「RS」の2文字には特別な意味がある。クルマ好きを熱狂させるRSの世界(海外モデル編)
クルマのモデル名として特別な意味を持つ「RS」。先日公開した「国産車編」に続き、今回は「海外モデル編」としてクルマ好きを魅了する日本国外の「RS」を紹介しましょう。たくさんの「RS」の中から、憧れのクルマを中心に選んでみました。
「RS」と名がつく海外の車両で、もっとも知名度が高いのはポルシェ「911」シリーズの「RS」かもしれません。初めて登場したのは1973年の「911カレラRS 2.7」。911をベースとした競技に出場するためのスペシャルモデルとして開発され、装備の簡略などで車体を軽量化したほか、ベースとした「911S 2.4」に対してエンジンの排気量を大きくして、30psのパワーアップを実施。究極のスポーツモデルとなっていました。
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1973年にデビューした「911カレラRS2.7」(写真:ポルシェ)
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サーキットが本拠地と言える991型の「911GT3 RS」(写真:ポルシェ)
「RS」として超高性能ワゴンも展開するアウディ
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実用的なボディを中心に揃えるアウディの「RSシリーズ」(写真:アウディ)
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最新の「RS4 アバント」(写真:アウディ)
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アウディのRSシリーズのルーツとなる「RS2」(写真:アウディ)
ルノーにはニュルでFF市販車最速を誇る「R.S.」がある
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鈴鹿サーキットでタイムアタック中の「メガーヌR.S. トロフィーR」 (写真:ルノー)
その代表作である「メガーヌR.S.」は、ドイツにある過酷なサーキットとして知られる「ニュルブルクリンク」の北コースで、ホンダ「シビック タイプR」と量産FF車最速タイムを競って火花を散らしあっていることでも知られています(2020年11月現在はルノーが勝ち越している状態で「メガーヌR.S.トロフィーR」が量産FF車最速のタイトルを誇る)。ちなみに、ルノーの「R.S.」の意味は、「ルノー・スポール」の略です。
フォードも頂点に「RS」をラインナップする
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「エスコートRS」の初代モデル(写真:フォードモーター)
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日本のレースでも大暴れした「シエラRSコスワース」(写真:フォードモーター)
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小さなボディに高出力エンジンと4WDを組み合わせた「エスコートRSコスワース」(写真:フォードモーター)
1993年に登場した「エスコートRSコスワース」はWRC(世界ラリー選手権)で大活躍し、タミヤ模型のラジコンとして発売されるほど、日本でも人気となりました。
フォードはその後も「フォーカスRS」など、“普通のハッチバック”をベースに高出力エンジンを積んだ「RS」を展開。いずれもサーキットも走れる市販車として高い走行性能を誇るほか、ラリーをはじめとするモータースポーツ参戦車両としてもメジャーな存在です。
フォードと言えば、多くの人は「アメリカの自動車メーカー」をイメージすることでしょう。しかし、ここで紹介した「RS」は、すべて欧州拠点で欧州向けに開発された「欧州車」。「RS」という名称は欧州で好まれるようです。
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「ドリフトモード」も用意する最新の「フォーカスRS」(写真:フォードモーター)
欧州における「RS」を見ていると、共通するのはいずれも超高性能エンジンを積んだ超ハイパフォーマンスのスペシャルなモデルだということ。欧州における「RS」という名称は競技と直結することが多く、日本車のそれよりもさらに高性能なイメージを持つと考えていいでしょう。
(文・写真:工藤貴宏/写真:ポルシェ、アウディ、ルノー、フォード/編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]