高いクオリティとこだわりを持つ「シルバニアファミリー」のクルマたち。その理由は?
動物をモチーフとした可愛らしいキャラクターと、キャラクターで遊ぶ建物の玩具で有名な「シルバニアファミリー」。1985年に発売され、2015年には50もの国と地域で販売。老若男女を問わず世界中で愛されるエポック社の人気商品です。
「シルバニアファミリー」には多くのクルマがラインアップされており、世界観を広げるための立役者になっているそう。今回は株式会社エポック社「シルバニアファミリー事業部」の方に、クルマに込めたこだわりを伺いました。
「シルバニアファミリー」でのクルマの位置づけは?
「シルバニアファミリー」はウサギやネコをはじめとした、さまざまな動物をモチーフとしたキャラクターたちが暮らす世界の話で、その背景や世界観はしっかりと作られています。
『緑の山と深い森をいくつも越えたその先に、あたたかく幸せな世界が広がっています。そう、ここはシルバニア村。ここではいつも穏やかな時が流れています。春には花畑をちょうちょが舞い、秋には山や畑からたくさんの食べ物が収穫できるのです。もちろん、夏のピクニックや冬の雪遊びもみんなの楽しみ。村にはかわいいお家がいくつも建っていて、それぞれに仲の良い家族が暮らしているのです』
《森のおはなし「シルバニア村のたからもの」》冒頭より
時代とともにシルバニア村の様相も変化します。素朴で牧歌的な生活を送っていたキャラクターたちですが、今では多くの家で家電製品を活用。かつては街にしかなかったクルマも身近なものとなり、村の中の買い物や少し遠くへの旅行と、あらゆる場面で活躍しています。
クラシックカーから最新のワゴンまで。これまでに発売されたクルマたち
これまでに単独の製品として、13種類のクルマ(乗り物)が国内販売されています。
●シルバニアファミリー アーバンライフ お出かけ自動車(1988年)
※現在は購入できません
「シルバニアファミリー」の発売当初、作品中の世代背景は、現実世界の1900年代初頭相当と設定。シルバニア村は自然が豊かな郊外にあり、まだ村にクルマはありませんでした。
1987年より発売されたアーバンライフシリーズは、シルバニア村から離れた場所にあるおしゃれな街(ヨーロッパの街並みをイメージ)と、そこに住まうキャラクターを描いたもの。街を走るお出かけ自動車は、T型フォードを代表とする1900年代初頭のクルマを参考にデザインされたそうです。
●シルバニアドリーム号(1989年)
※現在は購入できません
シルバニア村でもアーバンライフの街でもない、架空の世界を描いた「妖精」シリーズ。シルバニアドリーム号は妖精シリーズに登場する架空の乗り物です。
●わくわくようちえんバス(2008年)
※現在は購入できません
「シルバニアファミリー」も発売から20年を経て、シルバニア村にも少しずつ変化が訪れます。商品のラインアップに家電製品が増え、シルバニア村にとって最初のクルマ「わくわくようちえんバス」が登場します。初代ようちえんバスの運転手はシルバニア村の仲間、シフォンイヌのお父さんが務めます。
●おでかけファミリーカー(2011年)
※現在は購入できません
自家用車の企画は、わくわくようちえんバスの企画段階ですでにあったそうです。まずは海外向けに製造され、先行販売を行い、わくわくようちえんバスの評価と海外での販売実績により、日本国内での発売が決まりました。
新しい仲間、チワワファミリーは赤いファミリーカー(おでかけファミリーカー)に乗ってシルバニア村へと引っ越してきます。引っ越し後、ファミリーカーはみんなで使えるよう村にプレゼントされました。
●アイスクリームワゴン(2011年)
※現在は購入できません
アイスクリームワゴンはシルバニア村の仲間、シルクネコのお母さんが店長を務めています。
●2階建てようちえんバス(2013年)
※現在は購入できません
二代目となるようちえんバス。運転手はシルバニア村の仲間、ハムスターのお父さんが務めます。
●みんなでドライブファミリーワゴン(2013年)
4,180円(税込)
シルバニア村の仲間、クマの村長が村のみんなのために取り寄せました。車内は広々としており、家族7人も楽々と乗れるワゴンです。
●できたてホットドッグワゴン(2015年)
※現在は購入できません
ホットドッグワゴンはシルバニア村の仲間、くるみリスのお父さんが店長を務めます。
