「偏光サングラス」はなぜ運転に適しているの? その仕組みと効果

運転用のサングラスとして、「ドライビンググラス」が販売されています。いわゆる「偏光サングラス」ですが、なぜ運転に適しているのでしょうか? 普通のサングラスと何が違うの? その疑問を偏光レンズの専門メーカーである、株式会社タレックスの松村さんに聞いてみました。

不快な光をカットするから見やすくなる

―そもそも普通のサングラスと偏光サングラスの違いはなんでしょうか?

通常のサングラスレンズは、レンズに染色をすることによって、目に入る光(明るさ)と紫外線を抑えています。それに対して偏光サングラスに使われるレンズ(偏光レンズ)は、路面やガラスに反射した光など、ストレスホルモンを上昇させる光をカットします。なお、弊社では、こうした光を「雑光」と呼んでいます。

―なぜ、偏光サングラスが運転に適しているのでしょうか?

先ほど「ストレスホルモンを上昇させる光をカットする」と言いましたが、アスファルトの照り返しや反射による写り込みもカットします。

一番わかりやすい例が、フロントガラスの写り込みです。運転中、フロントガラスにダッシュボードが写り込んでしまい、不快に感じることがあるかと思いますが、偏光サングラスをかけると、この写り込みが消えます。偏光サングラス通して見ると、必要な情報だけが視界に入ってくるので、疲れにくく、より運転に集中しやすくなるのです。

―サングラスには様々な色がありますが、色によって効果に違いはありますか?

弊社で「トゥルービュー」と呼んでいるグレーのカラーをおすすめしています。基本的にこのカラーは、どのようなシチュエーションでも快適に使用できます。

雨天時や曇天時の使用を考えられている方には、黄緑色のレンズがオススメです。眩しさを抑えながらも明るく見えるので、路面の水滴の反射といった光が抑えられ、必要な視覚情報を得ることができます。

また、高速道路をよく走る人には、ブラウンなどの暖色系のレンズをおすすめしています。白線などが、くっきり見えるカラーです。

―ちなみに偏光レンズはいつごろ誕生したのですか?

インスタントカメラを開発したアメリカにあるポラロイド社の創業者、エドウィン・ハーバート・ランド氏によって1930年に作られました。この偏光レンズの技術が1930年代後半ごろにアメリカ空軍に採用され始め、上空から潜水艇を発見するのに活用されたと言われています。

偏光サングラスでもっとドライブを快適に!

サングラスをかけて運転をすると「カッコをつけている」と思われてしまうかもしれませんが、一度偏光サングラスを使ってみると、眩しさが軽減されるのはもちろん、余計な反射が視界に入ってこなくなって運転が楽になり、手放せなくなります。運転時の眩しさが気になる方や、運転で目が疲れやすいと感じている方は、試してみてはいかがでしょうか?

(取材・文:西川昇吾 写真:株式会社タレックス 編集:木谷宗義+ノオト)

<関連リンク>
株式会社タレックス
https://talex.co.jp/

[ガズー編集部]

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