グリコワゴンが全国を走る! 江崎グリコの取り組み
真っ赤なボディーにおなじみのお菓子をかたどった屋根やドアハンドル! グリコワゴンは、「日本中においしさと健康そしてワクワクする笑顔をお届けしたい」という思いを乗せて2010年から日本全国を走り続けています。グリコワゴンの誕生やこれまでの活動について江崎グリコ株式会社コーポレートコミュニケーション部の石河壮太朗さんに伺いました。
子どもたちに健康と笑顔を……思いが形になった「グリコワゴン」
――見た瞬間、思わず笑顔になってしまう「グリコワゴン」ですが、どのようないきさつから誕生したのですか?
グリコワゴンは江崎グリコ(以下、Glico)の「日本中においしさと健康そしてワクワクする笑顔をお届けしたい」という思いから、2010年に誕生しました。そして、同年12月より2か月半かけて北海道から沖縄までの日本全国を縦断するプロジェクトを実施しました。
47都道府県の各地で出会った方にGlico商品をお届けするイベントを行いながら走り続け、2011年2月にゴール地である沖縄県那覇市に無事到着しました。
そうして、次の活動を計画している矢先に東日本大震災が起こったのです。
――東日本大震災後はどのように活動されたのですか?
グリコワゴンとしての活動をというより「Glico グループとして何かできないか、私たちにできることは何か」と即座に検討に入り、食料支援やボランティアに参加するなど会社全体でさまざまな行動を起こしました。そんな中、それらの活動のひとつとして「みんなに少しでも笑顔を届けたい」という思いでグリコワゴンでの活動も始めました。
被災地の様子をくみ取りつつ、2011年5月に岩手・福島・宮城の3県を訪問。避難先だけでなく、学校や児童施設へも伺い、ポッキーチョコレートをはじめとしたGlico商品とアーティストによる歌を届けました。
実施にあたっては、現地FM局からの要請を受け、ラジオ番組「ラジアンリミテッドF」の協力を得て、パーソナリティのやまだひさしさん、そして、HOME MADE家族さん、高橋優さん、Dew(デュー)さんら3組のアーティストと一緒に現地に赴きました。
大変な状況のなかにあっても子どもたちのたくさんの笑顔を見ることができたのが心に残っています。その後も現地の状況を見ながら、東北エリアを何度も訪問しています。
子どもたちの元へ行けても行けなくても、成長に寄り添える活動を
――現在まで「グリコワゴン」として、主にどのような活動を行ってきましたか?
東日本大震災の被災地の他にも、西日本豪雨など日本各地で発生している災害の被災地へも訪れて、子どもたちにGlico商品を届ける活動を行ってきました。
また、ポッキーで楽しみながらプログラミングが学べるアプリ「GLICODE®(グリコード)」を使った授業を行い、頑張った子どもたちにGlico商品を届けるなどの取り組みを行っています。
――新型コロナウイルスによる活動への影響は出ていますか?
新型コロナウイルスの感染拡大により、グリコワゴンで直接訪問する活動は正直難しくなりました。しかし、「少しでも子どもたちの成長に寄り添いたい」「頑張る子どもたちに笑顔を届けよう」と、2020年には、SNSを通じて、「グリコワゴン みんなの『新たなチャレンジ』」キャンペーンを実施しました。
子どもたちが新しいことにチャレンジしている様子や、新たにできるようになったことをSNSで投稿していただくというもの。こちらには2843件の応募をいただき反響がありました。
2021年に入ってからは、外出やイベントが少ない昨今において、子どもたちの創作機会をつくるべく、WEB上でグリコワゴンのデザインアイデアを子どもたちから募集しました。
そして、コロナの感染状況が落ち着いてきた11月17日から6日間かけて、釜石市と連携して市内全9校の小学校と子ども園2園を巡回。朝食の欠食率改善にむけて朝食を食べることの大切さを伝えながらGlico商品を届けることができました。
釜石市内で会うことができた子どもたちの数は合計で1345名。子どもたちは、グリコワゴンにあしらわれているGlico商品を模したデザインに触れ、元気な笑顔を見せてくれました。
また、新型コロナウイルスの影響で子どもたちも自宅で過ごす時間が増えていますよね。Glicoの「子どもたちの遊びの時間に寄り添うことで『子どもたちの健やかな成長』に貢献したい」という思いと、タカラトミーさんの「『トミカ』発売50周年という記念の年に子どもたちを笑顔にする『トミカ』を作りたい」という思いが合致し、2021年1月16日からタカラトミーさんの「トミカ」の定番商品ラインアップとしてグリコワゴンを商品化していただいています。
株式会社タカラトミー トミカ 「No.58 グリコワゴン」 希望小売価格:495円(税込)
© TOMY 「Glico」、「POCKY」、「PRETZ」及び「グリコワゴン」は、江崎グリコ株式会社の登録商標です。
制限のある中でも前向きに。真っ赤なボディーに子どもたちの笑顔を詰め込んで
――2021年に行われた「グリコワゴン」のデザインアイデア募集について教えてください。
何かと制限が多く、子どもたちが楽しめる機会も限られる昨今ですが、そんな中にあっても子どもたちの創作の機会をつくり、前向きな気持ちで楽しんでもらえたら……と、新しいグリコワゴンのデザインアイデアを子どもたちから募集しました。
作品の応募総数は189件、15歳までの子どもたちに、クルマの3方向からのフォーマットの中に新しいグリコワゴンの姿を描いてもらいました。自由な発想でGlico商品がいろいろな形で車体に描かれ、中にはグリコワゴンからお菓子が飛び出すなど斬新なアイデアの作品もありました。
子どもたちの表現や斬新なアイデアには関係者一同驚きましたし、改めて子どもたちの描く世界観や表現力、発想力は素晴らしいと感じました。さらに、子どもたちのアイデアに対する一般投票には1268件もの票をいただきました。ご参加くださった皆様に感謝申し上げます。
今回、一般投票で選ばれた作品だけでなく、残念ながら入賞されなかった作品も大切に扱い、今後グリコワゴンが活動する上での原動力にさせていただこうと考えています。
――これまでの活動を振り返ってどのように感じていますか?
グリコワゴンは誕生して約12年、たくさんの方のご協力をいただきながら日本各地で活動を続けることができました。グリコワゴンには、これまで出会った方の笑顔が詰まっていると思っています。今後、初めてお会いする方との出会いはもちろん、これまで出会った皆さまとも笑顔で再会できるのを楽しみにしています。
これからも「日本中においしさと健康そしてワクワクする笑顔をお届けしたい」という誕生当初の思いを大切に、子どもたちの健やかな成長に寄り添いながら、みなさんに笑顔を届ける活動を続けてまいりたいと考えています。
「グリコワゴン」は2月下旬まで埼玉県のグリコピア・イーストに展示されているそうです。(※新型コロナウイルス感染防止のため、グリコピア・イーストが閉館している場合があるそうです。事前にグリコピア・イーストの開館情報をご確認ください)
大人もワクワクしてしまうデザインのグリコワゴン。早く気兼ねなく全国を回れるようになってほしいものです。
<取材協力>
江崎グリコ株式会社
グリコワゴン
グリコワゴンデザインアイデア募集・入賞作品
(取材・文:わたなべひろみ/写真:江崎グリコ株式会社 /編集:奥村みよ+ノオト)
[GAZOO編集部]
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