関越自動車道と言えば何を思い浮かべますか?

関越自動車道(以下 関越道)は、東京都練馬区の「練馬IC」を起点に、埼玉県〜群馬県〜新潟県と経由し、新潟県長岡市の「長岡JCT」で終点を迎える総距離246.2キロの路線です。

関越道と言えば、「私をスキーに連れてって」のオープニングのシーンです。オジサン世代しか知らないのは承知です。優(原田知世)が乗っている西武のスキーバスの横を、矢野(三上博史)のトヨタ カローラIIが並走するシーン。もし見たことないのであれば若い人も是非見てみてください。

そんな関越道、皆さんもご存じの関越道らしい特徴を5点お話ししていきます。

日本有数の豪雪地帯を通る路線

関越道が通る一部地域は、日本でも有数の豪雪地帯です。川端康成の「雪国」の有名な書き出し「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」は、群馬と新潟の県境となる上越国境を結ぶ清水トンネルがモデルとなっています。トンネルを抜けた新潟側の最初の駅、JR土樽駅のすぐ横を関越道が走っているのです。

関越トンネルを抜けてすぐに土樽PAがあります。この少し先の、越後湯沢周辺の十日町や津南などは、日本の積雪量ランキングで上位にランキングしており、2022年〜2023年の冬季シーズン十日町では200センチ近くまで積雪したそうです。

関越道では積雪の影響で、冬季になると関越トンネルより北側では、冬用タイヤ規制やチェーン規制が実施されることが多くあります。特に、関越トンネルを越えてすぐのところにある土樽PAは、冬用タイヤやチェーンの装着チェックを行うポイントにもなっており、装着していない車は通行できないようになっています。

また、雪がすごい場合は群馬県北部から規制がかかることもありますが、関越トンネル内では金属チェーンは禁止されていますので注意ください。冬季に関越道利用で群馬県北部より北側に行く際は、冬用の装備をしたうえで、事前の交通情報をしっかり把握しておくことが大切です。

雪国との境目、元日本最長の関越トンネル

  • 関越トンネル

関越道のシンボルといえばやはり「関越トンネル」ではないでしょうか。群馬県と新潟県の県境に位置する上下線ともに約11キロの距離の長いトンネルです。

かつては日本最長のトンネルでしたが、2015年に首都高の「山手トンネル」が全線開通したことにより、現在は第2位の長さになりました。世界で17番目に長いトンネルで、山岳トンネルとしては日本最長をほこります。

また山岳地帯、かつトンネルが長いこともあり、前後のインターチェンジとなる群馬県の「水上IC」と新潟県長岡市「湯沢IC」の距離間は約26キロと長めです。そのため、この区間内には、関越トンネルの前後に「谷川岳PA」と「土樽PA」が設置されています。

このように、長いトンネルであるため維持費や管理費にコストがかかるので、中央自動車道の「恵那山トンネル」と同様に、高速道路の対距離料金が通常の1.6倍(普通車39.36円)に設定されています。なお2024年3月までは、ETC無線利用車に限り、24.6円(普通車)に引き下げられています。

関越道周辺では四季折々のレジャーを楽しめる

  • 伊香保温泉 石段街

群馬県の県庁所在地である前橋市の「前橋IC」をすぎたあたりから、山岳地帯へと入っていきます。前橋ICより北は、群馬県だと伊香保温泉(関越道の渋川伊香保ICからアクセス可能)や水上温泉などの温泉地の他、少し離れるものの、四万温泉などの名湯とよばれる温泉地が続きます。

さらに、群馬県の赤城山・新潟県の苗場山・群馬県と新潟県にまたがる谷川岳など、日本百名山もあり、夏登山から厳冬期の登山、そして里からは四季折々の息を飲む絶景を見せてくれます。

そのような場所が豊富にあるため、群馬県、新潟県ともにスキー場が多く、首都圏から多くの人が関越道を使ってスキー、スノーボードを楽しみにきています。

関越道は、四季折々、老若男女楽しめるレジャーが豊富にあり、日々たくさんの方が楽しみを求めて訪れに利用する路線なのです。

スノーシーズンはスキー渋滞が多発

スキー、スノボー人口は、1998年の1800万人をピークに現在は4分の1ぐらいまで減少しているものの、レジャーとしては人気のあるスポーツです。しかも、ほとんどの人が、週末を中心に、愛車で首都圏から関越道を利用してスキー場に向かいます。

その影響で、冬季の関越道は主に土日の午前中に、渋滞規模の大きな渋滞が多発します。渋滞は朝6時台からはじまり、徐々に規模が大きくなっていくことが多いのですが、時には、練馬ICから埼玉県北部の「花園IC」や「本庄児玉IC」まで渋滞します。

この渋滞を避けるには、朝5時台に埼玉県区間を抜けたいです。土日に関越道を利用する際は、早めに出発することをおすすめします。

サービスエリアの規模を誇る「三芳パーキングエリア」

  • 関越自動車道 三芳PAのPasar三芳

練馬ICから最初にあるPAが、埼玉県三芳町に所在地を置く「三芳PA」です。起点の練馬ICから14キロのポイントにあり、関越道のなかでも人気の高いPAです。

三芳PAは、上下線ともにフードコートやショッピングコーナーにガソリンスタンドも設置されており、PAながらサービスエリア並みの施設を備えています。さらに上り線は、「Pasar三芳」という商業施設が設置されていて、高速道路利用者以外にも近隣にお住まいの方も利用でき、かつ利用したくなるような施設が整っています。Pasar(パサール)という名前は、パーキングエリアの「PA」サービスエリアの「SA」リラクゼーションの頭文字を意味する「R」からつけられています。

Pasar(パサール)は、道ナカ"商業施設と称されるNEXCO東日本の商業施設のフラッグシップブランドで、首都圏近郊で7店舗を展開しています。東北自動車道の「蓮田SA」上り線や、常磐自動車道「守谷SA」上下線など、サービスエリアのなかでも、比較的規模感の大きいところに設置されています。。

ガソリンスタンドが連続してPAに設置されているのは、全国的にも珍しいのですが、三芳PAの次の「高坂PA」の上下線にもガソリンスタンドが設置されています。

関越道の特徴が多いエリアは?

  • 関越道 越後川口SAからの景色

関越道は、練馬ICから群馬県の前橋ICまでの片側3車線通行のエリアの利用者が多いのですが、その先の群馬県北部〜新潟県の山岳地帯に特徴があると思います。

関越道は主要路線のなかでも総距離が短めな路線ですので、終点の長岡JCTまで関越道を利用して、関越道の魅力に触れてみていただければと思います。

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(テキスト:のっぴー、写真:AC、のっぴー、編集:GAZOO編集部)

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