高速道路の無料区間
もともと有料道路だった道が、無料開放になった道路は全国に多々ありますが、「最初から無料」の高速道路をご存知ですか?
多くの高速道路は有料ですが、無料で開放している高速道路が全国には幾つもあります。無料の高速道路の特長や無料区間などをお届けします。
まずは、高速道路会社が運営している高速道路
西日本高速道路、中日本高速道路、東日本高速道路、首都高速道路、阪神高速道路などの高速道路運営会社が担当している高速道路はみなさんご存知のように有料の道路です。
高速道路はもともと、日本道路公団・首都高速道路公団・阪神高速道路公団・本州四国連絡橋公団の4公団が運営してきましたが、小泉内閣政権時代に民営化され、2005年10月に現在のNEXCO3社・首都高速道路株式会社・阪神高速道路株式会社・本州四国連絡高速道路株式会社に引き継がれました。
民営化の目的は、確実な借金返済、必要な道路を早期にできるだけ少ない国民負担で建設、多様で弾力的な料金設定やサービスを提供、の3点でした。
特に、3点目の「料金設定」については、ETC割引や、各種観光促進キャンペーンなどを随時打ち出しています。「多種多様なサービス」は、利用したくなる『PASAR三芳』や、テーマパークのような『鬼平江戸処』『羽生PA』など楽しめるSA/PAを次々に展開し、施設のトイレも綺麗になっています。
私の感覚だと、20年前と比較すると驚くほど有料高速道路のサービスが良くなっています。日々サービスが向上していくのが有料高速道路の特長だといえます。
そして、2065年までに借金を返済し、その後は有料高速道路を無料開放する予定になっていますが、高速道路整備事業の一部が税負担のケースもあるため、借金は今も増えているのかもしれません。まだ当分先のお話しですが。
無料区間は新直轄方式
高速道路を無料で走行できる区間が増えてきています。有料の高速道路は大都市を通過するなど、多くの利用者が期待できる採算が望める地域にあります。
一方、日本には多くの利用者が望めず、民営化された高速道路会社では、採算がとれない路線で、新たに建設が難しい地域もあります。そのような場合に、国と地方自治体が負担して高速道路を建築する事業を「新直轄方式」といいます。
無料であるためインターチェンジに料金所はありません。高速道路とはいえ、サービスの充実したSAは無く、休憩のためのPAだけが整備されていることが特徴です。
無料の高速道路では、インター付近に“道の駅”がある地域が多く、道の駅が高速道路のサービスエリア替わりとなっています。しかし道の駅のなかには、サービスエリアのように24時間営業ではないところもあるので、注意が必要です。
そして無料区間で給油が必要になった際には、一度高速道路を降りて、最寄のガソリンスタンドの場所と営業時間を調べて行く必要があります、
また、無料区間の車線は、約6割が暫定2車線の片側1車線の対面通行となるため、より緊張感が高い運転を強いられる場合も出てきます。
無料区間は、無料で気軽に乗り降りしやすいメリットはあるものの、最低限の設備しか整っていないということを理解したうえで、走行した方が良いでしょう。
(参考)新直轄方式、無料高速道路
下記道路の一部区間。北海道縦貫自動車道、北海道横断自動車道、東北横断自動車道、日本海沿岸東北自動車道、東北中央自動車道、近畿自動車道、中国横断自動車道、四国横断自動車道、九州横断自動車道、東九州自動車道(2006年計画)
(テキスト/写真:のっぴー、編集:GAZOO編集部)
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