希望ナンバー制もあのクルマも、もう二十歳!? 2019年に20周年を迎える国産車たち
今から20年前となる1999年。この年は、携帯電話の番号が1桁増えて11桁になったり、西武ライオンズ(当時)の大物ルーキー松坂大輔投手がデビューしたり、キアヌ・リーヴス主演の映画『マトリックス』が公開となった年でした。
自動車関連で言うと、ナンバープレートの分類番号が3桁となり、希望番号制度がスタートしたのもこの年でしたね。そんな1999年にデビューしたクルマたちを振り返ってみましょう。
トヨタ ヴィッツ/プラッツ/ファンカーゴ
2020年に予定されているフルモデルチェンジで、世界統一の「ヤリス」という名前になることがアナウンスされているヴィッツ。それまでトヨタのコンパクトハッチバックを担ってきたスターレットからバトンを受けて登場したのが1999年1月のことでした。
ヴィッツは日本だけでなく、北米や欧州でも販売することを念頭において開発された車種であり、世界に通用するコンパクトカーのベンチマークの創造がテーマとなっていました。その結果、日本でのカーオブザイヤー受賞だけでなく、欧州のカーオブザイヤーを受賞するなど高い評価を受けるモデルに仕上がっていったのです。
また、ヴィッツをベースとしたコンパクトセダンのプラッツや、トールワゴンのファンカーゴも同年に登場し、ヴィッツファミリーは幅広い層に受け入れられる結果となりました。さらに後年ではスポーツグレードのRSの追加や、ヴィッツのワンメイクレースの実施など、ただのコンパクトカーにとどまらず多方面で活躍を見せてくれたのです。
トヨタ MR-S
日本初の量販ミッドシップ車としてコアな人気を集めていたMR2。2代目モデルのターボ車は最終的に2リッターながら245PSを発生するまでに進化を見せていました。そのMR2の後継車種として1999年10月に登場したMR-Sは、オープンボディに1.8リッターのNAエンジンを搭載したライトウェイトスポーツへと姿を変えていたのです。
搭載される1.8リッターエンジンは同時期のビスタなどにも採用されていた実用的なものでしたが、1トンを切る軽量ボディとミッドシップレイアウトが相まって痛快なハンドリングを実現。先代までのパワー競争を反面教師に純粋に走る楽しさを追求したモデルに仕上がっており、現在でも根強い人気を保ち続けています。
2000年8月のマイナーチェンジでは、国産量産車初となる2ペダルMTとなる電子制御シーケンシャルMTを追加。AT限定免許のユーザーでも積極的に変速を楽しめる仕様となっていました。
なお、MR-Sは2007年を持って販売を終了していますが、現段階ではトヨタブランドが販売した最後の量販オープンモデルとなっています。
ホンダ S2000
本田技研工業創立50周年記念として1998年に発表され、1999年4月に発売されたS2000は、実に29年ぶりに販売されたホンダのFR車でした。当時のホンダの技術の粋を結集して生まれたS2000は、名前の通り2000ccのNAエンジンを搭載していましたが、なんとNAエンジンにも関わらず最高出力は250PS、許容回転数は9000rpmという市販車とは思えないスペックを誇っています。
また、オープンボディながら「ハイXボーンフレーム構造」と呼ばれるボディを採用。これはボディ前後に伸びるストレートなサイドメンバーと強固な構造体となるフロアトンネルを結合したもので、さらにフロントピラーは二重構造とすることでクローズドボディ並みの高い剛性を実現していました。
2005年のマイナーチェンジでは、乗りやすさを重視して2.2リッターエンジンへと換装がなされました。それでもなおピュアスポーツであることには変わりなく、現在では新車時の価格を超えるプライスが付けられた中古車もあるほどです。
ホンダ インサイト
昨年、およそ4年半ぶりに復活した3代目となるインサイト。現行モデルではミドルサイズのセダンとなったインサイトですが、1999年11月に発売がスタートした初代モデルは今とは全く異なる3ドアハッチバックタイプのボディを持っていました。空気抵抗を考慮したデザインは徹底しており、リアのホイールハウスにはリアホイールスパッツと呼ばれるカバーがされるほどだったのです。
また軽量化にも力を入れており、基本の骨格となるフレーム部分にはNSX同様押し出し材主体のアルミフレームを採用。ルーフやボンネット、ドアにもアルミパネルが採用されたほか、フェンダーなど剛性に関わらない部分はより軽量な樹脂材を使用し、重量のかさむハイブリッドシステムを搭載しながら800kg台前半という車重を実現していました。
その結果、カタログ燃費は10・15モードで当時の世界最高値となる35km/Lを実現。往年のホンダの名車、CR-Xを思わせるスポーティな外観や5速MTが用意されるなど、ライバルのプリウスにはない魅力を持ち合わせていたものの、2シーターという点も災いし、販売面では苦戦を強いられる結果となりました。
今回ご紹介した車種を見るとまだまだ最近のモデルのような気もしますが、実はすでに20年が経過したモデルだということに少々衝撃を覚えた筆者。皆さんはどうお感じになったでしょうか? 新世代のコンパクトカーにオープンスポーツ、ハイブリッドとバラエティ豊かな車種が登場した年だったというのは少し意外だったかもしれませんね。
(文:小鮒康一 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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