年間走行2,300万km!高速道路を走る「黄色いパトロールカー」の役目とは?

パトロールカーと聞くと、白と黒の警察車両を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、高速道路には別の機関のパトロールカーも走っています。高速道路を走っていると、たまに見かける黄色いクルマがそうです。

この黄色いパトロールカーを運用しているのは、高速道路の管理を担当する高速道路会社。では、具体的にはどのような役割を持つクルマなのでしょうか? NEXCO東日本の広報担当者に聞きました。

正式名称は「道路巡回車」

黄色いパトロールカーの正式名称は「道路巡回車」と言い、車両はトヨタ「ランドクルーザープラド」や日産「エクストレイル」などSUVを使用することが多いそう。表示装置や回転灯をルーフ上に載せているため、遠くからもパトロールカーだとわかるのが特徴です。

高速道路を管理する業務はとてもハード

道路巡回車に乗るのは、交通管理隊と呼ばれる人たち。彼らの主な任務は、高速道路を定期巡回すること。もちろん24時間体制で、日勤・夜勤の交代制で業務を行います。具体的には、落下物や障害物の回収、交通事故現場へ急行して二次的な事故を防ぐことなどです。

なお、道路巡回車の年間走行距離は、全体で約2,300万km(2018年実績_NEXCO東日本管内)にもなるそうで、巡回中に車両トラブルが生じないように、日々の点検が重要になっています。

高速道路上のさまざまなトラブルに対応するため、道路巡回車に積み込まれている道具は多岐にわたります。交通規制の際に活躍する警告旗、発炎筒、パイロン、落下物を除去するホウキ、スコップ、火災に対応するための消火器……、その他にも緊急時のアナウンスのための拡声装置や、一部の車両にはトンネル火災などでも行動できる酸素呼吸器などを搭載しています。

違反車を取り締まる部隊もいる!?

あまり知られていませんが、高速道路では、車両制限令違反車両を取り締まる業務も行っています。取り締まりを行うのは車限隊と呼ばれる人たち。車両制限令に定める重量・寸法を超える車両や、長さ5,000m以上の長大トンネルにおける危険物積載車両の通行禁止・制限などを行うのが彼らの業務。

重量超過車両の取り締まりは、安全面以外にも道路保全の面からも重要なため、主にインターチェンジや料金所などで、取り締まりを実施しています。

道路巡回車とそれに乗る交通管理隊、そして違反車両を取り締まる車限隊は、高速道路の安全を守る守護神といってもいいかもしれませんね。

(取材・文・写真:斎藤雅道 編集:木谷宗義+ノオト)

<関連リンク>
NEXCO 東日本
https://www.e-nexco.co.jp/

[ガズー編集部]

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