ったのち、完成します。博物館には、なかなか見られない試作品も展示されていました。

フェラーリのF1マシン「412 T2」の製作過程。まずは図面が作られる
フェラーリのF1マシン「412 T2」の製作過程。まずは図面が作られる
試作品にあたるモックアップ
試作品にあたるモックアップ
大量生産のためのパーツの作りなどが検討される
大量生産のためのパーツの作りなどが検討される
さまざまな過程を経て製品化されることがわかる展示だ
さまざまな過程を経て製品化されることがわかる展示だ
こちらはブガッティ・ヴェイロンのファーストツールサンプル(ミニカーの初期試作品)。ここでしか見られない貴重な品
こちらはブガッティ・ヴェイロンのファーストツールサンプル(ミニカーの初期試作品)。ここでしか見られない貴重な品

MINICHAMPSは、これからもコレクターはもちろん、今までミニカーに興味を持っていなかった人の興味も惹くような製品を開発していくとのことです。MINICHAMPの製品は、日本でも数多く販売されているので、ぜひ注目してみてくださいね。そして、もしドイツを訪れることがあったら、博物館を覗いてみてください。ミニカーに対する見方が、きっと変わりますよ!

(取材・文・写真:クリハラジュン 取材協力:MINICHAMPS GmbH & Co.KG 編集:木谷宗義+ノオト)

<関連リンク>
MINICHAMPS-MUSEUM
https://www.minichamps.de/museum/

[ガズー編集部]

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