東名、新東名どちらを走る?

  • 東名高速道路上り線 豊田JCT周辺

日本の大動脈といえる、東名高速道路(以下 東名)は東京IC(東京都世田谷区)~小牧IC(愛知県小牧市)を結ぶ、総距離約347キロの高速道路です。

東名の交通状況緩和のために、1980年代から、政府ではたびたび東名の車線増加や並走する新規高速道路の建設などが計画されます。その計画の1つとして誕生したのが、新東名高速道路(以下 新東名)です。

新東名は、海老名南JCT(神奈川県海老名市)~豊田JCT(愛知県豊田市)を結ぶ総距離約253キロの高速道路で、2012年4月に最初となる区間が開通して、現在は御殿場ジャンクション(静岡県御殿場市)~豊田JCTの215キロが開通しています。

新東名は、東名より約10キロほど山側を通っていて、ほぼ東名と並走するルートとなっているため、どちらを通っても同じ方面にいくことができ、利用者にとっては走行する選択肢が増えて利便性が高いです。

しかし、選択肢が増えたがために、どちらの高速道路を利用すればいいのか迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

東名と新東名、利用するならどちらがいいのでしょうか。初めて、東名や新東名を利用される方は、ぜひ参考にしてみてください。

景色を楽しむなら東名

  • 東名高速道路上り線 静岡IC周辺

高速道路を走る楽しみの1つとして、素敵な景色を見れることがあります。高速道路からみえる景色は、ワクワクしますし、とても気もちよく、運転している充実感を与えてくれます。

東名は、日本の大動脈でありながらすばらしい景色をみられる高速道路でもあるんです。富士山、太平洋が間近にみえるのが最大の特徴です。

新東名からもところどころで富士山がみえるポイントがありますが、東名の方が富士山の麓に広がる景色や富士山以外の自然の景色をみることができます。

富士川SA周辺の富士山と富士川の景色や、由比PA周辺の富士山と駿河湾の景色などはなかなかなものです。個人的におすすめなのが東名上り線の日本坂トンネルを抜けて静岡IC手前からみえる、富士山と富士山の麓に広がる静岡市の街並の景色です。

富士山以外にも、東名では牧之原SA周辺の茶畑や浜名湖など、心を奪われる景観が満載です。以上のことからも、景色をみながらドライブを楽しみたいなら東名を通るのがおすすめです。

東名を走行する理由としては他にも・・・

・SAやPAの間隔が短いから、休憩がとりやすい。

という方もいらっしゃいます。

運転を楽しみたいという人の中には、

東名はカーブや起伏が多めの区間もあり、その区間を走行するのが楽しい。

という人もいます。ちょっと特殊かもしれませんが・・・

短時間で楽に移動したいなら新東名

  • 新東名高速道路下り線 新静岡IC周辺

東名の新規ルートとして建設された新東名。従来の東名が比較的都市部近郊を通っているのに対して、新東名は東京~名古屋間さらにその先の大阪や神戸間の所要時間を短縮することに特化したルートで建設されています。

さらに、新東名は最新の建設技術でつかわれていることもあり、

カーブの最小半径
東名:300メートル 新東名:3000メートル

最大勾配
東名:5% 新東名:2%

1車線あたりの車線の広さ
東名:3.6メートル 新東名3.75メートル

以上の数値から、カーブや起伏が東名より少なくなるように設計され、車線も広めのため、まさに走行の快適さに重点をおいた高速道路になっています。

そのおかげもあり、2020年12月には御殿場JCT~浜松いなさJCTが片側3車線に増えたのと制限速度が時速120キロに引き上げとなり、便利になりました。

首都圏を中心に制限速度が120キロに引き上げが計画されている高速道路は、いくつかありますが、2021年11月現在運用されているのは、新東名の御殿場JCT~浜松いなさJCTと東北自動車道の花巻南IC~盛岡南ICの2区間のみとなっています。

また、御殿場JCT~豊田JCTが新東名の方が東名より距離が10キロほど短いこともあり、順調に走行できるなら新東名を走行した方が所要時間が通常の流れで30分前後短くすみます。

長距離の運転などで、とにかく早く楽に移動したい・目的地に到着したいという方には、新東名の走行を推奨します。車線も広めでカーブや起伏が少ないため、運転によるストレスや疲れが軽減されるのも新東名のメリットです。

新東名では、現在御殿場JCT~浜松いなさJCTで制限速度120キロではありますが、大型トラックやトレーラーは80キロに設定されています。そのため、走行している車によって速度の差が生まれやすくなりますので、しっかり周囲の確認を徹底しながら走行しましょう。

臨機応変にルートを決める

  • 東名高速道路上り線 焼津IC~静岡ICには全国的にも珍しい右ルート・左ルートに分かれている区間があり、走行していてなかなかおもしろいです

それでは、結局東名と新東名どちらを走行した方がよろしいのか。東名と新東名それぞれに明確な利点がありますし、特長があるのは確かです。

正直甲乙つけがたいところではありますが、初めて該当の区間を走行する、しかも昼間であるなら、多少所要時間はかかりますが東名を走行すると楽しいかもしれません。

しかし、それ以外であれば新東名のほうが楽なのではないでしょか。

新東名は日本の高速道路のなかでは高規格な設計がされているため、他の高速道路より走行しやいことも、少し運転すればすぐに感じられます。

あとは、当たり前のことですが、渋滞や通行止め、そして工事による車線減少をしている区間があるかもしれません。該当の区間に入る前にスマホやナビ、SAなどで高速道路状況を調べることは最重要です。

実際、東名は毎年9月から年末にかけてリニューアル工事のために渋滞になりますし、悪天候の場合海岸沿いの区間が高潮により通行止めになることもあります。

東名・新東名それぞれ走行した場合の所要時間が表示された看板も高速道路上にいくつか設置されていますので、こちらを上手に活用するのも効果的です。

また、東名と新東名のルートが並走している部分の主である静岡県には、魅力的な観光スポットもたくさんあるため、目的地までの道中で立ち寄るということなら、最寄のインターが接続する高速道路を利用することになるでしょう。

私はSAで決めてます

  • 新東名高速道路 岡崎SAは名古屋名物みそかつが食べられるうえに、コンビニやカフェチェーン店まで設置されている、充実感満載のSAです

東名と新東名どちらを選ぶかは、私も毎回考えます。それくらい、それぞれに魅力があり走行していて満足度が高いのは事実です。

私は、立ち寄りたいSAがある方の高速道路を選ぶようにしています。ほしいおみやげ、食べたいご当地グルメ、コンビニやカフェチェーン店などの理由です

たとえば・・・

「桜えびのかき揚げ食べたいから富士川SAに立ち寄るため東名」

「浜名湖SAできみのままのバームクーヘンを買いたいから東名」

「岡崎SAの矢場とんでみそかつ食べたいから新東名」

東名、新東名の初心者の方は運転当日までに予定しているスケジュール全体の計画から、東名・新東名の近郊観光スポットやサービスエリアの情報を調べるなどの準備をしっかりして、走行する高速道路を決めることをおすすめします。

また、御殿場JCT~豊田JCTの途中の清水と浜松のところにお互いの路線を結ぶ、連絡道路と呼ばれる高速道路が設置されており、ここから東名から新東名、あるいは新東名から東名へと移動することもできますので、区間ごとに走行する高速道路を変えることもできます。

ぜひ、東名、新東名の初心者の方は、今回の記事を参考に、しっかりルートを定め安全かつ快適で楽しいドライブをしてみませんか。

のっぴードライブログ

(テキスト:のっぴー、編集:GAZOO編集部 岡本)

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