なぜミニカーは1/24、1/43、1/64とサイズが決まっているのか?
子どもが遊ぶおもちゃから、コレクター用のハイエンドモデルまで、ミニカーはクルマ好きでなくても手にする機会が多い製品です。そのミニカーですが、どのメーカーのものも大体決まったサイズなことに気づきませんか? 現在の広く流通するミニカーのスケールが確定したのにはどのような事情があるのでしょうか。実は他の模型と深い関係があるようです。
大衆車の登場と共にミニカーも流通が始まった!
まずミニカーの発祥についてですが、実は世界初の大衆車といわれたフォードT型の生産が開始され、人気になった頃には既にありました。確認される最古のミニカーといわれているのがTootsieToy(トットトイ)が1914年に発売したフォードT型のミニカーだそうです(諸説あり)。100年以上前というのは驚きですね。
その後、アメリカでヒットしたこのミニカーをきっかけに人気はヨーロッパへも波及し、1930年代に入るとスポーツカーや軍用車などさまざまなミニカーが誕生しました。日本では戦後の1955年から生産するようになり、現在では世界的に有名なメーカーもいくつか存在します。
鉄道模型のスケールを参考にした説が有力だが確定的ではない
世界的に定着しているミニカー縮尺は1/12、1/18、1/24、1/43、1/64などがあります。これらのスケールがいつ頃、どこで決まったかという質問を、プラモデルメーカーである青島文化教材社(アオシマ)の他、日本でミニカーを開発・販売している複数のメーカーに確認をとってみましたが、実はあまりよくわかっていないという答えが返ってきました。
ただ、現在ヨーロッパで定番の1/43スケールに関しては、1930年代に、OスケールやOゲージと呼ばれる鉄道模型の縮尺値が参考に使われたという話はあるようです。当時、鉄道模型はヨーロッパで定着しており、ミニカーもそれに準じたスケールになったという訳です。しかし、鉄道模型のOスケールというのは、ややこしいことに1/43(イギリス式)、1/45(ドイツ式)、1/48(アメリカ式)と3規格あるため、どういった経緯でイギリス式が採用されたかに関しては不明です。
船舶模型用の縮尺を採用したのはでないかという説もありますが、どのようなことがきっかけだったかはわからないようです。ただハッキリしているのは、現在ではこれらのスケールに縮尺されたものが、ミニカーとして世界中で定着しているということです。
現在、これらのスケールが定着したのは見栄えとコレクション性が高かったから?
世界で使われているスケールが定着した理由について、アオシマの広報担当者さんは次のように説明してくれました。
「まず、クルマを小さくした製品として鑑賞に耐えられるサイズであることが重要です。そして自然とコレクションしやすいと感じられるサイズであること。この2点で優れていたスケールが定着していったのではないかと思います」
見栄えと収納という2点がポイントだったのではないかということですね。
確かに、子ども向けおもちゃや大人のコレクションツールの両方で広く流通している1/64スケールは、おもちゃとしても収集するコレクターアイテムとしてもちょうどいい大きさです。また、1/24スケールはクルマのプラモデルも採用しているサイズ、1/43は鉄道模型が採用しているサイズということで、それらと一緒に飾るときなどにも利点があります。
ちなみに、クルマの縮尺としては日本発祥で世界的な基準になったスケールもあります。それが1/35スケールで、主に戦車や軍用車のプラモデルが採用している規格です。これは、1960年代にタミヤが提案したスケールで、ディスプレイする際、車両の他に兵士や火砲の見栄えもよくなるとして世界的な定番となりました。
という訳で、現在ではミニカーの大きさのルーツはよくわからないというのが結論ですが、コレクターアイテムということで、ディスプレイに向いているかどうかが重要なのは確かなようです。
<関連リンク>
株式会社 青島文化教材社
http://www.aoshima-bk.co.jp/
(取材・文・写真:斎藤雅道/編集:奥村みよ+ノオト)
[ガズー編集部]
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