●ふたりでおでかけオープンカー(2015年)
※現在は購入できません
実際に幌を開けたり、閉めたりして遊べるツーシーターオープンカーです。
●にじいろようちえんバス(2018年)
3,278円(税込)
赤ちゃんたちが12人も乗れる、2階建てのようちえんバス。シルバニア村の仲間、みるくウサギのお父さんが運転手を務めます。
●たのしくおでかけファミリーカー(2019年)
3,630円(税込)
5人乗れる、4ドアセダンのファミリーカー。天井のルーフが開け閉めできます。付属のベビーカーはチャイルドシートとして後部座席に取り付けられ、残ったベビーカー本体はトランクに収納できる機能的な一台。
●みんなでおとまりキャンピングカー(2019年)
5,500円(税込)
シルバニア村の仲間、クマの村長がみんなのために取り寄せた7人乗りのキャンピングカーです。シートの背もたれを倒すとベッドになり、みんなで寝泊まりができます。
マウンテンバイクをはじめ、さまざまなアウトドア用品やキャンプ用品が付属します。
●いっぱい乗れるよ!ピクニックワゴン(2020年)
4,180円(税込)
最大で8人も乗れる、キャリア付きの大きなワゴン。リアゲートとシートを取り外すと、ピクニックテーブルセットとして利用できます。
ここで紹介した13台のほかにも、海外では2階建てバスやスクールバスが発売されています。
クルマの存在が「シルバニアファミリー」の世界を広げる
どれもこもれも、美しいシルエットを持つ「シルバニアファミリー」のクルマたち。実際に手に取ると手ざわりの良さと、細部までしっかりと作り込まれているクオリティの高さが分かります。子ども向けの玩具に、エポック社はどうしてここまでの強いこだわりを注いだのでしょう?
「大人になっても楽しんでいただきたいという考えです。子ども向け玩具を超えた存在になれるよう努力をしています。2017年に約30年ぶりに発売された新しいタウンシリーズを起点に、シルバニアファミリーの商品全般に、より精緻な彫刻が施されるようになってきました。シルバニアファミリーユーザーの二世代化が進んできたことで、大人のファンの方にも満足いただけるよう、さらにデザイン性を高められるよう研究、開発をしています」(シルバニアファミリー事業部)
各クルマにはモデルとなった実車はあるのでしょうか?
「現行のシルバニアのクルマシリーズは、人形の体形や着座姿勢から全体をパッケージングした、細部に至るまでエポック社完全オリジナルデザインです。シルバニアファミリーのメインユーザーであるお子様に親しみやすく、遊びやすい様に、実際のクルマよりデフォルメされています。現代の流行をそのまま取り入れたものではなく「少し懐かしい」くらいの親しみのあるデザインを採用しています。また、燃料はガソリンではなく、おそらく植物由来の油なのではないかと思います」(シルバニアファミリー事業部)
エポック社スタッフの目線で「シルバニアファミリー」のクルマや乗り物に対する思い入れを教えて下さい。
「クルマの発売がきっかけで、男の子のユーザーが広がりました。お家を買う前に、まず人形とクルマを購入される方もいて、新規購入のきっかけにもなっています。また、クルマでシルバニア村の外へと出かけられるようになったことで、2012年からのファミリートリップシリーズ、シーサイドシリーズ、2017年のタウンシリーズ、2020年のゆうえんちシリーズと、シルバニアファミリーの世界を広げることが出来ました。シルバニアファミリー全体のなかでも、クルマは重要な存在になっています」(シルバニアファミリー事業部)
今後、新たなモデルの発売が予定されていたら、教えて下さい。
「2021年夏に、新しくアイスクリームワゴンの発売を予定しています。こちらは、しろウサギのお母さんが店長という設定です」(シルバニアファミリー事業部)
男の子や成人男性も手に取りやすく、「シルバニアファミリー」への入り口にもなっているクルマたち。これからも魅力的なクルマが登場し、キャラクターたちとユーザーの心をシルバニアワールドの各地へ運びます。
<関連リンク>
シルバニアファミリー公式サイト
https://www.sylvanianfamilies.com/ja-jp/
(文:糸井賢一/写真:エポック社/編集:奥村みよ+ノオト)
[ガズー編集部]
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