意外と知らない、道路交通法違反
高速道路は、事故が多発する交差点がないため一般道より事故件数は少ないものの、一般道とスピード領域が異なるため、ちょっとした不注意が大事故につながりやすいのです。
しかし、自己流でゆっくり走ればよいというものでもなく、安全に高速道路を利用するためには、交通ルールをしっかり理解して運転を心がけることが大切です。そこで今回は、意外と知られていない道路交通法違反をご紹介します。
車間距離不保持違反
前の車との車間距離を十分にとっていないと、違反になることをご存じでしょうか?
道路交通法の第26条に車間距離の保持については記載があり、あまりにも車間距離が狭いまま走行し続けると、「車間距離不保持違反」と呼ばれる道路交通法違反となります。
こちらの車間距離不保持違反検挙数は、2018年に急増し、2019年の15,065件(一般道含む)をピークに、2020年は13,062件に微減しています。あおり運転という危険運転が社会問題になったころより取り締まりが強化され、2020年にあおり運転を厳罰化した妨害運転罪が公布されたことにより減少しているようみうけられます。
適切な車間距離とは、前の車が急ブレーキをした、なんらかの行動を突然した場合に、自分が逃げれる距離であり、安全のための距離です。高速道路では、制限速度のキロをメートルに変えた距離分(制限速度80キロなら80メートル)を前の車とあけるのが一般的な目安となっています。高速道路には、100メートルごとに設置されているキロポストや、不定期で現れる車間距離を確認する表示板などを活用しながら、適切な車間距離を保って走行するとよいです。
高速道路での「車間距離不保持違反」には、普通車で違反点数2点の反則金9000円がかせられますが、あおり運転と紙一重であり、反則金以上に危険運転であると認識したほうがよいでしょう。
車両通行帯違反
高速道路は、有料区間のおよそ8割の区間が片側2車線以上ある区間となっています。片側2車線以上ある場合、一番右側の車線は前の車を追い越すために使用する追越車線、それ以外の車線が通常走行するために使用する走行車線と決められているのです。
道路交通法第20条で車両通行帯が設けられている道路では一番左側の道路を通行しなければいけないと定められており、片側3車線以上ある道路では、一番右側の車線以外を走行するように決められております。
追越車線を追い越し以外の目的で走行していた場合、「車両通行帯違反」となります。一般的2キロ以上追越車線を走行し続けると違反となると言われることがありますが、距離には関係なく、追い越し目的でない場合は違反なので、ドライバー本人が違反かどうかを把握しているはずです。
車両通行帯違反で取り締まりを受けた場合、普通車で違反点数1点の反則金6000円で、違反件数検挙数は、速度超過違反の検挙数の次に多いそうです。
ちなみに、高速道路でたまに見受けられる、左側から追い越しをするという行為は、「追い越し違反」という違反になります。前の車を追い越しする場合は右側から追い越さなければいけない決まりがあります。
高速自動車国道等運転手遵守事項違反
高速道路には、「高速自動車国道等運転手遵守事項違反」という違反があります。なにやら難しい名前の違反ですが、自分が乗車する車の状態のチェックを怠り高速道路で車を運転できない状態にしてしまったり、積載物を転落もしくは飛散させた場合に取り締まりを受ける違反のことです。
一番ありがちなのは、高速道路上で燃料切れのために停まってしまう事例です。高速道路上は基本的に駐停車禁止のため、燃料切れで車が停まってしまうと、大変危険なため取り締まりを受ける対象となります。
最近は、新しい高速道路が次々と開通しておりますが、新しい高速道路では休憩ポイントであるサービスエリアが少ない区間も多く、それに伴い、給油ポイントが少ないも区間も増えていますので、長距離ドライブの場合は、高速道路に乗る前にガソリンスタンドで燃料を満タンにしてから乗ることと、早めの給油を心がけていくことが大事です。
また、積載物の落下は主にトラックですが、ルーフボックス、自転車、スノボーなどを積んでいる人は、キャリア本体の取り付け具合だけでなく、ルーフボックスであればしっかりフタをしめておかなければ高速走行でフタが開くかもしれませんので、車外に何か積むということは危険であるいう認識を持つようにしましょう。
高速自動車国道等運転手遵守事項違反の反則金は、普通車で違反点数2点反則金9000円です。
高速道路ではちょっとしたことで大きな事故につながりますので、一般道以上にルールの遵守に努めましょう。未だに、自分の運転について、自分のものさしで上手い、安全だという人がいますが、同乗者も同じ思いでいるのでしょうか。交通ルールをしっかり守って運転することが、高速道路での走行をより快適で楽しいものにするのではないでしょうか。
(文/写真:のっぴー 写真:AC,のっぴー)
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