クルマに関する夏の悩み。車体にこびりつく虫汚れはどう落とす?どう防ぐ?
公開2020.06.27 更新2021.05.09
気温が高くなってくると、そして特に夏のカーライフの悩みとなるのがクルマにこびりつく虫汚れです。今年はコロナ禍で遠出はでいなかったかもしれませんが・・・ニュース等を見る限り、高速道路の交通量は意外に多いそうです。そうすると長距離走るなど、遠くへ出かけた後に、フロントバンパーなどにびっしりと虫がついて驚いた人もいるのではないでしょうか。実は、虫汚れはできるだけ早く落とさないといけません。
理由はふたつ。ひとつは塗装へのダメージを減らすため。虫の死骸はほとんどが酸性となり、塗装に浸み込んでシミ痕を作るなど痛めてしまうこともあります。だから塗装への被害がない、もしくはできるだけ少ないうちに除去しておきたいのです。
もうひとつは、虫汚れは時間が経てば経つほど落としにくくなること。付着して太陽に照らされると乾燥し、固くこびりついてしまいます。すると落とす際に手間がかかるだけでなく、力を入れて擦ることで塗装の表面に細かい傷をつける原因に。だから、虫汚れはできるだけ早く落としたほうがいいのです。
気軽に虫汚れを落とす方法は、ウェットシートとスプレー
虫汚れをもっとも手軽に除去する方法は、濡らしたティッシュなどで拭うこと。力を入れず、サッと拭き取りましょう。カー用品店に行くと、虫取り用の使い捨てウェットシートが売られています。それを車内に常備しておくのもいいですね。
また、スプレー式の虫取りクリーナーをシュッと拭いて、ふやかせてからティッシュやウエスなどで拭きとるのも手軽な方法。ただし、虫汚れは落としにくい汚れということもあり、クリーナーには強めの薬剤が含まれている場合があります。コーティング施工車などの場合はコーティングを傷めないように、「コーティング対応」を謳っているクリーナーを選ぶと安心ですよ。
可能ならば、虫汚れが付いたときはできるだけ早く洗車したいところ。しかし、固着した虫汚れは普通に洗車するだけでは落ちないこともあります。そこで行っておくと “後が楽になるひと手間”が、洗う前(洗車機にかける前)にあらかじめ虫取りクリーナーをスプレーしておくこと。洗車前にふやかすことで、虫汚れを落ちやすくするテクニックです。
もし虫汚れが付着して時間が経ってしまったときは、雨が降った直後に洗車するのも手。乾いて固着した虫汚れを雨水がふやかしてくれることで落ちやすくなります。
虫汚れを付けない秘訣はスピードを出し過ぎないこと!?
ところで、そんな厄介な虫汚れを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。
予防対策のひとつは、スピードを出し過ぎないこと。もちろん、法定速度(高速道路は最低速度も)を守ることは前提です。虫汚れは、一般道よりも高速道路を走った後の方がたくさん付きますよね。その理由はスピードを上げると空気の流れが早くなり、車体前面に虫が勢いよく当たってしまうからです。
とはいえ、ある程度のスピードを出さないと交通の流れを乱すことになって逆に危険です。そこで無理なくできるちょっとしたワザが、できるだけ車列の先頭を走らないこと。車列の先頭は空気をダイレクトに車体前面へ受けるので、そのぶん虫もたくさん当たって虫汚れの原因になります(虫汚れとは関係ありませんが車列の先頭は空気抵抗が増えて燃費も悪化します)。
前を走るクルマがいれば、そのクルマが風よけとなって後続車に虫が当たるのを防いでくれるというわけです。ただし十分な車間距離をとらないと危険なので、注意しましょう。もし追従式のクルーズコントロール(前を走るクルマを一定の車間距離を開けて速度を自動調整する仕掛けで「ACC」と呼ばれる)を装備した車両であれば、それを活用することで安全な車間をキープしつつ前のクルマの後ろを走れて虫汚れを防ぐことができます。
- 郊外を走る高速道路ほど虫汚れが付きやすい
また、夜の走行は特に注意。夜になると動きが活発になる虫も多く、さらに虫はヘッドライトの光に向かってくるとも言われていて、昼間よりも虫汚れが付いやすい環境です。逆に雨の日は虫が飛んでいないので、虫汚れはほとんどつきません。走行はできるだけ夜を避けて雨の日を狙えば虫汚れを減らせます……が、そこまで徹底するのは現実的ではないでしょう。
虫汚れを防ぐ事前の対策としては、コーティング剤を使うこと。ボディーをコーティングしておくと虫汚れが付きにくく落としやすい傾向にあります。虫汚れの“傾向と対策”を知ることで、虫汚れに悩まされない夏を目指しましょう!
(文・写真:工藤貴宏 編集:奥村みよ+ノオト)
[ガズー編集部]
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