知っておくとより楽しめる常磐自動車道の特徴

首都高起点の高速道路のなかでも東側に位置する常磐自動車道(以下 常磐道)。埼玉県三郷市の「三郷JCT」を起点に、宮城県亘理町の「亘理IC」で終点を迎える、総距離約300.4キロの路線です。

全体的にカーブや起伏が少なめで走行しやすいうえに、かなり特徴があり楽しく走行できる路線です。

今回は、そんな常磐道のお話しをしていきます。

常盤自動車、名称の由来

  • 日本の旧国名の地図

常磐道のほとんどは茨城県と福島県部分の走行になります。

ここで日本の旧国名をみてみると、茨城県はほぼ全域が「常陸(ひたち)」、福島県の東部は「磐城(いわき)」と呼ばれていました。常磐道は、この常陸と磐城の頭文字からネーミングされたのです。

ちなみに鉄道では、常磐道とほぼ同じようなルートを通る常磐線が存在します。鉄道では旧国名を名称に使用している路線がたくさんあります。高速道路は鉄道ほどではないですが、関越自動車道・上信越自動車道・磐越自動車道など旧国名を名称に使用しています。

日立、いわきの名称が多く使われている

  • 常磐道 いわきJCT付近

旧国名で使用されている名称なだけあり、現在表記は変わっていますが、常磐道には常陸(現表記:日立)と磐城(現表記:いわき)の名称が使用されているインターやジャンクションがたくさんあります。

日立の名称は「日立南太田IC」「日立中央IC・PA」「日立北IC」についています。起点から南・中央・北とわかりやすい名称表記になっています。

いわきは名称に東西南北はつかず「いわき勿来IC」「いわき湯本IC」「いわきJCT」「いわき中央IC」「いわき四倉IC」と続きます。

常磐道を走行していると、日立といわきの名称が次々と現れるので、少しわかりにくいと感じることになります。そのため日立やいわきの名称がつくインターやジャンクションを利用する方は、間違えのないように気をつけたほうが良いでしょう。

片側1車線の区間もある

  • 常磐自動車道

常磐道は、他路線よりも車線の数が区間によって変わる路線です。

起点の三郷JCTから茨城県の「谷田部IC」までは大都市近郊区間ということもあり、常磐道のなかでも交通量の多い区間で、土日を中心に大規模な渋滞が発生する区間でもあります。

2023年9月現在の車線数は

三郷JCT~水戸IC:片側3車線(82km)

水戸IC~ならはスマートIC:片側2車線(125km)

ならはスマートIC~山元IC:片側1車線(73km)

山元IC~亘理IC:片側2車線 です。

常磐道は起点から片側3車線〜2車線〜1車線〜2車線と変化します。

首都圏起点の殆どの高速道路は、起点からしばらくは片側3車線通行が続き、おおむね70〜100キロ前後の地点で片側2車線に減少しますが、その後は終点まで片側2車線通行が続きます。

接続する他路線多が多い

引用:国土交通省HP 「高速道路ナンバリング路線図」
https://www.mlit.go.jp/road/sign/numbering/map/kanto/index.html

常磐道は東北道との関係性が強く、たとえば東名や中央道、山陽自動車道と中国自動車道と同様に、起点から終点の間に両路線を結ぶ路線がいくつか存在します。

まず両路線の起点と起点が外環道で結ばれており、さらに外側には圏央道が接続しています。水戸市南部に位置する笠間市の「友部JCT」では、同じく北関東に属する群馬県や栃木県へとつながる北関東自動車道(以下 北関東道)が通っています。

福島県いわき市の「いわきJCT」からは福島県中通りの中心地、郡山市や新潟県へと続く磐越自動車道、福島県と宮城県の県境に位置する相馬市の「相馬IC」からは福島県の県庁所在地である福島市や山形県へと続く東北中央自動車道がつながっています。さらに、常磐道終点の亘理ICからは直接、仙台東部道路が接続しており、しばらく進むと仙台南部道路がつながっています。

【参照資料】高速道路ナンバリング 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/road/sign/numbering/list/index.html

内陸部から徐々に海岸部へ

  • JR日立駅付近 駅から太平洋が眺められるくらい海が近い

常磐道は通っている地域も特徴的です。起点の三郷JCT周辺は関東平野が広がっており、そこから北東部へといきます。千葉県と茨城県の県境には日本一広い川、利根川を渡ります。

筑波山の東側、日本で2番目に大きい湖である霞ヶ浦の西側を通り、茨城県北部の日立市に入るあたりからは終点まで、太平洋沿岸部を北上していきます。

起点の内陸部から、だんだんと海岸部に移行していく感じは東名と近く、常磐道では通っているルートゆえの景色の移り変わりも楽しめるのが特徴です。

常磐道を楽しく走行しよう

  • 常磐自動車道

常磐道は、起点の三郷JCT〜水戸周辺が交通量が多く、私もその区間の利用機会が多いのですが、水戸を過ぎてからが常磐道のおもしろい部分だといえます。

常磐道のシンボルといってもいい日立やいわきの名称の数々や、日立周辺からは太平洋がみられる部分もあり、かなり特徴的な路線へと変貌します。

残念ながら、ならはスマートIC〜山元ICは現在片側1車線通行で若干走行しづらさはありますが、将来的には片側2車線通行になる予定で、車線増設の計画や工事が進められています。

常磐道走行の際は、ご紹介した特徴と一緒に楽しんでいただければなと思います。

のっぴードライブログ

(テキスト:のっぴー、写真:国土交通省HP、AC、編集:GAZOO編集部)