特徴を知って楽しむ「東京湾アクアライン」

一昔前、川崎から千葉の木更津に向かうには、東京湾を半周するか、直接カーフェリーで行くしかなくとても不便でした。この不便さを解消するため、1997年アクアラインが完成しました。この道路は東京湾を横断しているため船舶、地盤の軟弱性など多くの課題があり、調査に20年、工事に10年がかかりました。また多くの新技術を多用したため、「土木のアポロ計画」と呼ばれていました。

しかし開通当時から長い間、通行料金が高額(開通当時片道4000円)のため利用者が延びなかった歴史があります。そのため、2009年にETC利用者を対象に800円(普通車)に値下げを行ったところ、そこから利用者が増えています。

アクアラインは、明石海峡大橋のような海面から高いところを走る橋でなく、海面すれすれに道路があったり、海の上にあるPAがあるなど全国的にも珍しく、TV、雑誌などでの度々取り上げられ話題となりました。そのため、何度走行してみてもアクアラインは特別な道路だなと感じます。今回はアクアラインについて、自分の経験を踏まえつつお話していきます。

2つの路線から構成されている

  • AC(アクアラインは木更津金田ICを境に名称が変わる)

一般的にアクアラインで周知されていますが、2つの路線から構成されています。

川崎浮島JCT〜「木更津金田IC」の15.1キロが「東京湾アクアライン」、木更津金田IC〜木更津JCTの8.6キロが「東京湾アクアライン連絡道(以下アクア連絡道)」となります。

アクアラインは海のど真ん中を走行するのに対し、アクア連絡道は千葉県側の陸上を走行します。そのため、2路線合わせて30キロに満たない短い路線でありながら、景色の移り変わりを楽しめる路線です。

ちなみに、インター番号はアクアラインの起点川崎浮島JCTが「1」、アクアラインとアクア連絡道の接続地点となる木更津金田ICが「2」、アクア連絡道の「袖ケ浦IC」が「3」であり、アクア連絡道はアクアラインからのインター番号が引き継がれている形となります。

日本第4位の長さのトンネルと日本一長い橋梁

  • 東京湾アクアライン

アクアラインは陸地のない部分を通っていますが、主に海底トンネルと海上に架かる橋によって構成されています。

川崎浮島JCT〜「海ほたるPA」を通るトンネルは、「東京湾アクアトンネル」と呼ばれ、全長約9.6㎞。日本で4番目の長さを誇るうえに、標高は海面下60メートルと日本の一般国道のなかでもっとも低い位置とされています。海底道路トンネルとしては日本最長に加え、世界でも第2位を誇ります。

海ほたるPA〜木更津金田ICは、「東京湾アクアブリッジ」と呼ばれる橋が架かっています。全長4384mは橋梁としては日本最長の長さを誇ります。橋というと、だいたいが1km未満であっという間に通過してしまうイメージがありますが、東京湾アクアブリッジはなかなか橋の終点が見えてきません。

海の上に道路があるため強風が吹きやすく、スピード規制もすぐにでる道路なので、横風によるスリップや横転に気をつけて運転する必要があります。

また、東京湾アクアトンネルでは落下物が落ちていることもよくあります。トンネル内は暗いため周囲の確認には気をつけて走行しましょう。

アクアラインは、海ほたるPAの前後で周辺景色がガラリと変わります。特に、東京湾アクアブリッジからの景色はすばらしいので、一見の価値があります。

人口島に建設された「海ほたるPA」

  • 海ほたるPA

海ほたるPAは日本で唯一の海上にあるPAで、全長650mの人工島(木更津人口島)はアクアライン唯一の休憩スポットです。

レストランや売店をはじめ、ガソリンスタンド、コンビニ、カフェチェーン店なども設置されており、パーキングエリアという名称ではあるもののサービスエリア並みの施設と規模を誇っています。

幸せの鐘や実際に海底トンネル掘削で使用された直結約14mの巨大金属カッターなども展示されています。

また、360度見渡せる展望デッキが設置されているため、一面のオーシャンビューや、羽田空港の飛行機の往来や川崎側・木更津側の両対岸の景色も眺めることができます。

見どころ満載で日本夜景遺産にも指定されており、休憩スポットとしてだけでなく、観光スポットとして海ほたるPAを目的にドライブされる方も多いです。

渋滞する曜日と時間帯が特殊

私が実際アクアラインを利用するようになってからわかった、アクアラインならではの特徴です。

アクアラインの土曜日の混雑は、起点の川崎浮島JCT〜海ほたるPAではじまります。土日の2連休の場合、主な路線は土曜日の朝6時から徐々に渋滞がはじまりますが、アクアラインは他路線よりも渋滞しはじめるのが早い時が多いです。

また上り方面の渋滞は一般的に日曜日の午後が発生しやすいのに対して、アクアラインは日曜日だけでなく土曜日の午後にも上り方面(川崎方面)への渋滞が発生します。

その理由として、木更津方面に、夏の潮干狩りや観光スポットも多々あることに加えて、近年は木更津周辺にアウトレットなどの商業施設も充実してきたため、日帰り旅行でアクアラインを利用される方が増えてきたからだと思われます。

アクアラインは、土曜日も渋滞する可能性があるので、走行する曜日や時間帯を上手に考えて走行したほうがよいでしょう。

アクアラインをもっと楽しく

  • AC

アクアラインはサービスエリア規模のパーキングエリアや景色の移り変わり、他にない構造などの特徴がたくさん詰まっている路線だと思います。

アクアラインを走行する際は、ぜひ今回お話しさせていただいた特徴とともにドライブを楽しんでみてください。

のっぴードライブログ

(テキスト:のっぴー、写真:AC、のっぴー、編集:GAZOO編集部)