免許証の更新ができなそう! コロナ禍で行けない! そんなときは、どうする?
運転免許証を持っている人にとって必ず行わなくてはならないのが「更新」です。運転免許証には有効期間があり、その期間が終わる満了日(誕生日の1か月後)までに更新手続きを取らなくてはなりません。手続き開始は、誕生日の1か月前から。つまり、更新期間は、誕生日の前後2か月が基本となります。しかし、どうしても、その時期に手続きができない!とお悩みの方もいるでしょう。また、昨今はコロナ禍もあり、人の集まる場所に行きたくないという人もいるはず。今回は、そのような運転免許証の更新期間が過ぎてしまいそうな方へのご紹介です。
コロナ禍対策として2021年6月までの人は有効期間を延長できる
まず、コロナ禍で人の集う更新手続き会場に行きたくないという方。そんな方へ朗報です。コロナ禍対策としての特別措置が実施されています。それが、手続きをすると免許証の有効期間を3か月延長できるというもの。現時点(2021年4月25日)では、2021年6月30日までの有効期間の方が対象となります。また、すでに延長している方であっても、延長後の有効期間が2021年6月30日までであれば、再延長も可能です。
※ここでは警視庁を例にあげますが詳細はお住いの地域の都道府県警察へご確認ください。
手続きは、運転免許証、更新連絡はがき(なくても可)、更新手続開始申告書などの必要書類を持って、運転免許試験場や運転免許証更新センター、警察署などに出向いての申請が必要となります。ただし、代理人による申請や郵送での申請も可能となります。更新手続開始申告書などの書類のダウンロードや詳細は、自身が手続きを行う警察署のホームページをご確認ください。
ちなみに、延長した後の手続きは、通常と同様です。もしその手続きを行わなければ、通常と同じく失効となるので、注意しましょう。
やむを得ない理由があるときは期間前に更新できる
コロナ禍以外にもやむを得ない理由があるときは、更新期間前の手続きが可能です。ただし、“やむを得ない理由”とは、「海外旅行」、「病気での入院」、「出産」の3つ。「仕事で忙しかった」「忘れていた」といった理由は認められません。
事前の更新手続きには、通常の書類に追加して、やむを得ない理由を証明する書類が必要となります。海外旅行であれば旅行券や出張証明書、留学証明書。入院であれば診断書、出産であれば母子手帳などが、その証明する書類となります。また、住所変更や本籍(国籍)、氏名の変更を伴う場合は、住民票の写しなどの追加書類が必要です。
ちなみに、事前の更新を行うと、通常よりも免許証の有効期間が1年間短くなります。また、事前の更新なので、ゴールド免許(優良運転者)やブルー免許(一般運転者など)といった免許証の区分は、計算の起算日が異なるため、変更になる場合もあるので注意が必要です。
間に合わずに失効しても、やむを得ない理由があれば大丈夫
誕生日後の1か月以内という満了日を過ぎてしまうと、運転免許証は失効となります。効力がなくなり、免許証を失うことになります。手続きが遅れただけで、安くないお金と時間をかけて取得した運転免許証が、ただの紙になってしまうのです。
しかし、やむを得ない理由があれば、救済措置を利用することが可能です。やむを得ない理由とは、事前の更新手続きと同じ「海外旅行」「入院」「出産」だけでなく、「在監(刑務所や拘置所などに拘束されること)」と「公安委員会がやむを得ないと認める事情」が加えられています。
こうした、やむを得ない理由がある場合には救済措置がありますが、「失効して6か月以内」「失効して6か月を超えて3年以内」「平成13年6月19日以前にやむを得ない理由が派生して、失効後3年を超えた場合」と、状況にあわせて手続き方法が変わるので要確認です。
「失効して6か月以内」という場合、住民票の写しや、やむを得ない理由を証明する書類などを用意することで、新たに免許を取得できます。一部の試験を免除しての新規取得のため、適正試験を受けることになり、また、失効手続きを行った日が免許の取得日となるのでご注意ください。
「失効して6か月を超えて3年以内」は、やむを得ない理由がなくなった日(帰国や退院した日)から1か月以内が手続きの期限となり、手続き方法は、6か月以内と同様です。
「平成13年6月19日以前にやむを得ない理由が派生して、失効後3年を超えた場合」は、免除されるのは技能試験だけで、適性試験に加えて学科試験に合格する必要があります。
やむを得ない理由に当てはまらずに失効したらどうなる?
では、「仕事が忙しかった」「忘れていた」という、やむを得ない理由のない場合は、どうなるのでしょうか。結論からすると、こちらにも救済措置が用意されています。ただし、いつまでも救済されるわけではなく期限があります。
まず、「失効6か月以内」であれば、理由ありでの失効と同等に、適性試験のみの試験一部免除での新規の免許証の取得ができます。いわゆる「うっかり失効」と呼ばれる救済措置です。
そして「6か月を超えて1年以内」の場合は、仮免許までの救済となります。適正試験のみで仮免所は取得できますが、運転免許試験場や自動車教習所にて、本試験を受けて合格しなければ、免許証を手にすることができないのです。
もちろん、失効後1年を過ぎてしまえば、免許証の失効を取り消すことはできないので、免許証が欲しければ、また一から自動車教習所などに通わなくてはなりません。運転免許証を手に入れるには、お金も時間もかかるもの。一方、更新を怠れば、簡単に失われてしまいます。
期間内の更新が難しいと分かった時点で事前更新の手続きを行いましょう。もしも、うっかり失効してしまっても、6か月以内ならそれほど手間もかからずに免許を取り戻すことができ、やむを得ない理由があれば、さらに長い猶予期間が用意されています。こうした制度を知っていれば免許の失効を防ぐことができるかもしれません。ぜひとも覚えておきましょう。
<関連リンク>
警視庁 運転免許証の有効期間の延長(再延長)手続
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/koshin/koshin/enchosochi.html
警視庁 海外旅行、出産等の理由による更新期間前の更新手続
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/koshin/koshin/koshin06.html
(取材・文:鈴木ケンイチ/編集:奥村みよ+ノオト)
[ガズー編集部]
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