海外旅行に行く前に。知っておきたい「国際免許証」の基礎知識
海外旅行に行くなら、レンタカーを借りて現地の空気を感じたい! でも、国際免許はどうすれば……?
海外での運転は何かと不安がつきもの。特に「国際運転免許証(以下:国際免許)」は、「どうやって取得すればいいのか?」「そもそも必要なのか?」と、初心者にとって疑問は尽きません。申請期間がどれぐらいかかるのかも、気になりますよね。
そこで今回は、国際免許を取得するにあたって必要な知識や、取得方法をご紹介します。
国際免許で運転できるのは「ジュネーブ交通条約」加盟国
海外で運転をするには、国際免許が必要です。しかし、国際免許を持っていれば、どこの国でも運転できるわけではありません。日本で発行される国際免許が有効なのは、1949年に採択された道路交通に関する条約(通称:ジュネーブ交通条約)に加盟している国に限られます。
加盟国の一部を記載すると、アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、ロシア、韓国、タイ、シンガポールなどがありますが、警視庁のホームページに最新の加盟国一覧が掲載されているので、渡米先が該当しているかを事前に確認しておくといいでしょう。
▼警視庁:国外運転免許証が有効な国(ジュネーブ条約加盟国)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/menkyo/kokugai/kokugai04.html
ただし例外もあるのでご注意を!
このジュネーブ交通条約に加盟している国や地域ならば、日本の国際免許で運転することが可能です。ただし、例外がいくつかありますので、代表的なものをご紹介しておきます。
■香港&マカオ
中国はジュネーブ交通条約に加盟していないので、国際免許での運転はできません。別途、日本の有効な運転免許証に基づいて、中国の運転免許証を現地で取得する必要があります。ただし、特別行政区となる香港とマカオは、国際免許での運転が可能です。
▼中国(北京)で運転するには(在中国日本国大使館)
http://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/joho121212_j.htm
■台湾
親日国として有名な台湾では、国際免許がなくても運転が可能です。ただし、日本の免許証とあわせて日本自動車連盟(JAF)が発行する中国語翻訳文の持参が必須となります。発行料金は1通3,394円(税込)、郵送の場合は別途送料500円がかかります。最寄りのJAF翻訳文発行窓口から申請可能で、発行までの所要日数は即日~最長2週間。余裕を持って申請しておくとよさそうです。
▼台湾で自動車を運転される方へ(JAF)
http://www.jaf.or.jp/inter/taiwan/
■ドイツ
ドイツはジュネーブ交通条約には加盟していませんが、日本と二国間条約を結んでいるので、少し事情が異なります。「日本の運転免許証と国際免許証の2つを持参すること」、もしくは「日本の運転免許証とドイツ語翻訳文の持参」で6ヶ月間の運転が可能です。
▼ドイツ連邦共和国大使館 総領事館:運転免許証について
https://japan.diplo.de/ja-ja/service/-/1212270
申請は余裕を持って!急ぐ場合は運転免許センターへGO
ジュネーブ交通条約加盟国で有効な国際免許証の申請方法をご紹介していきましょう。国際免許証の申請は、最寄りの警察署か運転免許センター、運転免許試験場で行います。警察署で申請する場合は、約1~2週間かかりますが、運転免許センターや運転免許試験場であれば即日発行が可能です。
<必要書類>
- 運転免許証
- 写真1枚(縦5cm×横4cm)
※写真は無帽、正面、上三分身、無背景で申請前6か月以内に撮影したもの - パスポート等、渡航を証明するもの
- 古い国外運転免許証をお持ちの方は、その国外運転免許証も
これら4点を持参し、各都道府県の警察署の運転免許課、運転免許試験場、運転免許センターへ。手数料は2,350円です。また当然ですが、免許の期限切れや免許停止処分中の方などは申請できません。なお、国外運転免許証の期限がきれた場合、返納が必要となりますので、期限が切れたからといって捨てないようにご注意を。
各国ルールがそれぞれ異なりますので、各国の大使館ホームページなどを参照するのが安心です。また最近では、レンタカー会社がジュネーブ交通条約加盟国での運転に限り、運転免許証翻訳サービスを用意している場合もあります。費用や期間などを確認の上、安全で快適な海外ドライブを楽しんでくださいね。ただし、運転をするときには保険への加入なども考慮する必要がありますので、くれぐれも準備は万端に!
(取材・文:おおしまりえ 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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